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八 アンドロイドの投入と総統の最後


 総統の建物内では、共産軍と連合軍が兵隊の遺体を回収するための交渉を

していた。


共産軍と連合軍がハンドスピーカーで総統達に呼びかけた。


暫くするとシールドを持った警護の兵士が姿を現し、条件に水と食料を置いて

行くことで承諾した。


それと遺体と水・食糧を運ぶ兵士に、武器を携帯しないことも要求した。


時空パトロールは水と食料を運ぶ兵士に、アンドロイドを投入することに決めた。


アンドロイドは戦闘専門で体の一部が武器に変化するタイプを選んだ。


遺体の収容も終わり、水・食料を持った兵士10人程が階段を降り、

突きあたりの壁際に次々に置いた。


その中の3人が、早い速度で暗い通路に消えた。


アンドロイド3体は暗視装置で、総統と警護の兵士2人を確認した。


1体は総統に、後2体は兵士に突進していった。


体の腕部分をマシンガンに変えていた。


シールドを持った兵士は「総統、安全装置を外して!」と叫んだ。


人の3倍の能力を持つ兵士は暗視の能力も3倍で、

アンドロイドの姿にいち早く気が付いた。


総統は拳銃の装置を外した。

間一髪にシールドが張られ、マシンガンの弾は弾かれた。


シールドを持った兵士に突進したアンドロイドは、すでに張られたシールド

で弾を弾かれて、逆にマシンガンで撃たれ、回転して倒れた。


シールドを持たない兵士に向かったアンドロイドは、マシンガンで銃弾を浴び

せたが、動作速度が速くかわされ、横からマシンガンの銃弾を受け倒れた。


総統を狙ったアンドロイドも同じように撃たれて倒れたが、

3体共、直ぐに立ち上がった。


前回のゲームの結果で強度が増強されていた。


総統に乗り移っている異星人は、アンドロイドと気が付いていた。


それは前回のゲームの開催者の異星人の2人は仲間だった。


2人が有害物質で気を失う前の話が記録されていた。


(アリーナに乗り移ったが、人間ではなくロボットのようだった。

ロボットなら誰かがゲームに介入していることは確かで、

地球人の時空パトロールの可能性が高い)


総統に乗り移っている異星人はアンドロイドを透視して弱点を見つけると、

2人の兵士の頭の中へ伝えた。


アンドロイドの動作速度も人間の1・5倍で早かったが、兵士はその倍早かった。


3体は急所を討たれ、機能停止になった。


一部始終を見ていた、時空パトロールは騒然となった。もう手段がない。


アンドロイドのことも知られ、我々の事も知られた。


一番の問題はアンドロイドを回収出来ないことで、

異星人に利用されることだった。


危惧した通り、異星人はアンドロイドの記憶媒体を操作し、致命傷を直した。


アンドロイドは兵隊の服を脱ぎ捨て、銀色の体だけになっていた。


共産軍と連合軍は総統の捕獲は諦めた。


抹殺する事が最優先となり、戦車の投入を決めた。


戦車は2台で、1台は砲塔を改造し、火炎放射機を付けた。


計画は、階段の幅が5mで戦車一台しか通れない。


最初に一台が階段を降り左側の通路に砲撃と銃撃を浴びせる。


次に火炎放射機搭載の戦車で火炎を浴びせる作戦だった。


階段の断鼻を潰しながら戦車が降りて行く。

40トン近い車重とコンクリートに囲われた空間なので音が大きく響き渡った。


下まで降りた戦車は砲塔を通路に向け、砲を水平にした。


そして暗い通路を探照灯で照らした。


6体の姿が確認された。前列にアンドロイドの3体、その後に警護の兵士2人

と総統が立っていて、その直ぐ後ろが壁だった。


其処から右に通路が続いていた。


護衛の兵士の一人が戦車に気が付き、急いで総統をその通路に移動させた瞬間、

ドーンと音と共に砲弾が発射された。


中央にいたアンドロイドに当たり、共に壁に激突した。


アンドロイドの体はバラバラになり、砲弾は着弾すると粉々になる構造で、

鉄片がブーンと音を出して散った。


総統と護衛兵士はシールドを張っていたので、鉄片は防げたが、時空パト

ロールの、スパイ用の小動物ロボットは被害を受け、機能しているのは

2体程になり、情報が取り難くなった。


右側のアンドロイドは腕をバズーカー砲に変え、戦車の砲塔と車体の繋ぎ目

を狙って撃った。


ドーンと音がして砲塔が少し車体から持ちあがった。


左側のアンドロイドも戦車の横に廻り、キャタピラを狙い命中させた。


これで戦車は動けなくなり、火炎の戦車は投入出来なくなった。


其処で共産・連合軍は、兵士に火炎放射機を持たせて投入した。


兵士10人が火炎放射機を持ち、50人の兵士に護衛させた。


総統と2人の兵士は先程の通路の奥にいた。


シールドでも火炎を浴び続けると、内部に熱が籠る事が考えられ避難した。


アンドロイド2体と共産・連合軍は激しく戦った。


アンドロイドは2体共焼かれ機能停止に、火炎放射機の兵士も全員倒されて、

護衛の兵士15人が逃げ帰った。


総統に乗り移っている異星人は、火炎に少し恐怖心が湧き、直接、手を

出してゲーム違反をしてしまった。


戦車やマシンガン・銃弾・火炎放射機などの金属を集めて通路に一瞬に

壁を作った。


恐る恐る、兵士の遺体を回収に来た共産・連合軍の兵士は驚いた。


戦車の車体が無い。武器も兵士のヘルメットも無く。

金属は全て無くなっていた。


それ位の違反ではゲームは中止にはならなかったが、後で罰則がある事は

確かだった。


兵士の連絡を受けた共産・連合軍は火炎戦車を投入することにした。


総統と2人の兵士は地下から脱出しようとした。


地上に出る抜け道を、目指そうと通路の奥に向かった。


すると、前方に白い光が輝き3人の人影が現れた。


それは瞬間移動したグリーンとアリーナとアイラだった。


グリーンと総統に乗り移っている異星人は、お互いの正体は分かっていて

惑星語で話を始めた。


「私達の仲間を何処に隔離した?」グリーンが聞いた。


「隔離では無く保護だ!」総統は答えた。


「保護なら場所を教えなさい!」


「私の一存では教えられない。もし私達に帰属すれば仲間の処へ戻してやる」


「それは出来ない。私は仲間の解放に来た」と言いながら、シールドを

持たない警護の兵士の首に棘をさし動けなくした。


それを見た総統は、マシンガンをグリーンに向けて撃ったが、シールドが

張られていて銃弾は全て下に落ちた。


アリーナとアイラは初めて見るマシンガンに驚いた。


「アイラ!」とグリーンが叫んで、アイラは我に返りグリーンの側に行った。


その速度は瞬間移動のようだった。


アリーナも、もう1人の警護の兵士にマシンガンで撃たれ、振動を感じて

我に返った。腰の拳銃で撃ったが、跳ね返され早い速度で後に廻った。


兵士も後を振り返るが、アリーナが少し早かった。


拳銃で撃ったが、又、跳ね返されてしまった。


この殻は体全体を包んでいるとアリーナは感じた。


お互い手立てが無く対峙した。


総統と対峙していたグリーンは次の作戦を考えていた。


いまグリーンのシールドの中にいるアイラを危険だが、総統の後に移動させ、

宝刀妙高でシールドを破る。


アリーナに拳銃で総統を撃つように指示する。


ただ、宝刀妙高の力が不明だった。


それにもう1人の兵士がアイラを撃つ事も考えられた。


そこでグリーンは日本語でアリーナに「宝刀を使いなさい」と指示した。


アリーナは腰の小刀を抜き、兵士に近づいて行った。


兵士は平気な顔をしていたが、アリーナは小刀を刺した。


小刀はシールドを突き抜けた、兵士はそれを間一髪で避けて、驚き逃げた。


今回のゲームのシールド発生機は、拳銃の安全装置でシールドを張るだけで

銃弾を発射する機能は無かった。


アリーナは兵士を凄い速度で追う。同じ速さで兵士も逃げる。


時々止まって応戦するが、不利と見ると、逃げる事を繰り返していた。


そんな時、グリーンはアイラに総統の後に行き(妙高)で突くように

指示した。


アイラも凄い速さで総統の後に行き。妙高で突いた。


グーンと音がしてシールドが破られた。


総統は気が付き、体を廻して後を向いた。


そしてアイラの持っている妙高を見て、恐怖で顔色が変わった。


焦って2人の兵士に、自分を収容するように命令した。


動けなくなっていた兵士の首の棘が抜け、早い速度で総統に近づいて来た。


グリーンは気が付き、窒素で兵士を気絶させた。


そして兵士を追っているアリーナに総統を撃つように指示した。


アリーナは腰の拳銃を抜き、総統を撃った。


銃弾は総統の頭部に命中した。


その隙に、追われていた兵士は総統の側に近づいて、透明の小さい筒を取り

出していた。


総統は頭部から、霧状なものを出して倒れた。


兵士はグリーンの窒素の攻撃より一瞬早くそれを筒に収めた。


アリーナとアイラは倒れて行く総統を凝視していた。


人が死ぬ様を始めて見た。特にアリーナは自分が殺したという事実に呆然

としていた。


覚悟はしていたが辛かった。


そんな時、兵士は気絶している兵士を抱え、抜け道を目指して逃げた。


グリーンは立ちつくしている、アリーナとアイラに追うように指示した。


2人は我に返り、後を追った。


兵士は1人抱えているので速度が遅く。追いつきそうになったが、地上に

出た時、上部に白い球体が現れ、兵士達は吸い込まれて球体は上昇し消えた。


グリーンはアリーナとアイラと共に瞬間移動で船に戻った。


 共産・連合軍の火炎戦車は、金属の壁の前にいた。


そして、火炎放射で金属の壁を溶かしていた。


金属の壁は、爆薬などの衝撃では壊れず、苦肉の策だったが、時間を

掛けると少しずつ溶けて、穴が開いて来た。


兵士が通り抜ける状態になり、警戒しながら中に入ると、死体が一体

有ったが、焼死体だった。


戦車の火炎で焼かれたらしい。


容姿も分からない程焼かれていたが、服や身体の特徴で総統と判断された。


これにより欧州の戦争は終わった。


時空パトロール本部では歓喜が揚がっていた。


歴史と同じに総統が倒れ、戦争は終結した。


通路内の情報は、小動物ロボットの被害が多く、詳細は分からなかったが、

3人もしくは3体が現れ、総統と警護の兵士と戦い総統を倒した。


音声ではアリーナとアイラの名前と日本語が確認された。


そして、2人の兵士の行方が不明で、追跡する班を残し、

今回のゲーム対策チームは解散した。

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