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一 序章


 西暦2023年。東京都心


 対面席の電車の中で、出入口の右側の席に若者3人がタバコを吸い


騒いでいた。


吸い殻を向かいの席の男性に投げ、席に座っていた男性は

堪らず立ち上がって他の席に行った。


「つまんねーな! 意気地なしが!」背を向けあるいて行く男性に挑発した。


関わりたくなくて、奥で様子を見ている乗客達に立ち上がり向かう振りを

して脅かして喜んでいた。


暫くして、電車は駅に停まり、体格の良い30代の男が2人乗って来た。


ひと癖もありそうな男達で二の腕にタトゥーが入っていた。


すぐ、その場の異様さに気が付き、若者達に目をやった。


それを感じたのか若者の一人が煙草を咥え、火を着けた。


「何をしている? ここは禁煙だろ小僧!」それを見た男は弩なった。


「うるせー!」と若者は吸っていた煙草を人差し指で弾いた。


煙草は男の胸に当たり、火の粉を散らして床に落ちた。


「この野郎!」と言いながら男は向かって来た。


若者はふわーと立ち上がり、殴り掛かって来る拳を避け、

体を落とし左手で男の腹部を打った。


体が華奢で威力がないように思えたが、ズシーンと重く響く音がして、

男は崩れかけた、そこに右手で顎に拳を入れた。


ドサッと男は床に倒れた。もう意識は無いようだった。


「キャー」と奥の女性客の悲鳴が聞こえ連れの男は察して後ろに下がった。


この若者達は格闘術の道場の指南役で、送別会の帰りだった。


そして、連結部のドアから背の高い白人がやって来た。着ている服は

親衛隊のものだった。


「おい、総統ちゃん」それを見て、若者達はからかったが、男は無視して

行ってしまった。


1人の若者が追いかけようとしたが、もう1人が止めた。


何か、底知れぬ不気味さを感じたらしい。


グリーンとアリーナとアイラは電車の連結部に瞬間移動した。


「この乗り物は?」アリーナはグリーンに聞いた。


「電車と言って馬車が繋がっているような物」


「街の近くで、煙を吐きながら走っている乗物と同じですか?」


「そう、それが発達したもの」

 

連結部のドアを開けて入って来たアリーナとアイラの姿を見た

若者達は驚き喜んだ。


「可愛いね。ハーフなの? その服の色、シルバーで良いねえ」


「ねえ、これから次の駅で降りて何処かに行こうよ」


2人は言葉が分からなく、無視してグリーンが来るのを待っていた。


無視され怒った若者が立ち上がろうとした時、グリーンが追跡装置の確認

が終わり、車両に入って来た。


立ち上がりかけた若者は驚いた。


「顔が緑の女が入って来た」とからかうように、グリーンの顔を下から覗いた。


「緑色に顔を塗っているの?」おどけた振りして聞いた。



グリーンが無視していると

「このアマ! 舐めていると酷い目にあうぞ」と言いながら掴み掛かろうとしたが

、若者は入口のドアまで飛ばされt気絶していた。


奥の人々は何が起きたのか分からなかったが、目の前の若者は見ていた。

影のような者が凄い速さで仲間の脇を押しドアまで飛ばした。


その影が収まったのがアリーナだった。


普通は恐怖心が湧き、大人しくするが、格闘術を習っていて、

相手が若い娘で美人となると許しておけなかった。


ポケットからナイフを取り出し、アリーナに向かったが、2人は気を失い

その場に倒れた。


グリーンが気が付き、窒素を若者達の顔に巻き固めたからだった。


「虫が邪魔をするな、お前達の星を救おうとしているのに」と吐き捨てた。


グリーンはアイラに妙高を抜いて、異星人の行き先を確かめるように指示した。


アリーナはそれを阻止した。


「今、ここで刀を抜くと奥の人々が怖がる。それにあの男達を虫と言った。

私も同じ人類です。私も虫ですか?」とグリーンに抗議した。


「違う、貴方たちは優秀だ。でもこの男達は生ている資格がない。

他に迷惑をかけた。そして私の邪魔をした。それで異星人に逃げられた・・・・

御免、少し苛立っていた」とアリーナに謝った。


そのうちに若者達が足をバタバタさせて苦しみ始めた。


アイラが妙高の柄を握り、まだ異星人はこの電車にいるとグリーンに伝えた。


「死んでしまうから、早く窒素を外して」とアリーナは頼んだ。


グリーンは渋々固めた窒素を外した。


若者達はそのまま気絶した。


グリーンが片手をかざすと、ナイフは細い針金に成り、若者達の手を拘束した。


アリーナはグリーンの言葉使いが悪くなって来ていることを指摘した。


グリーンは言われて気が付いた。


グリーンの体の中のグリーン種族の存在が大きくなり、本来のアンドロイドの

グリーンの存在が押え込まれていた。 自覚したグリーンはアリーナ達と先に進んだ。


先頭車両で親衛隊に乗り移った異星人を見つけたが消え、逃げられた。


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