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俺は忍者

作者: 南まんもす

俺は忍者である。

忍者といえば黒装束姿を連想する人が多いだろうが、あれは夜に潜入工作をするときの特殊な衣装である。滅多に身につけることはないし、そもそも普段あんな格好をしていたら目立ってしょうがない。

忍者の活動の中心は諜報(ちょうほう)活動にある。だから普段から一般民衆の紛れて生活していなければならない。決して目立ってはならない。それが忍者でなのである。

現在俺は予備校生として一般人に溶け込んで生活している。なぜ大学生ではなくて予備校生なのかということに関してはまあ、あまり突っ込まないでくれ。


 あと、忍者は特殊な道具つまり忍具を使うと勘違いしている人もいるだろうから誤解を解いておく。例えば「水蜘蛛(みずぐも)」だ。忍者が足につけて水面を歩くというアレはもちろんウソである。普通に考えればわかるだろうが、あんな小さな木製の道具の浮力で人間の体重を支えられるわけない。

あと手裏剣な。手裏剣は忍者を代表する忍具と思われているが、あれはマジ役に立たない。当たらないし当たっても刺さらない。こういった道具の多くは後世の人の想像の産物でなのである。がっかりした人もいるだろうが本当だからしょうがない。


 忍具がなくったって、忍者には忍術があるだろうって? (いん)を結んでドロンと消えるとか、分身の術とかそういうやつ? マジでそんなこと信じてるの?

立川(たつかわ)文庫って子供向けの小説シリーズがあってな。忍術の多くは、そこで考え出されたものなんだ。猿飛佐助とか霧隠才蔵とか服部半蔵とか有名だろう。彼らが使う忍術はフィクションなわけ創作なわけ。ちなみに立川(たちかわ)は東京の都市で、立川(たてかわ)は落語家の流派だから間違えないでほしい。


 それでも忍者には超人的な身体能力があるんじゃないかって? もしかして高い塀を一飛(ひととび)で超えるとか、一晩中走りづつけられるとか、水中に何十分も潜っていられるとか? そんなアホな。そんなことができたらオリンピックで金メダルとってるつーの。

一般人に紛れるのが忍者の目的なんだから目立ちゃいけないのだよ。


これで、俺が正真正銘の忍者だとわかっていただけたと思うのだが、問題がないわけではない。

実は現在のところ俺には、仕えるべき「主君」がいないのだ。

要するに俺は「浪人」なのである。

というわけで絶賛主君募集中。


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