恋ができる事務所に所属しました。
私は、25年間誰も好きになった男性がいなかった。
初恋も、一目惚れも、好きな人も、付き合った人もいない。
恋愛に興味のない人間だった。
・・・でも?
私の同級生の女の子や仲が良かった子たちは?
みんな彼氏がいたり、結婚していく。
既に、自分の家庭を持ち! 子供もいる女の子たちもいる。
『結婚って? 本当に幸せだよ! 万緒も早く! 彼氏作りなよ!』
・・・そう言われても。
簡単に、彼氏なんかできる訳もない!
そもそも、好きになった事がない私に彼氏ができるとも思えない。
このまま、一生! 私は一人で生きていくのかな、、、。
そんな事まで、私は考えてしまった。
ずっと一人は、寂しい。
毎日の生活の中で、1人で居る事。
話し相手もなく、誰にも想ってもらえない。
家族以外の誰かに、私だって愛されたい!
孤独な独り身になりたくないのよ。
私はこの先、どうすればいいのかな、、、?
*
そんな時だった。
私は、ずっと夢見ていた事務所に入る事が出来たのだ!
“恋ができる事務所に所属”する事が決まったの。
私以外にも、みんな恋愛がうまくできない人たちばかりだった。
私は、この事務所に入って! 初めての彼をゲットする事が夢だから!
5000人の中から選ばれるって? 本当に凄い事よね。
私は、その1人なの。
そして! やっと恋ができる体質に変わるのよ!
・・・私は、そう思っていた。
だけど? 事務所の社長に、私はこう言われる。
『先ずは、レッスンだ! 発声練習をしよう!』
『・・・えぇ!?』
『ダンスレッスンもしよう! 恋のダンスだよ!』
『・・・・・・』
社長は、ノリノリで私にそう言った。
私は、この事務所に入った事を後悔していた。
やっぱり、私には恋愛は向いてないと思えたからだ。
そう、諦めていたのだ。
・・・でも?
私は、しぶしぶレッスンを受ける。
発声練習もダンスレッスンも、やけくそになりながら頑張った!
社長は陽気な人で、常にポジティブ人間だった。
私は、いつしか? メラメラと心が燃えていた!
レッスンをやり切った頃には、私は恋愛に目覚めていると!
そのためには、レッスンを頑張るしかない!!!
そう思っていたのだ!
*
そして、半年後! 私の初めての恋がはじまる。
彼の名前は、“とおる君。”
私よりも、5つ上の男性。
彼は、おっとりとした優しい男性だった。
私は、そんな彼にほの字になる。
彼の前だと、顔が赤くなり、緊張して言葉が出てこない。
小刻みに体が震えて、思うようにいかない。
【・・・えぇ!? これが! 【恋】なの!?】
私は、彼との時間を楽しんでいた。
彼から私に話しかてくれる度に、ニコッと笑い返事をする。
そんな優しい時間がゆっくりと流れていく。
私は、ふと? 事務所で受けたレッスンの事を思いだす。
発声練習にダンスレッスンだ!
私は、声高らかに彼に話しかけた、自然と体が動き出す。
まるでミュージカルのように、彼に接していると、、、?
周りの反応は、冷たかったが、、、。
彼は、嬉しそうに私を見ていた。
『万緒ちゃんって? 僕のイメージと違ったみたいだ!
とっても、君を気に入ったよ!』
『・・・えぇ!? 本当ですか?』
『うん!』
私は、彼と分かれた後。
事務所に向かい、社長にお礼を言って! その日で、事務所を
【卒業】する事を決めたわ!
事務所の社長からも、お祝いのコメントをもらう。
『万緒! もうこれで、君は恋愛体質に生まれ変わった!
これからは、堂々と生きていきなさい! 卒業おめでとう!』
『ありがとうございます。』
私は、初めての彼ができる。
ステキな彼が、いつも私の横に居てくれる。
恋愛って? なんてステキなの!
恋ができる事務所に入れて、良かったわ。
最後までお読みいただきありがとうございます。