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梅川玲奈さんの日常  作者: 黒牛魚のごった煮
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玲奈さん、集会に誘われる その1

国を点、国と国の繋がりを線分とみなす。

円Lを書き 点M 点N を円Lを境に1つづつとる。

点M 点N を繋ぐ線分Xを書く時、

線府Xは円Lの間に交点Yが出来るのできる。

△△△△△△△△△△△△

△△△△△△△△△△

△△△△▲▲△△▲

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

◯◯◯◯◯◯◯◯◯

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ので、

平面に置いて相互に隣り合う面の上限は4つ迄となる。

しかし、これは


「何これ?」

 佳奈多は黒板に書かれた文字を見て玲奈に問う。

 玲奈は自分が今書いたばかりの文字と図形を見ながら腕組みをする。

「まぁ、数学かな。人類の未知に挑戦してるんだ。」

「ふ~ん。面白いの?」

「・・・・まぁ、やり易いしね。そこまで覚える事柄も無いですし。」


 瞳はぶらぶら歩いていた。自習となりヒマだったので、1人脱け出して校内を歩いていたのだ。

 授業を受ける人がいるので廊下は誰1人居なくて静まり返っている。ぶらっと歩き続けていつもは来ない校舎に来てしまい、弱冠寂しく思いながらも、教師に出くわす事もなく、侵入者に襲われる事がなければ大丈夫だろうと捉える事にした。

 旧校舎の五階に来た時、声が聞こえた。

 北側で日の光が当たらず、薄暗い階段と踊り場。

 キョロキョロと辺りを見回す。声の出所があった。

 ペタペタと歩いていく。不審に思われない為には覗かず、さも当然の様に、興味あって観てますよ。という形を貫くこと。

 瞳は、教室内を見る事の出来る唯一の窓に近づく。

 出入口の扉の窓をフラッと顔を出し覗く。

 細く高く髪の長い女子生徒が、机に寝そべった女子生徒にしきりに話し掛けていた。

 黒板には図形と欧州文字がいい感じに組み合わさったものが描かれていた。

 じっと見つめていると

「入らないの?」と背後から声が掛かる。

 振り返ると教師が立っていた。高等部の教師だったか。

「荷物持ちますね」

「あ、有り難う。」

 教師は扉を開け中に入る。教室の真ん中ら辺の机に荷物を置いていく。瞳も続き荷物を置く。

 髪の長い女子生徒と、寝そべっていた女子生徒が近付いてくる。

「先生、有り難うございます。」

「常ちゃんナイス。」

 誰だろう?という表情が浮かんだ。

「中條瞳です。よろしくお願いします。」

 ペコッと30度頭を下げる。

「「「「宜しくお願いします」」」」

 4者4様の挨拶が返る。が表情が・・・

「これなんですか?」瞳は荷物に興味を持った。

 ん~とね、と常ちゃん先生は荷物を漁る。

「今度、何かに使うかもっていう資料の山だよ」

 決まっては無いんですね。これは?と常ちゃん先生が髪の長い女子生徒に資料の1つを渡す。

「これはですね、どうやれば感染のメカニズムが判るか、であったり、せめて模型位は構築出来る能力を育てる事ができるか!に使う感じですかね。こちらは会社経営の人材の配置がどの様であれば潜在能力を引き出せるかの基本的な模型を書くのに使う資料ですね。あとは、色々ありますね。」


 そ~だ玲奈ちゃん!と常ちゃん先生。

「本欲しくないですか?変わった本みたいなんだけど。」

「どの様な本ですか?」

「同人の本で、限られた数しか売られなかったらしくって。」

「面白いんですか?中身はどの様な物なのですか?」

「何でも、その昔、変わり者の男が引き込もって研究していた頃の成果を、“学界に発表出来ないから”と、書き写したものを売ったみたいで、それが今回改めて売られるらしいですね。」

「何を研究していたかによりますね。興味あるものなら、ネットで購入してもいいでしょうしね。」

「玲奈ちゃんネットで購入は出来ませんよ。手渡し販売とクイズの景品となっているので。」

「運営はどうなっているのですか?何でひとっ所に人を何人何百人集めようとしているのですか?人間ドミノ倒しでも狙っているのですか?痴漢とかナンパとか人集まる所には嫌なものがイッパイなんですよ。嫌がらせですか?人集まる所には行きたくありません。」

「まぁ、仕方無いよ。発送には時間掛かるだろうし。」

「そんなの人雇えばいいじゃないですか?儲けているんですよね、その人達。人のアイデアで!」

「まぁ、そうだけど。」

「儲けた分、社会に還元すべきです。セクハラ反対!男尊女卑も、女尊男卑も、社会を歪める害悪でしかありません。差別主義闘争反対です。」

「話、弱冠ずれてない?」

「暴利を貪る仲介業者から根こそぎ奪い取ればいい。」

 玲奈の演説は30分間止まることはなかった。




 同人の集会の当日。玲奈達は集会の会場に来ていた。

「全然エロくないですね。」

 瞳は詰まらなそうにパラパラと本を捲っていた。

「瞳さん、もしかして“同人=エロ”と思っている訳ではありませんよね?」

 瞳の表情は“不可解”と告げていた。

「同人=エロだよね。」ちがうの?瞳は指さしながら訊ねる。そこには確かに目的の本の隣にエロ同人があった。

 常ちゃん先生は目を逸らしつつ熱く語る。

「違いますね。大いに違いますね。同人とエロがイコールでないのは、風俗=性風俗でないのと同じです。

 同人とは、愛好家のことや仲間の事を言い、同人会は同好会、同人誌は愛好家達が創作した創作物集という意味です。

 有名どころだと与謝野晶子が、詩の愛好家で、同人誌から名が段々上がっていきましたね。あと、俳句・川柳・短歌・小説等が大正時代に同人誌と同人誌からの文化人を多数輩出しましたよね。昭和の終わり頃からコンピューターゲームやら漫画やらライトノベルやらが出ましたがそれらの同人カテゴリーでも、エロ同人はそこそこですよ。

 同人=エロという図式が頭の中にある人は国語や社会の教科書をまともに読んでなく且つ思春期に“エロい奴がある”という情報だけで同人を知った気になっている人ですね。因みにインターネットで小説を書くぜ!的なサイトだかアプリだかも、電子化した同人会ですしね。

 愛好家が一々何処に在るかも分からない同人雑誌を投稿するために探すとか、同人の会を探すとか、人数制限の為に発表する場所無いとか色々面倒臭い事が一挙に解決されて潜伏せざるを得ない同士が日の当たる処に出れて愛好家の社会は悲喜交々の人々で阿鼻叫喚の嵐ですよ。」

「何で、阿鼻叫喚なんですか?」

「作者も読者も傍観者も主催者も所詮人間ですからね。その中に創作物を投入する訳です。社会を構成する悪鬼羅刹の中に飛び込むようなもの。正にこれぞ百鬼夜行!」

 今まで無口だった玲奈が顔をウザイくらい近づけて、いい放つ。

「“げにまっこと恐ろしきは人のごう!”いいますからな。」

 玲奈はホクホクしていた。規模が案外小さかったからだ。

「ヨキカナヨキカナ。こんなに小さい会だとは思いませんでした。テレビではなんかドデカイ同人の集まりしか取り上げて居ませんでしたから、こんなに小さくて拍子抜けです。」

「玲奈ちゃん。あんまり小さい小さいを連呼しないで。」

「フォッフォッフォッフォッフォッ」

「玲奈ちゃん。例の本、後サンプル分が残っていますが買っていきますか?」

「・・・・・いいです。買いません。別に特別面白い物でも無かったですしね。コレと言って欲しくはありません。お金再現なく有る訳では無いですしね。」

「こう言う本好きだと思ったのですが。」

「私は興味無いって話ですね。プレミアがつくのであれば話は別ですけれど、知識系の本は後世に残そうとすると難しいですからね。現在の方が知識上回ってたりしますから。普通の小説やら随筆ならオリジナリティが強いので昔の本でも読むと面白いんですけど。知識系の本は分かり易く書けてるかって事と読む知識の内容ですからね。まぁ知識の経緯、紆余曲折感を感じるには、ああいうのも有りでしょうけど、更に多くの本が必要になりますしそちら方面には興味湧かないですね。」

「じぁこれからどうします?」

 常世里美とこよみさとは皆の意見を伺う。

「他の本を見て回りたいです。」

「私はもう帰ってもいいかな」

「・・・・・・・・・・」

「はやく、御昼御飯食べたぁ~い」

「沙都ちゃんは?」

「玲奈お嬢様が帰られるなら一緒に帰ります。」

「侍女だもんね。☆⌒(*^∇゜)v」

「こっこれはぁあぁあっ!」

 一同が見ると玲奈が端に有るブースで、めっちゃドン引くテンションで発狂していた。

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