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マスカブレード  作者: 黒野健一
第四章 終夏/救われた者/救われぬ者
73/120

73仮面舞踏会

ここで第一巻の終わりです。

剣之上市、地下深く。

赤く光石と、青白く光る巨大な剣を背に、地底では仮面の怪物が集まっていた。


「あら、もう気に入った体を手に入れたの?」

肌を露失させた、布面積の少ない格好の女が、どこにでもいそうな制服姿の男子高校生に話しかけた。


「ん~いや、どうだろなぁ?俺、飽きっぽいし」

「『潜伏者』……僕みたいに子供の体にしなよ、社会に紛れるのに都合がいい。

 なんせ労働しなくても生きていけるんだからさぁ」


彼の隣にしゃがんでいる少年が、歪んだ笑顔を浮かべて言った。


一応潜伏者の魔刃が手に入れた体も学生ではあるが、その少年より年が上なので

少し難しい学業を強いられる。


「ん~俺、勉強とくいじゃないんだけど、まぁ……どうせしばらくしたら次の体に変えるからなぁ」

「次は僕の、この体の友達を紹介してあげようか?」


潜伏者の魔刃は少し考える。

「ん~楽ではあるけど、自由が無さそうだしなぁ~」


その会話に白いコートを纏った男が、小柄な少女と共に入ってくる。

「つぅか、お前ら少しは焼失者に感謝とかねぇのかよ?冷てぇなぁ……」

「うん、私は感謝してる。ありがと焼失者ー」


小柄の少女が感情のこもっていない感謝を述べると、彼女が抱きかかえるぬいぐるみの頭についてる仮面が言葉を発した。


「でもでもー!!アイツ笑い方ちょーキモかったよねー!!」

「う……死に人にくちなし、『追跡者』、ひどい」


露失の多い女、傍観者の魔刃は壁にもたれる。

「まぁ、彼は彼で回収されたし、これからも私たちは忘れることはないでしょ」


死んでいった、遥か昔の仲間を一人一人覚えている者はいない。

奇跡的に、生き残った彼らは、特別仲間意識が強い……はずなんだが。


「つかつかーー!あたしもー早く体取りに行きたいんだけどー!!お通夜ならもうよくなーい?

 ご遺体さんは人間の組織に今あるんでしょー?」

「あーあ……僕もういちどだけ、焼失者とやりあいたかったなぁー」


「はぁ……」

思わずため息をつく傍観者。


焼失者の魔刃の死は無駄ではない。

王の目覚めが活発になり、次々と王の配下だった彼らを蘇らせた。


ただ、彼らはどいつもこいつも癖のある奴らだ。


「あー早く目覚めてくれないかなぁ?王様……」




コツン……それぞれ、久しぶりの目覚めに興奮した魔刃たちが自分勝手に盛り上がっているところに、何者かがやってくる。

それは彼らにとっては、無力な男だった。


「あれぇ?なんでこんなところに人間が……?」

「ん~迷子じゃないよね?」


姿だけは同じに見えるが、その男と彼らでは、大きく力の差がある。

彼らがほんの少し力を見せるだけで、その男の肉体はバラバラに裂けるだろう。


「これで、王の配下は全てそろったというわけですか?」

「ええ、まぁ生きてるやつは、だけどね」


傍観者は彼と自然に会話を交わす。


「ちょいちょいちょーい!傍観者ちゃーん、それ誰?」


それというのは、この男のことだ。

彼らにとって人間とはその程度の価値しかない。

自分たちの肉体のスペア程度。


「彼は、協力者……人間からすれば裏切り者」

「……よしてください、私はただ、自分の望みを叶えたいだけです」


眼鏡を指で押し上げて、傍観者以外の魔刃とは目も合わせない。

それは恐怖ではなく、無関心から来るものである。


「量産したので、足りなくなったらまた教えてください」

「あれあれーそのナイフなになにー?」


魔刃が興味を示したそれは、人を魔刃の出来損ないに変化させる使い捨ての道具。


「ありがとう、あなたの発明は王にも匹敵するわね」

「…………」


それを渡した彼は、やって来た道へと足を向ける。

そして魔刃達に背を向けたまま、思い出したかのように、懐から『銃型の機械』を見せる。


「それと、もう一つ、戦いはさらに激しくなりますよ……あなたたちの望み通り、もし人間達があなた方を殺しても

 私を恨まないでくださいね?」


「ええ、あなたは大切な王への『贄』だもの」


それを聞いた男は再び興味の無さそうな眼をして、暗く、深い地下の道を男は進む。

魔刃達の姿が闇に飲まれるほど、遠くになったとき、彼は独り言をつぶやく。




「詩朗くん、君があの二人の子供なら、再び戦いに姿を現してくれるでしょう……私が望む通りに」

眼鏡を変えた白髪の男は、銃型のデバイスを懐に戻し、口元を歪めた。








続きを書きながら、第一巻の内容や誤字なんかを修正していこうと思います。

これからもよろしくおねがいします。

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