打合せ
放課後になり、遥ちゃんと一緒に学園を出た。
「お嬢様、お待ちしておりました。」
声を掛けてきたのは、綾小路家の専属運転手の佐藤さんだ。
私は歩きで通っているので利用していないが、明日香は送り迎えをしてもらっていたみたいだ。
「佐藤さん、宜しくお願いしますね。」
「畏まりました。」
「ほら、遥ちゃん乗って。」
「い、いいのかな?」
運転手と高級車に少し気後れしている。
「し、失礼しま~す。」
恐る恐る乗り込んでいた。
私も元一般人だ、気持ちは良く分かる。
そして、私達を乗せた車は静かに走り出した。
「この車凄いね! 座り心地も良いし、静かだし、さすがは高級車だね!」
「遥ちゃん、それだけじゃ無いよ? 佐藤さんが運転してくれるからこうなんだよ。」
「そうなんだ~」
「お褒めに頂き、ありがとうございます。」
佐藤さんは嬉しそうに答えてくれた。
車は事務所に到着したので、私達は車を降りた。
「それではお嬢様、私は近くで待機していますので、終わりましたらご連絡をお待ちしております。」
「ありがとう。また宜しくお願いしますね。」
「それでは。」
そう言って佐藤さんは車を走らせて、この場から離れて行った。
「じゃあ、行こっか。」
「うん。」
私達はJKティーンの事務所に入るのだった。
中に入るとカウンターが有り、受付嬢が居たので声を掛けることにした。
「いらっしゃいませ。本日はどの様なご用件でしょうか?」
「山崎さんにこちらに来るように言われていまして。」
私はそう言って名刺を提示した。
「確認致しますので少々お待ちください。」
そう言って受付嬢は電話で何処かに連絡した。
「今、受付に白百合学園の学生さんが2人がお見えに…はい…はい、そうです。…はい。分かりました。」
電話がが終わったみたいだ。
「只今確認が取れました。そちらのエレベータで3階に行って下さい。
担当の方が来られるそうです。」
「わかりました。」
エレベータに乗り込み3階に向かう。
「ドキドキするね。」
「そうだね。」
3階に到着して扉が開くと、一人のキャリアウーマン風の女性が立っていた。
「待ってたわ、こっちへ来て頂戴。」
そう言ってこちらの返事を待たずに歩き出した。
仕方が無いので着いて行くことにする。
着いた先は『第3会議室』と書いてあった。
コンコン。
「失礼します。」
女性が扉を開けて中に入って行ったので、私達も中へと入った。
部屋の中には、山崎さんの他にカメラを持った若い男性と、先ほどの女性と、もう2人ほど年配の男性が居た。
「待っていたよ。」
山崎さんがとっても良い笑顔でそう言った。




