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デート 2


動物園を出た私達は、ブランドの洋服や貴金属を取扱っているお店へとやってきた。

元一般人の私には考えられなさそうな場所のため、少し場違いな気がしている。

不安を打ち消すために、お父さんの腕にしがみついてみた。

まぁ、デートだし良いね?


「これはこれは、しかりとエスコートしないとな。

 何か欲しい物でも有るかな?」


お父さんは何か嬉しそうだ。


「えっ、いや、良いよ~

 それに、ここって高いでしょ?」


「明日香が気にすることでは無いよ。

 たまには親として頼らせてくれ。

 それに、しっかりとした物だから安心できるよ?」


高いから安心できないんですけど?


「いらっしゃいませ、綾小路様。

 本日は何をお探しでしょうか?」


「今日はこの後食事に行くんだが、娘のために選んでくれないか?」


「畏まりました。では、こちらへどうぞ。」


そう言ってVIPルームみたいな部屋へと案内された。

どうやら、ここに持って来てくれるみたいだ。

あまりにも一般とはかけ離れた対応で、違う世界に来たみたいだ。


色んな服やらアクセサリーを持って来てくれて、実際来てみたりしたんだけど、どれが良いのかもさっぱり分からない。


「さすがは、綾小路様のお嬢様ですね。どれも大変お似合いで、私達もどれを選んで良いのか困ってしまいますね。」


本当ですか? 全く困った顔をしてませんよね?


「明日香はどんな服が良いんだ?」


「服の善し悪しが分からないので、出来れば動きやすいのが良いです。」


「さようですか、でしたら、こちらをお勧めいたします。」


選ばれたのは、シックな感じのワンピースだ。

生地は軽くて柔らかいので確かに動きやすい。

でも、所々に高級そうなデザインがちりばめられていて、とっても高そうだ。


「こちらの髪飾りとポーチも合わせると、大変お似合いだと思います。」


「では、これを頼む。」


「畏まりました。」


「私はちょっと話が有るから、明日香はここで着替えて待ってなさい。」


「はい。」


お父さんは、対応してくれていた店員さんと部屋を出て行った。

女性の店員が近寄ってきて


「お嬢様、こちらへどうぞ。」


私は奥の部屋、ドレッシングルームみたいなところへ連れてこられた。


「それでは失礼します。」


そう言って店員が私の寸法を測り出した。

おそらく私の体に合う服を用意するのだろう。

持ってきたドレスを確認して傷やほつれ等が無いことを確認してから着替えさせられた。


ドレスを着て、ヘアのセットから化粧までと致せりつくセリだ。

せっかくのチャンスなので、やり方を学んでおくことも忘れない。


「すごい…」


店員のつぶやきが漏れた。

鏡に映る私は、どこからどこを見てもお嬢様だ。

もともと明日香のスタイルは良いのでドレスがよく似合っている。

見惚れてしまうのも仕方が無いと思う。


ドレッシングルームを出ると、お父さんがスーツに着替えて待っていた。


「おぉ…」


歓声を上げて、お父さんはこちらに魅入っている。

もしもし? あななたの娘ですよ? 大丈夫ですか?


「お父さん?」


「…はっ! す、すまん。

 うん、凄く良く似合ってるよ、見違えた。」


「ありがとうございます。」


「そ、それじゃ、行こうか。」


会計は済ませていたらしく、そのままお店を出るのだった。

服は後で送り届けてくれるとのこなので安心した。


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