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自分の死


自分が美少女になったもビックリだが、とりあえず現状把握だ。


「すいません、ここは何処でしょうか?」


抱き着いていた女性はビクッとして顔をあげた。


「ここは病院よ? それに、その言葉使い…」


「病院だったのですね、納得しました。

 それで言葉使いがどうしたのでしょうか?」


「そんな他人行儀な話し方しちゃって、お母さんよ?」


「お母様…ですか?」


僕の母親は既に死んでるから僕の母親では無いのは確かだ。


「そうよ、明日香ちゃん、どうしちゃったの?」


「もしかすると、記憶の混乱が有るのかもしれませんね。」


何か先生らしき人物がそんなことを言っている。

確かに混乱はしているが、記憶はキチンと残ってるぞ?


「明日香ちゃん、お母さんの名前言える?」


「すいません、知らないです。」


母親と言っていた人はショックを受けていた。

いや、他人だったんだし知らんがな…


「君は白百合学園の1年生の、『綾小路 明日香』さんだ。

 そして、この人は君の母親で、彩音さんだ。」


「は、はぁ、そうだったんですね。」


どうやら僕は『綾小路 明日香』と言う女の子に転生、いや憑依か? をしたみたいだ。

それにしても白百合学園ってあのお嬢様学校か? 僕は男の子だったから無理だったけれど、憧れては居たんだよね。


「どうやら明日香さんは記憶喪失みたいです。」


「そ、そんな…明日香ちゃんは元に戻るんですか?」


「それは現状では何とも…」


「あぁ…明日香ちゃん…」


彩音さんと言われた女性が涙を流している。


「すいません、僕は何で病院に居るのでしょうか?」


「僕!? 明日香ちゃん、貴方は女の子よ、そんな言葉を使っては行けません!」


「は、はぁ。」


「お母さん、記憶が混乱しているのでそのくらいにして下さい。

 えっと、病院に居る理由だったね、明日香さんは川でおぼれたのを覚えていますか?」


溺れたと言うか自殺だったけどな。


「はい。」


「君は下流の川岸で発見され、病院に搬送された。」


「居たのは私一人ですか?」


とりあえず指摘されたので私に変更しておく。


「そう聞いているよ。もしかして誰かいたのかな?」


どうやら僕の体は見つかってないらしい。

もしかして海まで流れてしまったのだろうか…


「いえ…」


「とりあえず疲れてるだろうし、話はまた後でしよう。

 今はゆっくりと休みなさい。」


「はい。」


「では明日香さん、何か有りましたら、ナースコールで呼んでくださいね。」


「わかりました。」


「明日香ちゃん、何はともあれ目が覚めて良かったわ、また明日来るからね。」


「はい。」


そういって母親と先生、看護婦さんは部屋から出て行った。

一人になったので少し整理をすることにする。


とりあえず僕は明日香と言う女の子になったと言うことだ。

それが入れ替わったのか憑依なのかは分からないけどね。

どちらにしても、この体の本人でも有る明日香さんの意識はどうなっているんだろうか?

追々分かるのかは不明だけど、とりあえず今は僕が明日香さんとして行動するしか無いみたいだ。


後は、僕の本当の体はどうなっているんだろうか?

見つかってない以上、どうしようもないけどさ…

気持ちを落ち着かせるためにもテレビのスイッチを入れてみた。


『7時のニュースです。本日午後3時頃、大潮湾で男性の死体が発見されました。

 身長は190cm、顔がぐちゃぐちゃに潰れ、左腕が無い状態でしたが、生徒手帳から、多立高校3年の『早乙女 茂』さんと判明しました。

 暴力団と繋がりが有ったと言われているため、何かしらの事件に巻き込まれた可能性が有ると警察が調査を…』


プツ…


…どうやら僕の体は死んでしまったらしい。

それにしてもアナウンサーよ、誰が暴力団と繋がりが有るだ、1人も知らねーよ! 適当なこと言うな~!!

腹が立った僕は、そのままふて寝をするのだった。


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