不良と呼ばれて
思いついた勢いで書き始めました。
宜しければ読んで下さい。
僕は自分が嫌いだ。
「無視してんじゃねーよ!」
僕は今、金属バットやら鉄パイプとかを持った不良達に囲まれている。
何でこんなことになっているかと言うと、単に絡まれただけなんだが…
「調子に乗りやがって、お前らやっちまえ~!!」
横から鉄パイプで殴り掛かって来たので後ろに下がって避け、すれ違いざまに膝蹴りを腹に叩きこむ。
「うげっ…」
「やりやがったな!」
後ろからナックルを付けたヤツが殴り掛かってきたので、お辞儀をするように避け、殴り掛かった腕を掴み、そのまま一本背負いで投げる。
「うぐっ…」
「1人じゃダメだ、複数で当たれ!」
リーダーらしき人物が指示を出すと、鉄パイプと金属バットを持った二人が殴り掛かってきた。
ブンブンと風切り音を響かせる中、俺は避けまくる。
「くそっ、何で当たらねーんだ!」
「ぜーっ、ぜーっ、ぜーっ…」
息が上がり、動きが止まった所で回し蹴りを食らわせて吹っ飛ばすした。
「お、おい、佐藤!」
仲間を心配するより、自分を心配した方が良いと思うんだが…
僕は、もう一人の不良の腹を蹴り上げた。
「うげっ…」
「鈴木まで、くそっ、覚えてやがれ!」
リーダらしき不良が捨て台詞を吐いて逃げて行った。
「はぁ~」
何とか不良を撃退することが出来た僕は、ため息を付いた。
こんなことが出来る僕は自分のことが嫌いだ!!
・・・・
僕の名前は『早乙女 茂』だ。
何処にでも居る高校3年生の18歳、普通の高校生だ。
ごめん、嘘ついたかもしれない。
身長190cmで筋肉質でガタイも良い、声は低くて顔は怖い。
何かオーラが出ているらしくて誰も僕には近寄ってこない。近寄ってくるのはイチャモン付けてくる不良と、目の敵にして注意する先生だけだ。
別に何も違反をしていないハズなのだが、何故か先生には目の敵にされているのは解せない…
一応学年で10番に入れるほどの頭脳も持って居るが、不良と思われているためにカンニングをしていると思われ、信じて貰えてないのが悩みの種である。
ちゃんと予習も復習もキチンとやっているんだけどな…
先ほどの戦いを見れば分かるが、喧嘩は強い。
自慢じゃ無いが一度も負けたことは無い、相手が10人だろうが勝ったことがある。
でも、喧嘩は好きじゃない、逆に嫌いである。
身を守るために戦っているが、自分から仕掛けたことは一度も無い。信じて貰えないけどな…
そして、これも信じて貰えないだろうから他の人に言ったことは無いが、趣味は裁縫とお菓子作りだ。もちろんお菓子だけでなく料理も得意である。
愛読書は小説と少女漫画、さすがにお店では買う勇気が無いので通販オンリーだ。特に恋愛ものは大好きである。
最近は動物のぬいぐるみを作るのが大好きで、僕の部屋、特にベットの上は可愛い動物で一杯で、一番のお気に入りの場所となっている。
ここまで言えば分かると思うが、僕は体は男、心は乙女の性同一性障害を患っているのだ。
もちろん好きな人は、ジョニーズ事務所のアイドルグループ、ストリートチルドレン、略してストチルの木下 守君が大好きである。
高い身長に細マッチョの体、なのに顔は可愛いくて性格も優しいと、僕の好みのドストライクなのだ。
これで、何故僕が自分のことが嫌いなのか分かって頂けたと思う。