朝ごはん
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「「「「いただきまーす」」」」
合掌の音と共に、ダイニングに四人分の声が響く。
神楽に呼ばれてどんな物を3人は作ってくれたのかと期待した結果、メニューは卵、ツナ、ミックスの3連コンボのサンドイッチ。
「このサンドイッチは私達の手で生まれました。コンビニの商品ではありません。私達のオリジナルです。暫し時間が掛かりましたが、今や味で巻き返しの時です」
自分達で作ったサンドイッチについて弁舌を奮って熱弁しながら、花梨は俺に卵のサンドイッチを差し出す。
「──サンドイッチは好きだ」
ご厚意に甘えて差し出されたサンドイッチを受け取って頬張る。
「サンドイッチがお好き? なら良かったにゃ! ではますます好きになるにゃ! さあさどうぞ、うちが作ったツナサンドにゃ!」
今度は百合がツナサンドを差し出して来たので、こちらも受け取って口に入れる。
──うん、美味い。
「美味しいですかにゃ? んああ、仰らなくていいですにゃ。元はツナ缶、でも安いなんて建前で油分が多いし味が濃すぎるわ量が少ないわ、ろくな事はないにゃ」
ちらりと横目で見ると、大皿に大量に盛られたサンドイッチの山が眼に入った。あれだけの量のサンドイッチをよくこんなに作れた物だ、と3人に感心する。
「栄養もたっぷりあるにゃ。どんなに朝食欲が無い人でも大丈夫、どうぞもっと食べてくださいにゃ」
「いい味でしょう? 余裕の出来映えです。自信が違いますよ」
「──一番気に入ってるのは」
「「「なんです?」」」
「味だ」
俺がそう告げると、3人は揃って笑顔を溢す。褒めて貰って純粋に嬉しいらしい。
「ご、ご主人様にそう言って貰えて超嬉しいですっ!! さ、さあもっと食べてください、まだサンドイッチは充分に残っておりますので!」
「う、うちのツナサンドも食べてほしいにゃ!」
「私のミックスサンドもどうか食べてくださいませ!」
「突然3人同時に迫るなっ! あとちゃんと食べるからお前らも食べろっ、俺だけじゃ食い尽くせんっ!」
「「「分かりました、ご主人様ぁ♪」」」
瞬間、うず高く積まれたサンドイッチに襲いかかる3人。めんどくさいときは命令でなんとでもなると俺は再認識した。
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