三 [3/4]
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何度も何度も占いや会議がされた結果、役割が割り振られ、精霊たちの多くは使役を解かれ天力の濃い場所に集められた。
「それでね、最後に無転」
一週間後に天地創造をやると皆に告げた日、ティアは無転を呼び出した。いつもの陽気さが少し引っ込められ、真剣な様子だ。
「何だ?」
「皆が心配している事を教えてあげる。
皆はね、もし無転が死んじゃったら、世界が消えちゃうと思ってるの。多分、無転が死んだら本当にそういうことになるよ。……だからね、絶対死なないように無転には半人半精霊になってほしいの。別に半人半精霊になってもマイナスにはならないから。
精霊と違って使役無しでも天力の薄いところで生きられるし、心臓貫かれようが頭潰されようが死なないからさ。半人半精霊のうちらが保障するよ。
心配なら、シャヤ――成長の神ね。あの紫の頭をすごく気にしてる、黒い肌の子――、他には、予知の女神の青麗なんかも半人半精霊だから聞いてみてよ。絶対悪くならないから。ねっ? 藍」
彼女の呼びかけで、ティアの左半身がぼやけた。天力の光が彼女から離れ、人の姿をつくる。
現れたのは、彼女より背が高い、青みを帯びた黒髪赤目の青年。
青年の出現とともに、彼女の髪はお下げと同じ深紅一色になり、左目と左腕が消えた。
「この子は精霊の藍。うちは人間の陽。二人ではティアって名前があるけど、それぞれには名前がないから、読呼が付けてくれたんだ。
うちの生まれた家は、煌――天力の濃いところにあって、うちのお母さんも強い天力を持っていたから、藍はちょうど、お母さんのおなかにいたうちの中で生まれちゃってね。
タイミングの悪い時期に母さんが煌を出なきゃいけなくなったり、うちの体が未成熟だったり――。色々な要因が重なって、うちらは生まれながらの半人半精霊になったの。藍がうちの左半身になっちゃったから、うちは藍がいてくれないと長くは生きられないし。
青麗もおんなじパターンだけど、うちらよりももっと精霊と人の結びつきが強いから、こうやって分かれることはできないみたい。
シャヤは元は人間だったけど、悪魔に取り憑かれたとか何とか言ってたな。よく分からないけど」
ティアはそう首をかしげて、自分の半身を見た。




