三 [2/4]
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無転の世界の外でも、色々な作業が行われた。
知恵の神はどうすればこの大きな大陸を楽に飛ばせるか計算しているし、他の神も動物や精霊と話し、計画を詰めている。
無転の妹――華伝は予知の女神青麗と共に多種多様な占いをていた。天地創造によい日を探るのだ。
「青麗さん、これ」
華伝が、甲羅の割れ方に不安なものを見つけ、青麗に声をかけた。普通、占いをしている時は、集中力を乱すようなことをしてはいけないのだが、それも仕方ないと思うような結果が出たのだ。
「あなたも、それを見ましたか」
青麗は、ちらりと華伝の持つ甲羅を見た。
「あなたも、ってことは――?」
「私も見ました。回避方法も探りました」
「じゃあ――?」
青麗は決して若くはない顔に、美しい笑みを浮かべた。
「手は回してあります。安心なさい」
華伝はほっと息をついた。それほどまでに、重大な問題だったのだ。
「――ただし、それが万全の策かは分かりませんが……」
しかし青麗は、その後にそう呟いた。小さな声で。
安心した華伝にそのささやきは聞こえない。青麗の苦痛の影が浮かんだ、顔も見ることができなかった。
その策を聞くこともなく、華伝は占いへ戻る。
もし、その策を聞いていたら、きっと彼女は反対していただろう。それが最善の策で、他に方法がないと分かっていても――。




