⑥小屋
適当に読んでくれ、
もう、わ、わかんないッピ
お姫抱っこにキス、ロマンチックですね。
俺はニッコリとその面を睨み、すぐさま冷静になった。いかん、衝突は避けるべきだ。
やられたままでは癪に障るが、もともとこの変態ガキを夢中させて、そこから逃げる算段だ。
こうなったのも計画の内に計算すべきだ。
おちつけ!俺!
逃げるまでの辛抱だ。
「ごろち、、ごほん。
も、もう、早くいきましょう、鬼いちゃん」
俺みたいな赤ん坊にキスとか、正気とは思えないけれど、そうでもないと助からないのも事実。こんな餓鬼にムキになるな。
可愛いじゃない、餓鬼のキスくらい。
あ、ダメだ、混乱してるぞ俺。
「そうだね。」
ドアはまだ閉じてない。
ここに異常があることくらいもう気づかれたはずなのに。もしかして、、、全員やれたのか?
俺は息を呑んだ。
直後、風が俺の顔にぶつかり、目が開けなかった。
凄まじい風圧だった。
速い!
「追っ手はないだろう。
シュヴィちゃんがいる限り来れないよ、
父上は臆病だからね。
少しでも君に危害を加えたくないはずだ。」
つまり俺は人質か。
俺さえ攫ってしまえば、どうとでもできるって?
んな馬鹿な。
お人好しならそもそも監禁なんかーーー
あれ?
なんか、急にくらくらする、、、
「まって」
おれの声と共に、風圧も消えた。
なぜかは知らんが、異様に気持ちわるい。
涙が止まらない。
「おえええーーーー」
吐いちゃった。
なんでこんな急に、、、
「はあはあ、、駄目、、早く逃げよう、、、」
「、、、ああ。
この辺りに僕の秘密基地がある、
そこでいったん休もう」
そう言って、餓鬼は再び走り始めた。
目まいがする。俺は気絶した。
☆☆☆
目が開けると、そこには知らない天井、、
と、知り合った奴の顔。
ぐっすり寝ているねこの餓鬼。
んだ?妙に口の中がぬめぬめする。
指で口の中をまじぇまじぇ。
ふむふむ、吐瀉物ではない。
唾液だ、涎ともちょっと違う気がする。
ちょっと甘めな感じ?
、、、あ、またか。
この餓鬼、人が意識がないをいいことに!
たった今ゲロ吐いた三才の幼女だぞ?
ああダメだ。
ポジティブに考えよう。
コイツが餓鬼でよかったと思え。
もしコイツが大人で、レイプとかされたなら、
内臓がやばいことになってた。
ああよかった。コイツがまだ餓鬼でよかった。
(ムカムカ)
ロリコンに罪はない。
行動によってその罪を推し量るべし、だ。
まだ、許せる範疇にある。
ふうーー
外は風が吹いてる。
ガラスのない窓に、夕日が差してきた。
綺麗な寝顔だ。
黄金の髪は隙間風にゆっくりと靡かせ、
俺は無意識にその寝顔に見取れた。
長い金色のまつ毛、すらりとした鼻、
初めてみたときより色っぽくない?
うん?俺、コイツのこと、嫌いだったよな?
男に興味ないよな?
じゃあ何で「色っぽい」とか思うんだ?
あれ?俺、なんか、変な気分、、、
☆☆☆
手が動いた。
小さな、彼女の指先は、リアの頬に優しく突いた。
『やっぱり綺麗だ』
大人でも、子供でも、女でも、男でも、なんにでも聞こえそうな、そんな声が、シュヴィの喉から出た。
『ほしい』
シュヴィは自らリアの顔に近寄せ、頬に。
一回のみ。
それから、呆然自失。
☆☆☆
誰だ、今の?
俺、、、?
意味わかんない。
寝よ。