表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

⑥小屋

適当に読んでくれ、

もう、わ、わかんないッピ


お姫抱っこにキス、ロマンチックですね。

俺はニッコリとその面を睨み、すぐさま冷静になった。いかん、衝突は避けるべきだ。

やられたままでは癪に障るが、もともとこの変態ガキを夢中させて、そこから逃げる算段だ。

こうなったのも計画の内に計算すべきだ。

おちつけ!俺!

逃げるまでの辛抱だ。

「ごろち、、ごほん。

も、もう、早くいきましょう、鬼いちゃん」

俺みたいな赤ん坊にキスとか、正気とは思えないけれど、そうでもないと助からないのも事実。こんな餓鬼にムキになるな。

可愛いじゃない、餓鬼のキスくらい。

あ、ダメだ、混乱してるぞ俺。

「そうだね。」


ドアはまだ閉じてない。

ここに異常があることくらいもう気づかれたはずなのに。もしかして、、、全員やれたのか?


俺は息を呑んだ。

直後、風が俺の顔にぶつかり、目が開けなかった。

凄まじい風圧だった。

速い!


「追っ手はないだろう。

シュヴィちゃんがいる限り来れないよ、

父上は臆病だからね。

少しでも君に危害を加えたくないはずだ。」


つまり俺は人質か。

俺さえ攫ってしまえば、どうとでもできるって?

んな馬鹿な。

お人好しならそもそも監禁なんかーーー


あれ?

なんか、急にくらくらする、、、


「まって」

おれの声と共に、風圧も消えた。

なぜかは知らんが、異様に気持ちわるい。

涙が止まらない。


「おえええーーーー」

吐いちゃった。


なんでこんな急に、、、


「はあはあ、、駄目、、早く逃げよう、、、」

「、、、ああ。

この辺りに僕の秘密基地がある、

そこでいったん休もう」

そう言って、餓鬼は再び走り始めた。

目まいがする。俺は気絶した。

☆☆☆

目が開けると、そこには知らない天井、、

と、知り合った奴の顔。

ぐっすり寝ているねこの餓鬼。

んだ?妙に口の中がぬめぬめする。

指で口の中をまじぇまじぇ。

ふむふむ、吐瀉物ではない。

唾液だ、涎ともちょっと違う気がする。

ちょっと甘めな感じ?

、、、あ、またか。

この餓鬼、人が意識がないをいいことに!


たった今ゲロ吐いた三才の幼女だぞ?

ああダメだ。

ポジティブに考えよう。

コイツが餓鬼でよかったと思え。

もしコイツが大人で、レイプとかされたなら、

内臓がやばいことになってた。


ああよかった。コイツがまだ餓鬼でよかった。

(ムカムカ)

ロリコンに罪はない。

行動によってその罪を推し量るべし、だ。

まだ、許せる範疇にある。

ふうーー


外は風が吹いてる。

ガラスのない窓に、夕日が差してきた。

綺麗な寝顔だ。


黄金の髪は隙間風にゆっくりと靡かせ、

俺は無意識にその寝顔に見取れた。

長い金色のまつ毛、すらりとした鼻、

初めてみたときより色っぽくない?


うん?俺、コイツのこと、嫌いだったよな?

男に興味ないよな?

じゃあ何で「色っぽい」とか思うんだ?


あれ?俺、なんか、変な気分、、、

☆☆☆

手が動いた。

小さな、彼女の指先は、リアの頬に優しく突いた。

『やっぱり綺麗だ』

大人でも、子供でも、女でも、男でも、なんにでも聞こえそうな、そんな声が、シュヴィの喉から出た。

『ほしい』

シュヴィは自らリアの顔に近寄せ、頬に。

一回のみ。


それから、呆然自失。

☆☆☆

誰だ、今の?


俺、、、?

意味わかんない。

寝よ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ