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・・・・・


俺はどうすればあいつを遠ざけられるか考えた。

まず、武力行使は不可能だ。

その理由は殴ったりすれば警察沙汰になるから……そんな話しではない。

単純にあいつの方が俺より遥かに強いからだ。


「りょーたくんをまもってあげれるように、ユナ強くなるから!」


8歳の頃、あいつはそう言って空手やらテコンドーやら、様々な格闘技を習い始めた。

無駄にストイックな性格と、有り難迷惑な俺への愛もあり、あいつはメキメキ上達……結果、あいつは様々な大会で入賞するまでに至った。

とてもじゃないが喧嘩であいつに勝てる気はしない。

間違いなくこちらが返り討ちにあう事だろう。

そして看病と称して、俺を拘束して動けない俺にあらゆる願望と欲望をぶつけてくる……そんなバッドエンドは絶対に避けなければならない。

故に武力行使はなしだ。

なら、法律的にあいつを訴えてみるか?

いや、仮に接近禁止令を出してもらったからって、それを守る様な奴ではない。

それを守る様な奴なら、男子トイレの中で待ち伏せするなんて狂気じみた真似をする筈がない。

武力もダメ、法律もダメとなるとやはり……この手しかないか。

こうして俺は至る所に罠を仕掛けて、あの変態を撃退出来るように力を入れ始めたのだが、あれから約2年。


「りょりょりょーだぐぅぅん!!ははやぐ電気ジョックとどどめででえぇぇぇ!!」


奴の俺に対する愛は止まる所を知らない。

今日も朝早くにうちに侵入して、庭に仕掛けておいた電気ネットに引っ掛かっている。

ちなみにこの電気ネットは海外から仕入れたもので、山でイノシシ等を捕縛する為に使われるものだ。

電圧は100万V。

この電圧はとんでもなく高いものだが、電流の方がかなり弱めに設定されており、対象を気絶させる事が出来るくらいで殺傷能力はかなり低い。

だがこれは、あくまでそのまま使えばの話しだ。

あの変態に正規品で通用する筈がない。

なので俺は、仕入れた電気ネットの電流を調整して数倍強い電流が流れるようにしているのだが……


「あばばばばぁぁぁぁ!りょりょーだぐん、あいじでるがらぁぁぁばばば!!」


あの変態は気絶すらしない。

それどころか、クソみたいな言葉を発する事が出来るくらいに余裕があるみたいだ。

数倍程度じゃ足りないな、次からは10倍以上に電流を強くしてみるか。

俺はカーテン越しに聞こえる声から変態の状態を分析する。

俺を守る為にとクソみたいに鍛えてきた事もあり、あの変態の肉体強度は性格並みに変態だ。

市販の罠くらいじゃ全く通用しない。

だから俺は日々、罠の研究と分析を行なっているのだ。


「さて、そろそろ準備するか」


俺は学校に行く為に変態を放置し、自身の部屋を後にした。

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