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俺とユナは産まれた日、病院が一緒だった事もあり、出会った時の記憶はない。
物心つく前から一緒にいた幼馴染だ。
だから一目惚れみたいなものはない。
いつぐらいから好きになったかは覚えていないが、俺は隣にいる可愛い笑顔の女の子の事がずっと気になっていた。
と言っても俺は当時5歳のガキんちょ。
恋だの愛だの好きだのを知る年ではなく、この「気になる」という感情がなんなのかは分かっていなかった。
だがそんな時、俺はユナから告げられたのだ。
「りょーたくん、だいちゅき!」
天使みたいな可愛い顔を赤面させ、ユナは俺に想いを告げた。
それが5歳の頃だ。
この言葉を聞いた俺は幼いながらもドキていた事を覚えている。
俺はこの時に確信したのだ。
俺もユナの事が大好きなんだと。
「……って感じで初恋エピソードはあってたっけ?」
「だから言うんじゃねえ!!」
「だから言うんじゃねえ!!」
亮太と禅輝の初恋という名の黒歴史をさらりと解説したミズキ。
2人とは7歳からの付き合いという事もあり、基本的に彼らの事で知らない事は殆どない。
文字通りの旧知の仲だ。
「他のやつにはこの事言ってないだろうな?」
「言ってないよ〜!僕がこの話しをする時は、2人を揶揄う時だけだからさっ!」
「なんて嫌な幼馴染だ……」
笑うミズキに渋い表情を浮かべる亮太と禅輝。
こんな感じではあるが、3人の仲は良好と言っていい。
だがそれは、単なる交友という意味だけではない。
「まぁ茶番はここまでとして……ミズキ、今回も知恵を貸してくれるんだろ?」
「ふふっ勿論さ。今回も良いデータを取らせてもらうとするよ」
ミズキはそう言って不敵な笑みを浮かべた。
改めてになるが彼の名前は花宮ミズキ。
日本一のセキュリティ会社【花宮ガーディアンス】の社長「花宮雅仁」の1人息子。
セキュリティの情報提供や、罠の提案を行っている。
対ユナ戦においての亮太の「頭脳」である。




