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ロイとエマはカフェテリアのテラス席にすわり、モンブランケーキと紅茶を頼んだ。
「久しぶりに来たけど、前にもまして有名店が出店しているね」
「そうなんです。王子がに入学する前にいろいろと整えているそうですよ。それにあやかっています。ここのモンブランとてもおいしいのでぜひ一緒にと思って・・・」(ロイ様がモンブランが一番大好きってこともリサーチ済よ!)
「ありがとう。モンブラン実は好きなんだよね。こんななりだと外で甘いもの食べるわけにはいかないっていうか、はずかしくてね・・・。連れてきてくれてありがとう。」
照れながらはにかんでロイが言った。
(あーもーなんて素敵な笑顔。ごちそうさまです。)
「あと、アンリ様とノア公爵様のご婚約おめでとうございます。アンリ様よかったですよね。」
「よかった・・・?」
「あ・・すみません。間違えました。すみません失礼なことを・・・申し訳ありませんっ」
「・・・もしかして、君も気づいていたの?」
「・・・以前アンリ様をお見かけしたとき、アンリ様が公爵様を見つめる瞳をみてそうなのではないのかな・・・と、おも・・って・おり・・まして・・・・・・・・・。あっ!でも、たぶん気付いているの私だけです。そういう噂は聞いたことがないですし!」
焦って説明した。
(うわ~何てこと言っちゃったたんだろう・・・)
「すごいね・・・僕以外にも気づいている人いたんだ」
ロイはボソッとつぶやいたたが、エマは聞き取れなかった。
「え?」
「あ、そういえば何か話が合ったんだよね。なにかあった?」
「あ。そうでした。そうですよね。そのためにはしたなくもお誘いしたのでした。失礼いたしました。」
「きにしなくていいよ。なにかあった?」
「・・・」
「アンリ嬢?」
「・・・ロイ様、私は来年卒業します。それまでに両親が婚約をまとめると思います。」
「・・・そうだよね、もうそんな頃だね。妹も3か月後結婚しちゃうし。君は僕のもう一人の妹のような存在だからね、しあわせになってほしいなぁ」
「・・・」
「あ、勝手に妹みたいっておもっていたなんて失礼だったかな」
つぅとアンリの目から涙がこぼれた。
「え、あ、ごめんね、ほんと失礼な発言だったよね。本当に申し訳ない。ごめんっ」
ロイは焦ってあたふたしている。
「・・・なんです」
「え?」
「好きなんです。ロイ様のことが・・・。ずっと、ずっとお慕いしていました!」
ぽろぽろ涙をこぼしながら、エマは言った。
「もうあまり会えなくなると思うと、寂しくて・・・。恋愛感情など持ち合わせていらっしゃらないことは承知しております。むしろ、妹のように思ってもらえるだけで、とても光栄なことです。でも・・・妹ではいやなんです。恋愛感情として好きだったんです。気持ちだけでも伝えたくて…自分勝手ですよね。自分にけりをつけるためにロイ様の貴重なお時間を頂こうなんて・・・。申し訳ありません。はっきり『妹みたい』と言っていただけで、私は幸せです。今まで本当にありがとうございました。今後も陰ながらご活躍を願っております」
深々くお辞儀をして、エマは走り去った。
「・・・」
ロイは固まってた。というよりは頭が回っていなかった。
「・・・」
「・・・エマ嬢が俺を好き・・・っ!?」
驚いた時には、もうすでにエマはいなかった。