中ボスはラスボス倒して最強ダンジョンを手に入れたので、好きに生きるとのことです。〜ラスボス倒した俺がラスボスってことでいいよね?最強の力とダンジョンの財力と兵力で好き勝手に楽しもうと思います〜
以前から書いてみたかったダンジョン物を書いてみました!
感想やレビューなどでこの作品がどうだったか教えてください。
皆さんの反応よければ連載してみようかと思っています!皆さんの感想やレビューお待ちしておりますので、どうかよろしくお願いします
「あぁ、今日も疲れたなぁ。」
俺は早乙女 仁、30歳独身。しがないどこにでもいるサラリーマンだ。
今日はかなり残業してかなり注意散漫になっていた。
だからだろうか、凄まじいスピードでこちらに向かってくる大型トラックに俺は気づくことはできなかった。
キィー!ドカーン!!
そして俺は、仕事帰りの夜中に横断歩道を歩いていたら、大型トラックに轢かれてしまった。
不思議と痛みはなかった。凄まじい衝撃と倒れてから溢れて出てくる流れる温かい自分の血に浸かって俺は意識を失い、俺の人生は終わった…はずだった。
目を覚ますとそこはゴツゴツとしたとても大きな洞窟の中にいた。真後ろには骸骨の彫刻などがされている重厚で大きな扉がある。
「あれ?俺生きてる?」
あれ?声が違う…
それになんだかとっても臭い。腐敗臭がする。
「あっ、俺が臭いのか。」
この腐敗臭がどこから匂っているのか探ってみると、なんと自分から匂っていた。
そこでようやく自分の体を確認した。
真っ白な身体に、肩にかかるくらいの真っ白な髪の毛。身長は180センチくらいか?結構高いな。格闘家のような綺麗な身体付き。顔は鏡がないからわからない。首から大きな鍵をぶら下げている。
そして自分から漂う凄まじい腐敗臭。
うん。これ俺の身体じゃない。
おれは170センチのちょっとお腹が出てる黒髪サラリーマンだ。全く情報が合致しない。
まさかこれ…転生ってやつか?
最近ラノベで少し嗜んでいたけど、あれは空想の話で…
「と、とりあえず、周りに誰かいないか歩いてみるか。」
真後ろの大きな扉は本能が言っている。
絶対に入っては行けないと。
これだけはなんとなくわかる。怖い。あの扉が。あの扉の奥が。
もう一つ本能が告げているのは、鍵を守れ。
この二つが俺の本能が告げていること。
もう意味がわからない。
洞窟の中はとても広く、天井もとても高い。そしてなぜか明るい。
それにしても、この身体すごいな。5時間は歩いただろうか、結構歩いてるのに全く疲れない。
景色は相変わらず、洞窟が続くだけでなにもない。
「ここはどこなんだ?」
またしばらく歩いていると、ズシン!ズシン!と大きな生き物があるく音が聞こえてくる。
な、なんだ!?
洞窟の曲がり角から現れたのは腐敗したドラゴンだった。
うっ、凄まじい臭いだ。
こいつはなんなんだ!?
そう思ってこのドラゴンを見たら目の前に半透明な青い画面が出てきた。
名前:終末の死龍 イータル
レベル:500
ランク:SSS
HP: 780000
MP:700000
攻撃力:85000
防御力:48000
敏捷:60000
精神:80000
スキル:死龍 死属性付与 不滅 不死 ドラゴンブレス トップモンスター 死の魔法Lv10 魔道Lv10
特記:死の迷宮最下層のモンスター。死を振り撒く死龍 イータル。
決して近づいてはならない。
やばいのきたー!!
あっ、これ死にました。
2度目の人生死ぬのが早すぎるって!
死龍イータルはそんな俺をチラリとみてズシン!ズシンと通り過ぎていった。
え?襲われないの?
「よ、よかったぁ。」
緊張が溶けて腰から砕け落ちて女の子座りをしてしまう。
それにしてもステータスとかあるんだ。
あと、ここ死の迷宮って言うんだ。
俺は俺の身体を集中してさっきみたいにみる。
名前:終末のイーター
レベル:ー
ランク:SSS
HP: 1080000
MP:97000
攻撃力:35500
防御力:48000
敏捷:160000
精神:78000
スキル:イーター 死属性付与 不滅 不死 トップモンスター 死の魔法Lv10 捕食Lv10 触手Lv10 堅骨Lv10 魔道Lv5 絶縁魔体 形態変化 鑑定
特記:死の迷宮最下層玉座の門番。全てを喰らい己の糧にする。
決して近づいてはならない。
えっ、もしかしてさっきの龍よりおれ強いんじゃね?
この特記を見るとおれラスボス手前の中ボスポジションなのか?
ん?もしかして俺…人外か?
正直仕事はきつかったし親とは疎遠。彼女がいるわけではないし、友達が多かったわけではない。
元の世界に未練はあまりない。強いて言うなら貯めてた貯金を使わずに死んだのが心残りだ。
だからって、人外に転生というのは…
転生するなら、できるならイケメン王子や貴族に転生するのが普通なんじゃないのか?なんでくっさい人型のモンスターに転生しなきゃいけないんじゃ!
あれから何十年が経っただろうか…
俺はまだこのダンジョンにいる。
なんでかだって?…出られないからだ!
下の階層に続く階段はあるのだが、ある階層から下は全く入れないのだ。足が動かないのである。どうやっても無理だった。おそらくそこから先が下層なのだろう。俺は最下層の魔物だからここからは出られないのだと思う。
暇つぶしにそこら辺にいるゾンビを殴る。
殴られたゾンビは爆散して汚い赤い花火となる。
こいつは最下層に1番多くいるトゥルーゾンビSランクの魔物だ。
俺は背中から触手を出して、倒したゾンビを食べる。
俺の触手は先っぽに牙が並んだ口がついている。それでゾンビを丸呑みにする。正直まじで気持ち悪いし怖いと我ながらに思う。
ちなみに、おれはかなり強かった。
俺にはレベルはないが、食べるたびに強くなるのを感じる。まぁ、最下層の最下層にいる死龍イータルクラスのやつは戦えばワンチャン負けるかもしれないから戦いは挑まないし、挑んだことないが…
あー、どうしよう。暇だー。
今日も俺は下層ギリギリの階層でうだうだしていた。
ちなみに俺にも趣味がある。宝物集めだ。
ダンジョンといったら宝箱だろう!例に漏れずここにもときどき宝箱があった。それを見つけて集めるのが俺の趣味だ。
もちろん、今もお気に入りを身につけている。
不死のローブ
ランク:レジェンド
死の概念から着用者を守る。このローブを着ている間は不死となる。もちろん防御力も高い。死の魔法の消費MPを大幅に削減し、効果を増大させる。
死王の指輪
ランク:レジェンド
理性のないアンデットモンスターを使役することができる死王の指輪。死の魔法の消費MPを大幅に削減し、効果を増大させる。
絶望の黒靴
ランク:レジェンド
その足音は聞いたものを恐怖に陥れる。なお、魔力入れて歩く時に限る。
敏捷+1500する。
全てを恨む呪殺の剣
ランク:レジェンド
切られたものはランダムの最高位の呪いにかかる。
攻撃+2000
ちなみに楽しみはこれしかない。
コツン、コツン
ん?足音?これは…ゾンビの足音じゃないぞ!!それも複数だ!
俺はすぐに足音ある方向に向かった。
「やっとここまで来たわね。ここから先は人類の未到達領域。まだ誰も踏み入れていない階層よ。」
魔法使いのような大きな杖を持った女がそういった。ちなみに耳が尖っている。
「あぁ、死の迷宮。別名ラストダンジョンと呼ばれるほどの最高難易度のダンジョン。勇者の僕でもここの魔物は手に余る。」
純白の鎧を来た青年が答える。
「やはりここから先もアンデットが多いのでしょうか?それならば、力になれそうです。」
シスターのような少女が拳を握りそう言う。
おそらく僧侶だろう。
「まぁ、無理せず行こうや。」
筋肉もりもりの武闘家風の男が肩を回しながら言った。お尻には犬のような尻尾が生えている。
「みんなは僕が守るよ。」
ところどころ鱗が生えているドラゴンの翼が生えている女性が盾と剣を構えてそう言った。
こ、これは、勇者パーティーじゃないか!?
すごい!エルフと獣人がいる!あの子はドラゴニュートとか言うやつかな!
駆け寄ろうとしたが、すんでのところで止まる。
待てよ、今おれは魔物。向こうは勇者パーティー。あれ?俺ってー、敵?
…ど、どのくらい強いのかな?ちょっと様子を見るか。
すぐに最下層に1番多いトゥルーゾンビと彼らは会敵した。
「くらえ!ホーリーソード!」
「ファイヤーフレイム!」
「浄化しなさい、祈りの光!」
「ドラゴンフレイムソード!」
「いくぜ!身体強化!うぉー!」
それぞれが攻撃を繰り出し、トゥルーゾンビに攻撃を加える。
がしかし、トゥルーゾンビの再生の方が上回り、トゥルーゾンビの攻撃が勇者に当たる。
「ぐぅ!強すぎる!」
「いきなりこんなにレベルがあがるの!?きっとこいつただの雑魚じゃないわ!おそらくラスボス手前の強敵よ!」
「そ、そんな…」
「くそ!逃げるぞ!このままじゃじりびんでやられちまう!」
えっ、弱くない?そいつ雑魚モブですけど。そいつうじゃうじゃいますけど。
待って、勇者のステータスって
名前:ルーカス
レベル:52 職業:勇者
HP: 5200
MP:3600
攻撃力:530
防御力:480
敏捷:500
精神:380
スキル:勇者 身体強化Lv6 神聖魔法Lv4 魔法Lv6 鑑定
特記:神聖王国の勇者。
よっわ!これトゥルーゾンビにも絶対勝てないじゃん。むしろよく戦った方だわ。
よし!話しかけよう。
「なぁ!お前たち。ちょっと話を…あ!」
勇者達が変な石を取り出し始めた。あれ迷宮脱出するためのアイテム的なやつか!?
俺は逃さまいと駆け出して、僧侶っぽい女の子の手を掴んだ。
「え!?」
シュン!と勇者達が消えてしまった。
俺が掴んだ僧侶の女の子を残して。
「えーー!!!」
女の子が困惑なのか悲鳴なのかわからない声を上げる。
あー、多分俺のスキルの絶縁魔体の影響だな。俺の身体魔法を無効化するから脱出の魔法も無効化したんだろうなぁ。
「あ、ごめん。」
「あなた、誰ですか!?」
「俺か?俺の名は…」
「う、後ろ!ゾンビが迫ってます!」
言われた通り後ろを見るとトゥルーゾンビがこちらに迫っていた。邪魔だなぁ。
俺はお気に入りの剣を抜きゾンビの首を飛ばす。ゾンビは黒い炎に覆われて消えカスとなった。おっ!呪いの黒炎か、あたりだな。
「い、一撃で…それもこれは最高位クラスの呪い…貴方はいったい。」
「俺も聞きたいことがいっぱいあるんだ!」
この可愛らしい少女はクロード・アリアちゃんと言うらしい。なんと聖女だとか。
実力は勇者と同じくらいだった。
俺はここの中ボスであることを教えてここの階層の魔物だったりトラップだったりを教えた。代わりに外のことを色々教えてもらった。
ここは死の迷宮は最難関ダンジョンだったようだ。なんでもラストダンジョンと呼ばれているとか。
「嘘ですよね、あのゾンビがうじゃうじゃいるなんて…」
「いやほんと。あれ1番弱いやつ。よかったね出会ったのがあいつで。他のやつだったら殺されてかもよ?」
「さっきまでの階層とはレベル差がありすぎる…それで貴方は中ボス?と言うものなの?」
「うん、そう!ラスボスに挑むには俺が持ってる鍵を手に入れる必要があるってわけ。」
そう言って俺は首にぶら下がっている鍵を見した。
「貴方は私達の…敵なの?」
恐る恐る僧侶ちゃんが聞いてくる。
「いやいや、敵じゃないよ!やっと人間に会えたんだ。殺すわけないじゃないか。」
「よ、よかったぁ。あの、ここから地上への帰り方わかりますか?私もう帰還の石持ってなくて。」
「普通に地上まで登っていくしかないんじゃないかなぁ。あとはラスボスを倒すとか?」
「ラスボスは絶対無理ですよ。僧侶の私ひとりじゃ地上まで上がって行けるわけないし。あの、地上まで一緒に着いてきてくれませんか?お礼なら地上に帰ってからいくらでも持って来ますから。」
「ごめんな。俺は最下層から出られないんだ。そう言うものらしい。」
「そうですか…。」
「まぁ、仲間が迎えに来るまで待ってるしかないんじゃないか?」
「たぶん迎えに来ません。というか、来られないと思います。正直、このダンジョンは難易度が高すぎて、この階層まで来るのでギリギリでした。回復役の私抜きの勇者パーティーでは、この階層にたどり着くのは難しいと思います。レベル上げと箔付のためにこの迷宮に入ったのですが、大幅に時間をロスしました。魔王を早く倒さなければならない勇者達はまたここまで来れる時間的余裕もないと…思います。」
あーあ、泣いちゃったよ。そりゃそうか。こんなに若い子が実質死んだも同然なんだから。
あー、可哀想だな。
「あと少し待ってくれれば俺が出してあげられるかもしれない。」
「えっ!」
「俺はラスボスを倒そうと思っている。あと少しで勝てそうな気がするんだ。あの扉の向こうから漂うあの強者に。」
「ラスボスに戦いを挑むと言うこと?」
「そう言うこと。あいつを倒せば自由になれる気がするんだ。」
「確かにダンジョンコアを壊すとそのダンジョンにいる魔物はダンジョン内から出てきますけど…」
「やっぱりそうなのか!?よし、やっぱり倒そう!」
あれから1か月間おれは最後の追い込みでダンジョンの魔物達を食いに食いまくった。自由になれると言う俺のモチベーションは凄まじく、凄まじい早さで俺は強くなった。まぁ、もともと数十年ここで食べまくっているから誤差と言ったら誤差であるが、その誤差で勝敗が決まる時があるのだ。
そして今日、俺は扉の前にいる。
「絶対に死なないでくださいね。神の祝福!ストレングス!クイック!ラック!せめてバフだけでもさせてください。」
「ありがとう。行ってくる。」
少し調子が良くなったかな?まぁ、少しでもありがたい。
俺は最初から全力で行くために形態変化を使い第二形態に移行する。
身体から出る触手に包まれ、出てきたのは黒い外骨格に包まれ、背中からは無数に触手が生えている3メートルを超える化け物だ。
触手も黒い外骨格で覆われて至る所に鋭い歯が無数に並んだ口があり唾液を垂らしている。
へたりと僧侶が座り込む。
あっ、見せたのはじめてか。そりゃビビるかこんな化け物。
ちなみに終末と名のつくモンスター達はこの第二形態でやっと押し切れるかどうかというところだ。
この十数年の間に何回か戦ったことがあるが、あいつら強すぎるんだよ。だからあいつらとは戦わないようにしている。
「じゃあ、行ってくる。」
俺は首にぶら下がっている鍵を扉に刺して回す。
本能がやめろと。お前はなにをしているんだと俺に訴えかけてくる。それを俺は理性で押さえ込む。
ギィと扉を開ける。
「ついにきたか。おかしな魔物よ。」
ボロボロのローブを着て、大きな鎌を持って玉座のようなところに座っている骸骨がいた。
「あぁ、来ちゃった。俺は俺の自由のためにお前を倒す。」
鑑定!
名前:死神 アータ
レベル:ー
あれ?これだけ?
「ふん、私を推し量ろうなどできるものか。さぁ、お前の魂を刈り取ろうか。」
俺は無数にある触手の先端の口から破壊光線を放つ!
死神が突如消えてボトボトと背後でなにかが落ちる。落ちたのはおれの数本の触手だった。アータが俺の後ろに回り込み触手を切り落としたのだ。
すぐに後ろに外骨格の鉤爪で殴りかかるが、もうそこには死神はいない。
「私は死を司どる者だ。そして死は伝わっていく。」
死神は切った触手を指差すと黒い塵となってきえていた。
切られた触手から俺の体にも死が伝わってきそうだったので、その触手達は根本から切り離した。
そして新たな触手を無数に出した。
「やっぱりやるねぇ。俺は死属性効かないはずなんだがな。」
「言ったであろう?私は死を司る。私の死からは誰として逃れることはできない。デス。」
そう言うと死神は死の魔法 デスを連発してきた。
うん、これ当たったら致命傷になりそう。
俺は凄まじいスピードで駆けてデスをかわす。
そのままの勢いで死神を噛み砕きに行った。
ガキン!
俺の牙が死神の鎌で塞がれた。
「ふふ、お前の口からは無数の死を感じる。だが私の死の方がより濃密で遥かに深い。」
俺の顔の目の前に死神の手が迫る。
まずい!!
「デスタッチ」
俺はすぐに俺と死神の手の前に触手を入れてデスタッチを防ぐ。
掴まれた触手はすぐに黒い塵となって消えた。もちろんすぐに掴まれた触手は切り離す。
「サモン。冥府の深層を漂う騎士、深淵から覗くもの」
おれの体格と同じくらいの骸骨にトゲトゲしく禍々しい鎧を着た剣士を五体と黒いモヤのようなものから猫の目のようなものがみえる黒いモヤの魔物を三体召喚した。
「行け。」
死神の号令により召喚した者達がこちらに寄ってくる。
だが、それは悪手だ!
俺も駆け出して触手で騎士たちを串刺しにし腹に大きな穴をあける。
黒いモヤのには手と触手を突っ込んで破壊光線を叩き込む。
もちろんその隙を狙って死神が鎌を振り下ろしてくるが大量の触手でこれを防いだ。
そして殺した魔物達をおれは触手から丸呑みにした。
「おやつをどうも」
「ふむ。悪手であったか。死の光線。」
死の魔法の最高位の魔法を唱え、指先から黒い光線が放たれる。
俺も負けずの死の魔法の死の光線を唱えて触手の先端、手のひらなど無数に放って打ち消そうとするが、死神の一本の光線に勝てず、勢いが弱まらずこちらに迫る。
「うわ!まじかよ!」
俺はギリギリで光線をかわす。
「ふふ、私の死に勝てると思ったのか。」
それからしばらく戦いが続いたが、俺は決定的な攻撃を与えられず、向こうの攻撃はすべて一撃必死。
このままでは負ける。
一つだけあいつを倒せる自殺とも言える秘策がある。
もうそれに賭けるしかない。
「む、決めるか…よかろうこの死神 アータを滅してみよ!」
俺の雰囲気を察したのだろう死神が動きをとめ、まるで抱擁してあげるからおいでと言っているように手を広げた。
俺はさらに外骨格を厚く厚くし、触手を限界まで出す。
さらに至る所に口を作った。
まるで第三形態かのように大きくなった俺は5メートルを超える四足歩行の獣となり死神に向かった!
「ふははは!私は死を司る神!」
スキルなのだろう、周りが暗転し、身体が塵に変わっていくのがわかる。
それでも俺は進む。
「死の光線、デス、死の旋律…」
死神のさまざまな魔法やスキルが俺にあたり俺の体が消滅していく。
もう目も見えず声も聞こえない。
それでも俺は死神に向かって進む。
そしてついに死神に噛みついた。
噛みつかれた死神は俺に鎌を振り下ろし抵抗する。
もちろん俺は致命傷だ。死神につけられた傷は再生せず死が広がっていく。
ぼたぼたと俺の体が落ちて塵となる。
それでも俺は死神を喰らうのをやめない。
残っている触手で死神をぐるぐるに締め付け触手に生えている無数の口からも死神を齧る。
意識がなくなるその瞬間。
「見事である。私の負けだ。」
死神の声が聞こえて俺は生き絶えた。
そして生き返った。
「ぷはー!!い、生きてる!」
目の前には激しい戦いで壊れた玉座がある。そして死神が使っていた鎌が地面に突き刺さっていた。
「俺は勝ったのか?なんだかすごい力が漲るな。溢れてきそう。」
おれは自分に鑑定をかけた。
鑑定。
名前:死の神を喰らった者
レベル:ー
特記:鑑定不可。死の神を喰らいその権能と神格を得た元々終末のイーターだった者。
触らぬ神に祟りなし。
死の迷宮のダンジョンマスター。死を司る者。
鑑定できなくなってる。やば。
周りを探ると玉座の裏に扉があった。
扉を開くと階段があり、そのまま進む。
階段が終わりまっすぐに進む廊下に出た。途中扉があり、覗くとそこは図書館のようにさまざまな本があった。死神の書斎だろうか?
さらに廊下を進むと豪華な扉の前にきた。
扉を開けるとそこには金銀財宝の山に、さまざまななマジックアイテム、武器や防具があった。そして大きなクリスタルが浮かんでいる。あれがダンジョンコアだろう。
「スッゲー。」
俺は浮かび上がってクリスタルに触ってみる。
ちなみに、死神を喰らった影響か俺は飛べるようになった。なんとなく飛べるとわかった。
ーマスターとリンクしますー
無機質な声が頭の中に響き、俺はほんとうにこの死の迷宮のダンジョンマスターとなった。
…これって俺がラスボスになったんじゃね!?
「大丈夫だったか?」
俺は僧侶のところに戻り声をかける。
「あっ!よかった!出て来れたってことはラスボスを倒したんですね!?」
「あぁ、ほんと死んだかと思ったね。」
「本当に良かった!あっ!脱出とかってできそうですか?」
「あぁ、できるぞ。一階に転送してやるから待ってろ。」
「転送?ってことはまさか、貴方ダンジョンマスターになっ」
「また会えるといいな!気をつけて帰れよ!」
なにか僧侶ちゃんが行っていたが転送してよく聞こえなかった。
まぁ、帰りたがってたし早く帰してあげたほうがいいだろう。
それよりも俺はしたいことがある。
まずはこれを見てほしい。
DP:8690002643696
うん、8兆ポイントあるんよ。なんでも買える。
このダンジョンポイントを使えばさまざまなものを召喚することもできるし、ダンジョンを編集することもできる。さらにこれ1秒ごとにすごい増えてるし。
使いきれませんなぁ。あの死神よく貯めてましたな、死神さん偉い!
まぁ、たぶんやることなくてほっておいたんだと思うけど。
そしてこのDPを使ってスキルを買うこともできる。
俺がほしいのはこれ!
憑依:物や人、魔物などに乗り移れる。スキル保有者のレベル、スキルレベルが高ければ高いほど乗り移りやすい。
俺、外に出るには強すぎると思うんだよね。別に混乱させたいわけじゃなくてせっかく転生したんだから異世界楽しみたいのよ。
何十年もこの薄暗い洞窟にいたんだから。
召喚するのは…最初はスケルトンとかでいいかな。
とりあえず上層にいってみようと思う。
ちなみに死龍 イータルさんとかも俺の部下になった。
今は俺の方が圧倒的に強いが、あの勇者とかのレベル見ると、最下層の連中を1匹でも外に出したら世界が滅亡しそうだ。と言うか滅亡する。
終末という名のついているモンスターは世界を滅亡させうる可能性あるモンスターにつくようだ。そして、死神さんは世界が滅亡しないようにこのダンジョンの最下層にそいつらを従えて縛っていたと言うわけだ。
絶対出さないようにしないと。
俺はスケルトンを作る。さて、パラメーターはどのくらいにするかな。つーか、人類の平均がわからん。
名前:ー
レベル:5
ランク:E
HP: 120
MP:60攻撃力:50
防御力:40敏捷:60
精神:80
スキル:再生Lv3 怪力Lv2
特記:死の迷宮の魔物。
こんなもんか?なんかキャラメイクみたいで楽しいな。ちょっと良さげな鎧と剣も付けてっと!
よし、憑依!
目の前に肩で綺麗な白い髪に高身長、整った顔立ち、透き通るような白い肌の美青年が壊れた玉座に座っている。憑依が成功したようだ。
おいおい!イケメンじゃねーか!転生も成功してたのか!って言うか、もう臭くないな。
イーターの時は身体腐ってたんだろうなぁ。たぶんアンデットだし。
あれ?もしかして、アリアちゃんに臭いって思われてたのか!?だって、しかたないじゃんか!モンスターの返り血も浴びても洗うとこないし、身体は腐ってるし…気にしてももう無駄か。
それよりも、やっと好きに生きれる!何十年もこの洞窟に閉じ込められていたんだ!異世界を楽しんでやる!
つーか、転生前の年齢余裕で超えてるな。
よし!上層へ転送!
カシャン、カシャン、カシャン、カシャン
上層に転移した俺は絶賛逃げ回っている。
誰からか?そんなの決まっている。
「絶対逃すな!あいつ結構いい装備してるぞ!」
「任せて!あーん。矢が当たらない!」
「なんか戦い慣れてるよね、あの魔物。逃げ方上手いし。」
冒険者パーティーぽいやつらからだ。
そりゃスケルトンがこんないい装備つけてたらいいカモか。ちなみに、もういろんなパーティーに追いかけ回されて腕もないし、肋骨も半分くらい折られてる、もう瀕死だ。
あっ、行き止まりだ。やばい死ぬ。
「おりゃー!」
そうして冒険者の男に俺は狩られたのだった。
「はっ!」
意識が本体に戻る。
くっそー!!むかつく!
今からおれがあいつらのとこ行って殺して食ってやろうか!!
待て待て、まぁ。これは仕方ない。楽しかったは楽しかったし、まぁ良しとしよう。
次はボロ装備で狙われないようにしよう。
もう一回同じスケルトンを作って憑依して上層に出る。
これをもう1か月続けている。
なんでか教えてあげよう。出られないのだ。
死の迷宮の入り口には大きな町ができていているらしく、常に警備がいてスケルトンでは余裕で狩られる。
無理ゲーだ。かと言って強い魔物に憑依して無理やり出るのは少し心が痛む。
さてどうしたものかと腕を組んでボロ装備のスケルトンで歩いているとローブをきた1人の少女が他のスケルトンと戦っているところにでくわした。
「テイム!テイム!わっ!危ない!もう、なんで従わないのよ!」
スケルトンに向かってテイムの魔法をかけている。なるほど、従魔というやつか。
ピンと来てしまった!従魔なら街を歩けるのではないか!?もしかしたらいろんなところに行けるかもしれない。
「テイム!あっ、やっと成功し…」
バコン!バラバラバラ…
テイムが成功しそうだったので、思いっきりそのスケルトンをぶん殴ってバラバラにする。
ふふん!怪力Lv2を舐めないでいただきたい。
「なにするのよ!せっかく成功してたのに!!」
ジェスチャーで俺にしとけと伝える。
「え?あなたテイムしてほしいの?」
俺は頷く。
「こんなに自我がはっきりしてるスケルトンがいるなんて。もしかして…ユニークモンスター!?やった!これで学校で馬鹿にされずに済む!むしろ自慢できますわぁ〜!」
やったやったと跳ねている少女。
早くテイムしろよ。
「あっ、て、テイム!」
俺はテイムの魔法を受け入れる。
この子とのパスが繋がるのを感じる。
うんうん、こんな感じか。
「やったー!初めての従魔だわ!家に帰って自慢しましょ!」
少女はそう言ってダンジョンの外に俺を連れて行ってくれた。
あぁ、やっとだ。やっと外に出れる。長かった。
太陽がキラキラと輝いていて、中世のような街。大きな城。なんだ街じゃなくて王国なににかだったのか?どっちでもいいけど。
あぁ、この子には感謝しても仕切れない。涙が出そうだ。出ないけど。
「なにキョロキョロしてるの?あぁ、初めてダンジョンから出るから珍しいのね。貴方ほんとに賢いですわね。まずギルドにいって貴方を従魔として登録するわよ。」
そう言って酒場のような場所に連れて行かれた。大勢の冒険者風の大人たちが昼から笑いながら酒を飲んでいる。
あっ、あいつら最初におれを殺した奴らだ。中指立てとこ。
大きな掲示板がありそこに無数の紙が貼られている。
少女は綺麗なおねいさんがいる受付まで歩いて行った。
「従魔登録をしたいのですが。」
「はい。従魔登録ですね。ではこの書類をご記入ください。手数料が掛かりますが代筆もできますが。」
「字は書けますわ。あっ、名前。どうしましょう。」
おっ!名前つけてくれるのか!生前は早乙女 仁だったが、名前つけてほしいな!
俺はウキウキして待つ。
「あっ!ルーカスなんてどう?」
バシと少女の頭を叩く。
勇者じゃねーか!やめろ!
「痛いじゃない!もう、嫌なのね。勇者様の名前なのに。」
「スケルトンに勇者様の名前をつけるのは不謹慎かと」
苦笑いしながら受付のおねいさんが注意してくる。
間違いない。
「じゃあ、もうスケルトンだからスケさんで。」
適当かよ!おい、もう書類にスケさんで書いてるじゃねーか!
「はい、これ登録料ね。」
「はい!確かに受け取りました。これで登録終了です。」
「これからよろしくね、スケさん。」
まぁ、いいか。よろしくな。
これから冒険がはじまる。
これは最強のダンジョンの主となった俺がこの異世界を好き勝手に生きていく物語。
国王?魔王?勇者?神?伝説の魔物?
全ては手に入れた俺の力とダンジョンの兵力と財力で捩じ伏せていく。
「面白い!」「続き読みたい!」「最後まで見たい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!一言でも感想お待ちしております!!
タイトル
「いきなり土地神になっちゃった。あやかしには狙われるけど意外と楽しいです。」
こちらの作品は連載投稿していますので、興味ありましたらお手隙の合間にご覧ください。
皆様の楽しみの一つになれれば幸いです。