氷砂糖の王女様
氷砂糖の王女様
昔むかし 都から
ひとりの王女がやってきた
ワガママ放題 好き放題
いろんな悪さをやりつくし
とうとう都を追い出され
氷の山の麓へと
哀れに送られ嘆く日々
村人たちは遠巻きに
怖い王女を罵った
けれどもある日 村の子が
山に迷って大騒ぎ
吹雪の激しい寒い日で
助かることなく消えるだろう
雪のように儚く溶ける
そんな命はよくあること
寒い国ではよくあること
大人たちは「ああまたか」
諦め嘆息 そんな中
王女が子どもを助け出す
マントでくるんで両腕で
命抱えて暖与え
子どもの命つなぎとめ 村人たちは驚いた
それから王女は土地のため
不思議な植物大地に撒いて
芽吹いた緑 いと甘く
村に砂糖がやってきた
氷砂糖の王女様
氷のように純粋で
砂糖のように優しくて
王女様にあやかって
純度の高いお砂糖を
煮詰めて出来た 氷砂糖
ゆっくり長く溶ける結晶
いついつまでも食べれる栄養
村が困った時だって
ずっと命をつないでいった
氷砂糖の王女様
いつしか山の神様と
結び結ばれ恋叶え
村に生まれたおまじない
願いをかけた 氷砂糖
お口の中にそっと入れ
愛する人と口づけを
交わすと永遠に幸せに
氷砂糖の王女様
春を呼び込む女神様
お読みいただき有難うございました!
これは短編作品が元にありまして、そちらのさらにその後を詩にしたもので…。
元の作品は"ざまぁ"され、追放された王女カタリナが、寒く厳しい不毛の大地にビート(甜菜)を持ち込むまでとなっております。
王女のビート(甜菜)は、販売するだけでなく甘みとして村に様々な恵みをもたらせたようです…!
元の作品はこちら。
「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜
https://ncode.syosetu.com/n6111ij/
【追記】詩なのにたくさんPVいただいているようなので、おまけです♪
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「きゃああああ」
辺境の城、の、厨房で悲鳴がこだました。
「無理無理無理、無理よ。なんで丸ごと持ってくるの? 鹿一頭とか貰っても、わたくしには手も足も出せないから!!」
「む、この間の菓子の礼にと思ったが……。丸ごとが良いだろう? 皮は売れるし、肉は食べられる。秋の雌鹿だから柔らかくて脂ものっているぞ」
「処理してから持ってきてよぉぉぉ」
「なら村人を呼べばよい。処理を任せて肉の一部を貰えば、互いに助かるだろう」
「──! なるほど、良い考えね? マリア……はお使い中だし、アニタも出てるんだっけ。ちょっとディエゴ、村で人を呼んで来てよ。鹿肉パーティーするわよ」
「鹿肉パーティー? 素晴らしいですね、王女様!」
「でしょう? 捌いてくれたら、肉でも何でも好きに持って行っていいと伝えて」
「おっほ。いつもながら気前の良い。皆喜びます! すぐ呼びましょう。処理は早いほうが臭みが出ない」
「アルトゥロ、あなたも食べていくでしょう……? あら、いないわ」
「山の狩人、いつもすぐ帰りますね?」
「そうね。わたくしの焼くクッキーの香りにつられて来たのかと思ったのだけど」
「あはは、まさか! いくら王女様のお菓子が美味しくても、山まで香りは届きませんよ」
「それがねぇ、来るのよ……。って、ああああ、目を離したら焼き加減が!」
「わああ、王女様、焦げてますよ、炭ですっっ」
「貴重な材料を無駄には出来ないわ!! すぐに窯から取り出すのよ!!」
「えっ、俺が?」
「そうよ、手伝いなさい!」
「いや、鹿と村への連絡は」
「いやぁああああ、クッキーぃぃぃ」
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というわけで、カタリナいろんなことを自分でやってみるようになって、さらに魅力が炸裂するようになりました(*´v`*) 王女様元気!
山の狩人アルトゥロはカタリナが村人とより繋がれるよう、いろいろとフォローしてくれたりします。寡黙な彼は時々やって来て、王女のお菓子を食べてお茶飲んで帰る…、んだけど、そのうち信頼し合う仲に?
関連の前作感想欄でいただきましたが、私もマルケスは皆が生きてる間は戻らないような気がします。
時間の流れの違う世界で奉仕させられ、そのうちに戻ってくるかなぁと。
うんうん、みんな元気! そんな感じです!!(*´▽`*) 有難うございました!!
あ、タイマーとかないんで、焼き加減は傍で見守る方式です、カタリナ。
そして鹿は、「丸ごとだったら内臓出して塩入れて、冷えた納屋で一旦吊るして熟成も」ありだとお教えいただきました! 知識を有難うございます!!