実力測定
2話です。
中学に入って、初めてのテストの時であったか
あまりよろしくない点数を取って落ち込んだものだ。
小学生時代の簡単なテストをになれてしまっていたのか
自分が6年間通った小学校のレベルが低かったのか
なんにせよひどく落ち込んだものだったと思う。
そんなことを思い出した。
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晴れて異世界転生を果たし、さっそく俺はその実力を測定されることとなった。
とりわけインターネット上においてではあるが
異世界転生にあたり、他を圧倒する才能を得るのはもはや常識であろう。
だが俺は詳細な説明を受ける機会はなかった為に、その内容が不明であった。
救世主を召喚した先方としても、その能力を把握しておきたいところであったのであろう。
両者の意向が合致した結果、丸一日を費やして
剣を振り回したり、
謎の水晶玉に念を込めたり、
怪しげな老婆にジロジロ見られたりと
ファンタジーな人間ドックとあいなったわけだ。
場面は変わり、それらを終えての結果発表。
俺を呼び出した白ずくめの1人。
ヴィッツとかいう男が結果の報告を受けて顔を顰める。
結果が記されたと思われる用紙を部下から奪い取り
自分の目で再度確認、こちらをじっと見る。
「マジですか…?」
先刻までの美しい言葉遣いが崩れている。
たいそう期待外れだったのであろう。
剣に振り回され、
水晶玉は無反応で、
老婆にため息を吐かれた辺りで嫌な予感はしていたのだが。
「なんかゴメン…」
転生すればイージーモードだのと言う輩はどこのどいつだ。
今すぐに俺と代われ。
穀潰し呼ばわりされてないですね。
次話は頑張ります。




