2ページ 偶然の遭遇
遅くなってすみません!
ぜひお楽しみください!
ここはアーラック王国王都の王城の1室。案内してくれた兵士の人達は大会議室とかって言っていた。
今はパーティを決めるらしい。最低でも4人はいてほしいと言っていた。
「スグル……こまったな?誰をパーティに誘う?」
「最低でもとかなんとか言ってたけど別に2人でも問題ないだろ」
「……確かに。それもそうだな」
マサヨシとそんな会話をしていると、近くから大声が上がった。
「あぁん??植物操作??植物が好きにいじれたからって何になるんだあ??お前はやっぱりゴミだなあ!?タカシくんよお!!!」
「……そうだね…」
「あひゃひゃ。そうだねってお前。ぷぷぷ。アツシ君にビビってろくに返事もできねえとは」
「おい、やめといてやれって。オリジナルスキルは自分の意志じゃどうしようもないんだぜ?あはは!!んじゃあ俺らは行くか!」
竹中敦率いる不良グループが細川隆という男子生徒をからかっていた。
アツシ達の不良グループは異世界に来る前からタカシに突っかかっており、見かける度に俺とマサヨシで止めていた。教師達はもちろん知らん顔だし、クラスメイトも知らん顔だ。
「おいタカシ!大丈夫か?何もされてねえよな?」
「え?うん。大丈夫だよマサヨシ君」
我が親友は流石だな。まったく、最高だぜ。
「マサヨシ。あと1人、タカシを俺達のパーティに入れないか?」
「それいいな!タカシもそれでいいか?」
「え?2人とも僕みたいなのをパーティに入れてくれるの?」
不安そうに問いかけてくるタカシに俺とマサヨシは即答した。
「「当たり前だ」」
タカシがパーティに入るのに反対などありえない。マサヨシもそう思っているのだろう。
「タカシ。お前は弱くないぞ?」
「そうだぜータカシ!俺とスグルが言うんだから間違いないぜ!」
「まずは……そうだな。タカシは火系統と土系統の魔法を使えるように頑張ろうか」
「うん!僕頑張るよ!」
その後、俺達は城下町の散策を開始した。もちろん、金はない。
「スグル……どうするんだ?」
「ああ……忘れてた…俺ら金を持ってないんだった…」
「ど、どうする……??」
困ったな。何も考えてなかった。それどころかお金のこととか頭の片隅にすら無かったぞ。
3人で考えていると裏道の方から悲鳴が聞こえてくる。しかし、町の人々は耳を傾けることすらしない。
俺達3人は顔を見合わせて路地裏で走り出した。
「やめてください!!誰か!誰か助けてください!!」
「へへへ、だあれも助けてくれたりなんかしないぜぇえ??」
「!!は、離して!!」
フードを深く被った少女がチンピラ達に絡まれていた。嫌がる少女にチンピラ達はしつこく迫っている。
駆け付けた先ではそんなことが起こっていた。俺とマサヨシが助けに入ろうとしたその時。俺とマサヨシよりもタカシが先に前に出た。
「やめろぉおおお!!」
元々正義感が強い男だ。アツシ達に絡まれているのだって、アツシ達にいじめられていた子を助けたためだ。自分はどんなことをされても、他人がなにかされるのは我慢ができない。そんな果てしない良い奴なのだ。
そして、タカシが叫ぶとそれに答えるかのように裏道の花や雑草がチンピラ達の体に巻き付き、体を締め上げる。
「だ、大丈夫ですか!?」
「あ、ありがとうございます!」
タカシが駆け寄り、手を差し伸べる。どうやら少女は怪我などはしていないようだ。よかった。
「あ!う、後ろ!」
少女が叫ぶ。タカシの気が緩んだ隙にチンピラ達は植物から逃れ、タカシに襲いかかろうとしていた。
「せい!やぁあああ!!!」
「ふん」
俺とマサヨシがいるのを忘れてもらっては困る。俺とマサヨシがチンピラ達2人を吹き飛ばし壁にめり込ませる。
俺達の友達に手を出そうとしたんだ。こいつらは覚悟は出来てるんだよな?
俺とマサヨシがチンピラ達をボコボコにしていると、何やら鎧を来た騎士のようなのが来て、騒ぎ始めた。
「なんの騒ぎだ!!!」
「やべ!スグル!逃げるぞ!」
「おうとも兄弟!」
マサヨシがタカシを担ぎ俺が少女をお姫様抱っこする。まったく困った状況だぜ。
俺達は必死に逃げきり、、行き着いた先は公園のような場所だ。そこでどうにか一息つくことができていた。
「大丈夫だったか!?」
「え、ええ、それよりあなた達は異世界から来た方達ですよね?」
「え!?なんでわかったんだ!?」
「それはですね…」
少女はフードを外してから俺達に微笑みかけた。
「私の名前はマリーンヌ。このアーラック王国の第二王女ですわ」
え……お姫様だったのか………。
俺達は驚き、声を出すことが出来なかった。