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チョコレート

作者: アバンアダン
掲載日:2017/07/12

昔、とある国で、幸福を売る少女がいた。


「幸福はいりませんか。」


少女の売る幸福は絶大で、人々から人気があった。

幸福を買った人は、その日のうちに、必ずいいことにめぐり合えた。

ある人はくじが当たり、またある人は恋人を捕まえた。


幸福代といったら、チョコレート一枚と同じ程度。


少女は、毎日、笑顔で幸福を売り続けた。


とある日、町で有名な資産家が彼女に問いかけた。


「君は、どこからそんなに幸福を持ってくるんだい?」


少女は答えました。


「私の幸福を、売っているんです。」


と。


資産家は、少女を可哀相に思い、


「そんなはした金で、君の幸福を売っていたら、君はいつか不幸しか持たなくなるよ。」


と言いました。


すると少女は笑って、


「いいんです。それで皆が幸せになるのなら。」








同じ町で、不幸を引き受ける少年がいた。


「あなたの不幸を引き受けます。」


不幸を売った者には、必ず幸福が訪れた。

ある人はくじが当たり、またある人は恋人を捕まえた。


不幸代といったら、チョコレート一枚と同じ程度。


少年は、毎日、笑顔で不幸を引き取り続けた。


とある日、町で有名な資産家が彼に問いかけた。


「君は、どこへそんなに不幸を持っていくんだい?」


少年は答えました。


「僕の不幸に、しているんです。」


と。


資産家は、少年を可哀相に思い、


「そんなはした金で、君が不幸を引き受けていたら、君はいつか不幸ばかり持つようになるよ。」


と言いました。


すると少年は笑って、


「いいんです。それで皆が幸せになるのなら。」







少年は、今日も少女に会いました。


「僕が君の不幸を引き受けるから、君は僕に幸福を売っておくれ。」







二人もまた、幸せでした。

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