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怪獣少女のいるところ  作者: 七志野代人
第四章 今に目覚める
38/49

 総合評価100pt突破しました!

 ありがとうございます!

 ジュリとディアは向き合って座っていた。

「つまり、君は件のドクターイクスの指示に従って、この街を襲撃したわけだ」

「…………うん」

「ヨシトとジュラにゲノム・ディストラクションを投与したけど、ヨシトは自力で克服して、君を倒した上でジュラも回復させたわけだ」

 二人がしているのは事実確認だ。

 突然、二人を抱えてこの家に来たディアに、彼女が落ち着いてから他の人々も呼び、事情を聞き、ジュラも一緒にその確認をしているのである。

「…………本当に、ごめんなさい。わたし、とんでもないことを……」

 ディアの心からの謝罪に、ジュラが彼女の手を握った。

「……もういい。今のあなたは、怖くない、から」

「言いつつ語尾震えてると説得力ないよー、ジュラ」

 そのとおり、口でそう言いつつも、まだ警戒心や恐怖心は残っているようだ。

「ごめんね……。あんな酷いことして」

「ん……大丈夫。セリザワが愛の力で直してくれたから」

「…………さり気なくデレるのね」

「あれは確実に愛の力。なぜなら初めてを奪ってもらったお陰でわたしは今生きている」

「…………非常に意味深だね」

 恍惚とした表情のジュラに、ジュリが呆れたようなため息を漏らす。

「まあ、初めてといえば初めてね。……キスだけど」

 ディアも少し呆れてる。

「とにかく、わたしはもう気にしていない」

「うん……ありがとう、ジュラちゃん」

 ジュラの一言に、ディアは微笑んだ。

「……しかし、当の本人は未だ目覚めず、か」

 ジュリのその一言に、三人はため息を漏らした。

「そうね、おまけに……」

「あーっ! シャラナ、またゼロ独り占めしてー!」

「お姉ちゃんの当然の権利じゃ!」

「ずるいよ! あたしもぎゅってしたいよ!」

「わ、わたしも!」

「うー! はーなーしーてー!」

「ああっ、本人嫌がってますよ!」


 バンッ!


「もー! 抱っこ禁止だよ!」

 白銀の髪の少女が部屋から飛び出し、中に居るシャラナ、クイン、フェル、バルハをビシリと指差した。

 指さされた面子がショックで固まる中、ルモだけが苦笑いを浮かべている。

「まったく、みんなして抱きつくんだもん……」

 憤慨した様子で長い髪を整えている。

 可愛らしい雰囲気の強い顔立ちに強気な表情を浮かべている。

 その瞳は、鮮やかな青色だ。

 ジュリより大分低い背丈で、ジュラより少し高いくらいの背丈だ。

「……あれが細胞のもとの姿と人格なのかな?」

「うん、多分……」

「……セリザワお姉ちゃん?」

『ぷっ!』

 ジュラの一言に、ディアとジュリが吹き出してしまう。

 確かにジュラやジュリと顔立ちは似ているし、目の色も一緒だ。

 姉妹と言えば通用してもおかしくない。

 しかし――

「まさか、こんな姿になるなんてね……」

「まあ、由人君の体の細胞は、元々あなたのものだったって話だから……」

 そう、この少女が芹沢由人なのである。

 男子高校生が、なぜこんな姿になっているのか。

「怪獣細胞……を、発展させた機械細胞だっけ? また便利な代物があったもんだよね……」

「まあ、こんな技術の源泉がわたし達なんだけど……」

「まさか死にかけて体を一から再構成して保たせるとか……無茶苦茶だよ……」

「……ジュリも一から体を作ったんだから、大差ないって」

「…………そう言えばそうだよね」

 全ては人類が手にした禁断とも言える技術の賜物なのだ。

 …………結果はいささか、しょうもないのだが。

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