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怪獣少女のいるところ  作者: 七志野代人
第三章 動き出す過去
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お昼の姉妹

「美味しいね、ヨシト♪」

「外で食ってもよかったんじゃないか?」

「ボクはヨシトのご飯が食べたいんだよ!」

 ……今現在、俺はジュラとジュリ、二人の昼食を用意している。

 理由は単純。俺のご飯が食べたいとジュリが言い出したから。

 折角なんだし、外で食べるのも悪くないんじゃないか? とは提案したのだが、

「ボクはヨシトが作ってくれたご飯がいいな」

 と言って譲らず、

「……賛成」

 ジュラも賛成したものだから、結局大怪獣町に戻って昼食をとることになったわけだ。

 ……恋人(?)と家族の頼みだし、嫌なわけでもないもんなー。

 ま、喜んでもらってるのは素直に嬉しいし。

「はい、ヨシト!」

 唐突にオムライス(ジュラのリクエスト。今日の昼飯だ)をスプーンにのせ、ずいとジュリがつき出してきた。

「へ?」

「はい、あーん♪」

 ……唐突すぎやしません!?

 早速デレが入っただと!? く……っ! リアルでやってもらえるとは思っていなかった……! 恥ずかしいけど、でもジュリめっちゃかわいい笑顔だしなんか嬉しいぞこれ!

 俺はおずおずと口を開けた。

「あ、あーん」

「は~い♪」

 ぱく。

「おいしい?」

「う、うん……」

 正直、口のなか意識する前に、いろいろな感情で頭のほうがなにがなんだか……。

「あっ、ヨシト、口の脇にケチャップついてるよ?」

 ジュリがそう言って、俺の口元を指す。

「え、まじ?」

「ヨシト、動かないで」

「は?」

「ん、ぺろ」

「っっっ!?」

「んふ、おいし……♪」

 な、舐められただとっ!? てか、その後の台詞と表情がなんかめっちゃエロい!

 っつーか、こんなんジュラに見せるのどうなんですかっ!?

 そんな感じで隣に座る(最近は膝に乗らない。ちょっと寂しい)ジュラを見ると、

「……………………」

 ものっそい羨ましそうな表情でジュリを見ている。

 やっぱ仲間外れっぽくなって寂しいか?

 ……ところでお姉さん? なんで妹さんにそんな応援してるよ!的な表情をしてるんですか? 俺には理解できないのですが!

「セリザワ……」

「うん、どうした?」

「……っ、……わ、わたしも、して、ほしい……」

 顔を真っ赤にし、もじもじしながらジュラがそう言った。

「へ?」

「…………その、………………あーんって、して、ほしい……」

「…………」

 絶句。

 二重の意味で絶句。

 まさかのジュラの台詞と、恥じらいながらのおねだりの破壊力に。

 勿論、嫌だなんて選択はなかった。

「……ほ、ほら、あーん」

「…………あーん」

 ジュラも恥ずかしいらしい。

 真っ赤な顔で、パクリとスプーンをくわえた。

「あー……、うまいか?」

「……………………ん。すごく、おいしい」

 真っ赤な顔。それでもこくりと頷いて、ジュラは微笑んだ。

 …………なにこの高火力姉妹。

 一度意識しだすとヤバいってのは判っていた。

 ただ……

「んーっ! やっぱりボクはヨシトの料理が好きだよ!」

 オムライスを口に運び、笑顔をこぼすジュリ。

「…………セリザワが作ってくれるのも、嬉しい……」

 そう言って、しっとりと微笑むジュラ。

 …………ここまで可愛いのは、ちょっと反則じゃないか?

この間学校の友人に、「これの主人公、まんまお前の喋り方じゃね?」と言われて、かなりショックでした……。

元が作者の妄想だからって……なにも主人公の口調まで似ることはないじゃない……。

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