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怪獣少女のいるところ  作者: 七志野代人
第三章 動き出す過去
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一人増えて

一週間近く間が空きました……。

会話多目の日常回です。

口調だけで伝わるでしょうか?

 しかし、こうしてみると、俺ってなかなか幸運なんじゃなかろうか?

 最近はそんなことを考えるようになっていた。

 何故なら、美少女二人と同棲しているからだ。

 ジュラとジュリの二人と。

 たとえば、

「……ん、おはよう、セリザワ」

 朝起きて、リビングに行くと、ジュラが目を擦りながら、パジャマ姿で出てきた。

「おう、おはようジュラ。ジュリは?」

「まだ寝てる」

「そうか。んじゃ、起きる前に二人で朝御飯の支度するか」

「ん。着替えてくる」

「おう」

 短く言葉を交わし、俺はキッチンに立った。


 ……


「セリザワは、料理が上手」

「そうか? 普通だと思うんだが……」

「いつも、自分で作ってたの?」

「ああ、高校上がってからは独り暮らしだったから、自然と上達してった。自炊ができるように、うちの母さんから基本的なメニューは教わってたし」

「……独り暮らし?」

「基本的には独りで生活してたんだよ」

「……そう」

「にしても、ジュラは料理したことあるのか?」

「? どうして?」

「いや、手際が随分良いから、ルモさんの手伝いでもしてたのかと」

「ん、やってない」

「へえ、それなら、ジュラが器用なのかもな」

「……ん。そんなこと、ない」

「折角だし、今度料理教えようか?」

「良いの?」

「いいもなにも、一緒にご飯作れたら、楽しんじゃないかなーって思ったんだけどさ」

「……!」

 急にジュラが俯いてしまった。

「……頑張って覚える」

 俯いたまま、ポツリとジュラは呟いた。

「そうだな、二人で美味しいもの作って、ジュリとかルモさんとか、シャラナにでも食わせてやろうぜ」

「ん。楽しみ」

 

 ……


 ジュラとジュリの寝室にて、

「……お姉ちゃん」

 ジュラがゆさゆさと眠っているジュリを揺さぶる。

「……んぅ……」

「……起きて、お姉ちゃん」

 ぱちりと目を開け、少しぼんやりした表情でジュリはジュラに挨拶を返した。

「…………ん、ジュラ?」

「おはよう、お姉ちゃん」

「おはよー……、あれ? ジュラ、今何時?」

「大体八時くらい」

「うあー、もうそんな時間かー。寝過ぎちゃったかな?」

「大丈夫。ご飯の準備は、セリザワと一緒にできたから」

「ヨシトと? あっちゃー、起きるの、一番最後だったかー」

「ん、明日はもう少し早く」

「分かったよ。それにしてもジュラ」

「?」

「随分嬉しそうだね。ヨシトと一緒に料理するのは、楽しかったかな?」

「っ!?」

「図星かぁ……。ボクも、負けてられないかな」

「……お姉ちゃん。お姉ちゃんも、セリザワが好き?」

「……そうだね。好きだよ。ヨシトの事は」

「どうして?」

「こんな人に大事にしてもらいたい、とか、ボクの為に、命を賭けてまで頑張ってくれた、とか……そんな理由かな。ジュラはどうなんだい?」

「……わたしは……一緒に居てくれるって、言ってくれたから」

「…………成る程、我が妹ながら、なかなかにちょろかったね。引っ掛かったのがヨシトで良かったよ」

「……う」

「まあ、ボクも人の事はとやかく言えないけど。とにかく、姉妹揃って彼に惚れちゃったわけだ」

「……お姉ちゃん、わたしは――」

「言いたいことは大体分かる。ボクだって、恋人巡ってギクシャクするのはイヤだから。そこでひとつ提案なんだけどね? ……ハーレムって知ってるかな?」

「……男の人一人に、女の人が何人もお嫁さんになること?」

「そうそう! それなら、ケンカになんかならないでしょ? それに、ヨシトの魅力も他の皆に伝わるわけだしさ」

「……ん! 名案」

「でしょ? と言うわけで、ここに芹沢由人ハーレム計画を宣言しちゃったりするよ!」

「……おー。……ところで、わたしたちの告白はどうするの?」

「あー……。じ、自己責任で! あ、でも、先に告白したからーって、独占は無しだからね!」

「ん、了解」

 二人が頷きあっていると、

「おーい、二人とも、遅いぞー?」

 由人の声がかけられる。

 慌てて二人で返事を返す。

「すぐに行く、待ってて」

「ごめんヨシト! 今いくよ!」

「……話の続きは、また今度」

「うん、そうだね――」

 賑やかな日々は始まったばかりだ。

次回、人物紹介。

さらに次回。ムフフなイベント(の、予定)。


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