朝、布団の上の一幕
ブカブカのジャージ姿で、ジュリは起き上がった。
さすがに衣服はどうしようもなかったらしい。
しっかり出てるところは出ているが、それでも俺よりも小柄なので、首回りが大きく覗いている。
ルモさんとかクインは大きいが、それより少し小さいだけで、ジュリも十分胸は大きいよな。
バルハさんと同じくらいか。あの人も普通に大きい。
フェルは普通より少し小さいくらいで、ジュラは……しょうがないか。まだ小さいし。
「随分といろいろなことを考えてるね?」
(うぉっ! いきなり話しかけるなよ! 心臓に悪いだろ?)
「ボクとしては、脳内でそういうこと考えられると、ついつい発情しちゃいそうで、困るんだよ」
(……すまん。って、発情?)
「そう、発情。ボクたち怪獣は、生存本能が異常に強くてね。最悪、同性や、異種間でも子供を作ろうとしてしまうほどさ。全く、怪獣はほとんど単独で生息してるから、出来るだけ子孫を残しておきたいのかどうか……。まあ、そう言うわけで、ヘタをすると他の娘を襲っちゃうから、あんまりそういう妄想はしてほしくないかな」
(…………難儀なことだな、怪獣ってのは)
「まあ、流石のボクたちでも、同性だから子供は出来ないけど、別種族の異性とかだと普通に子供は作れちゃうんだよね」
(は?)
「発情すると、みんな形振り構わなくなるから、気を付けなよ?」
(不穏すぎるわ!)
いや、待てよ?
それってつまり、うまくいけば非常に目の保養になるであろう、百合の花園とか見れるんじゃなかろうか。
「……発情してから体戻そうか? 勿論興奮はそのままで」
(ごめんなさい絶対妄想なんてしません本当です)
危ない。
危うく性犯罪者にされるところだった。
(そう言えば、なんで一々声に出してるんだ? 意識だけで会話できるだろう?)
話をそれとなく逸らす。
「ああ、発音の練習だよ。ボクが体を動かすのは久し振りだからね。ちょっとした確認みたいなものだよ」
(成る程。立ち上がったりとか、問題ないか?)
「大丈夫だ。ほら」
布団から立ち上がる。
すると、
(ぶっ!)
だぼだぼの寝巻きに使ってたジャージに、今にもずり落ちそうなトランクス姿だった。
正直、滅茶苦茶エロい。
だぼっとした男物のジャージに、ほとんど脱げかけた男物のトランクス。
それを身に付けてるのは物凄い美少女だ。
なんだろうか、このスゴくイイ所を押さえた感じ。
(よ、ヨシト? あんまり変な事を考えると、ボクも我慢の限界が……)
「っ! すまん!」
あっぶねー。
危うく発情させるところだった。
……
結局、ジュリは俺の服で無理矢理間に合わせた。
(……ヨシトの匂い)
(ちょっ、発情するなよ!?)
顔を火照らせるジュリに釘を指す。
……大丈夫なのか?
取り敢えず、朝食をとる。
が、ここで意外な事実が判明する。
絶望的にジュリは料理が下手だった。
(……ジュラにはちゃんと覚えさせるわ)
(……よろしくお願いするよ)
はっきり言って不味い飯を食いつつ、俺はジュラにはちゃんと料理をさせようと心に決めるのだった。
説明回です。
次回は真面目になる……のか?




