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怪獣少女のいるところ  作者: 七志野代人
第三章 動き出す過去
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朝、布団の上の一幕

 

 ブカブカのジャージ姿で、ジュリは起き上がった。

 さすがに衣服はどうしようもなかったらしい。

 しっかり出てるところは出ているが、それでも俺よりも小柄なので、首回りが大きく覗いている。

 ルモさんとかクインは大きいが、それより少し小さいだけで、ジュリも十分胸は大きいよな。

 バルハさんと同じくらいか。あの人も普通に大きい。

 フェルは普通より少し小さいくらいで、ジュラは……しょうがないか。まだ小さいし。

「随分といろいろなことを考えてるね?」

(うぉっ! いきなり話しかけるなよ! 心臓に悪いだろ?)

「ボクとしては、脳内でそういうこと考えられると、ついつい発情しちゃいそうで、困るんだよ」

(……すまん。って、発情?)

「そう、発情。ボクたち怪獣は、生存本能が異常に強くてね。最悪、同性や、異種間でも子供を作ろうとしてしまうほどさ。全く、怪獣はほとんど単独で生息してるから、出来るだけ子孫を残しておきたいのかどうか……。まあ、そう言うわけで、ヘタをすると他の娘を襲っちゃうから、あんまりそういう妄想はしてほしくないかな」

(…………難儀なことだな、怪獣ってのは)

「まあ、流石のボクたちでも、同性だから子供は出来ないけど、別種族の異性とかだと普通に子供は作れちゃうんだよね」

(は?)

「発情すると、みんな形振り構わなくなるから、気を付けなよ?」

(不穏すぎるわ!)

 いや、待てよ?

 それってつまり、うまくいけば非常に目の保養になるであろう、百合の花園とか見れるんじゃなかろうか。

「……発情してから体戻そうか? 勿論興奮はそのままで」

(ごめんなさい絶対妄想なんてしません本当です)

 危ない。

 危うく性犯罪者にされるところだった。

(そう言えば、なんで一々声に出してるんだ? 意識だけで会話できるだろう?)

 話をそれとなく逸らす。

「ああ、発音の練習だよ。ボクが体を動かすのは久し振りだからね。ちょっとした確認みたいなものだよ」

(成る程。立ち上がったりとか、問題ないか?)

「大丈夫だ。ほら」

 布団から立ち上がる。

 すると、

(ぶっ!)

 だぼだぼの寝巻きに使ってたジャージに、今にもずり落ちそうなトランクス姿だった。

 正直、滅茶苦茶エロい。

 だぼっとした男物のジャージに、ほとんど脱げかけた男物のトランクス。

 それを身に付けてるのは物凄い美少女だ。

 なんだろうか、このスゴくイイ所を押さえた感じ。

(よ、ヨシト? あんまり変な事を考えると、ボクも我慢の限界が……)

「っ! すまん!」

 あっぶねー。

 危うく発情させるところだった。


 ……

 

 結局、ジュリは俺の服で無理矢理間に合わせた。

(……ヨシトの匂い)

(ちょっ、発情するなよ!?)

 顔を火照らせるジュリに釘を指す。

 ……大丈夫なのか?

 取り敢えず、朝食をとる。

 が、ここで意外な事実が判明する。

 絶望的にジュリは料理が下手だった。

(……ジュラにはちゃんと覚えさせるわ)

(……よろしくお願いするよ)

 はっきり言って不味い飯を食いつつ、俺はジュラにはちゃんと料理をさせようと心に決めるのだった。

 説明回です。

 次回は真面目になる……のか?

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