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怪獣少女のいるところ  作者: 七志野代人
第三章 動き出す過去
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対話

 さて、レッツ超展開☆


 それは夢だ。

 よくわからないけど。

 確かに夢だ。

 微睡みのなか、彼とボクは言葉を交わした。

 いや、正確には、ボクから話しかけた。

 ……んー、まあ、話してみたかった、というのもあったけど、今は妹のことだ。

 ジュラがまた、塞ぎこんでしまいそうだった。

 いつまでも甘えん坊な我が妹のことだ。

 どうも不安で不安でしょうがなくなってしまったようだけど、甘やかし過ぎただろうか?

 うーん、世間の怖さを教えて来なかったわたしの失敗か?

 裏切られることを極端に怖がってるようだけど、まあ人生、裏切られないことの方が少ないだろうし、裏切られたとして、それをいつまでも気にしてたってどうしようもない。

 怪獣のボクが言うのもあれだけど、まあ、出来れば裏切られても仲直りして、肩組んで美味しいお酒でも飲めるような、そんな割りきりが出来ても、いい気はするんだよね。

「ま、しょうがないか。ジュラはまだまだ小さいもんね。君みたいな男の人にあえて、幸運だったろうね」

「……どうだろうな。因縁の関係だし。ああも嫌われたっぽいと、腹括ってても話しかけるの怖いし」

「そうかな? 君なら、安心して妹を任せられるよ。むしろ、生きていたらボクが付き合って欲しいくらいだな」

「冗談はやめてくれ。つか、俺にモテる要素が見つからねえし」

「君の中に居たから分かることだけどさ。君は大事だと思った人をとことん大事にできる人なんだよ。そこが、個人的に良いなーって思ったポイントかな?」

 実際、酷いことをしていた父親を、自分の思い出から、きっちりと信じてみせたのはすごいことだと思う。

 まあ、ボクがその被害者である手前、彼は微妙な表情をしているけど。

「それじゃ、例の件、頼むよ」

「……体を貸せ、なんて、言われると思わなかったけどよ」

「人生、色々有るもんだよ」

「まあ、お前のお陰で俺は生きてるんだろ? ジュリ」

 ボクは頬を赤くした。

「そう言われると照れるね」

「こっちとしては、お前の細胞が俺の体を構成しているとか、衝撃的すぎるけどな!」

「お陰で物理法則無視出来るんだし、良いことじゃない? ま、妹を立ち直らせるだけだからさ。ちょっとの間、体を借りたいんだよ」

「……ジュリと話せたほうが、良いのか悪いかは知らないけど、分かった」

「ん、ありがとう。まあ、お別れも込みだけどさ。こういう機会は大事にしないと」

「お別れ、か。俺の中に居るっていうのは隠すのか?」

「ああ。依存させとくよりは、ヨシトと一緒に頑張ったほうが、あの子にとっても良いだろうし」

「……そうか。分かった。後、改めて謝る。すまなかった」

「良いよ、もう十分に君は償った。それこそ広明の分もね。だから……ボクは君に感謝している。父親の代わりに妹の面倒を見てくれて、妹にさよならを言いたいと言ったボクに、自分の体を貸してくれてる。そんなお人好しな君にね」

「誉められてんだか、貶されてるんだか……」

「誉めてるよ。ありがとう、ヨシト」

 そう言って、微笑む。

 本心からの笑みだ。

 まあ、あの親にして、この息子ありき、なんだろうな。

 彼は優しかったし、ヨシトもそう言うところはよく似てるよ。

「それじゃ、体を借りるよ」

「ああ、元々お前のなんだし、大事に使えよ」

 笑ってボクは目を閉じた。

 短めです。

 まあ、プロローグみたいなモノなので。

 次もプロローグっぽくなる……かも?

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