罪の行方
ごめんなさい、今回は短いなんてレベルじゃないです……。
ただ、次回はいつも通り、もしくはいつもより長めになると思います。
「いつまで、笑って見過ごすの?」
「……なにを?」
バルハの問いに、フェルが苦笑ぎみに答える。
「知ってるでしょ? 芹沢さんのお父さんが、何をしたか」
「うん、知ってるよ。報告書は読んだから」
「じゃあなんで何も言おうとしないの!? 彼が、ジュラに笑っていい筈がないでしょ!?」
「……笑ってるんだよ? ジュラが、あんなに楽しそうに。ジュリ姉が死んでから、ずっと笑ってくれなかったのに」
「ふざけないでっ! ジュリ姉が死んだのも、ジュラが笑わなくなったのも! 全部、広明さんのせいでしょ!?」
広明。
芹沢広明。
由人の父親にして、ディストラクション計画の責任者。
「だとしてもだよっ! あの二人は幸せそうに笑ってる……。それなのに、あたし達がそんなこと言ったら、ジュラは二度と笑えなくなるかもしれない! 芹沢君だって笑わなくなるかもしれない! あたしは……そんなの、いや。絶対にいや」
「……でも、でもっ、知らないままで良い筈がないじゃない! 広明さんの実験のせいで! それを忘れて、わたしたちが笑って良いはずだってない! 罪が有るなんて言わない。それでもっ、広明さんが謝らなかった分……芹沢さんには……謝って、ほしい……っ」
「それは……、それは、バルハ姉の……」
「分かってる。只の自己満足だって……。芹沢さんは良い人で、ジュラとも仲良くなってるから……今の状態がいいのも、分かってる」
「…………バルハ姉……」
俯き、それでもバルハは、再び顔を上げる。
強い意思の光が、その瞳に宿っている。
「ごめんなさい。でも、わたしは誤魔化したくない。意地かもしれないけど、でも……、ジュリ姉が浮かばれない。このままは、嫌なの」
「バルハ姉……。……いや、仕方ない、訳じゃないけどさ、ケジメくらいつけておくよ。バルハ姉だけに話させたら、面倒なことになりそうだしね」
「フェル……」
「あたしは芹沢君含め、みんなでわいわい楽しく過ごしていきたいからね。だったら、余計なしがらみはさっさと取っ払いたいしさ」
「……ありがとう」
「良いって」
「…………それじゃ、明日、二人を夜に呼んで、話すよ」
「……うん。それで良いと思う」
「謝って、くれるかな……」
「謝ってくれると思うけど……、ま、どうだろうね?」
明日。
――それが、運命の日になると知ってか知らずか。
――ただ、淡々と、夜は巡る。
――ただ、ゆっくりと、少女と少年は共にまどろみの中……――
はい、運命の歯車が回り始めました。
ここから上手く書いていけるかどうか……。
腕の見せ所です……(超滝汗)。




