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怪獣少女のいるところ  作者: 七志野代人
第二章 決意と絆
16/49

主人公、職を得る

 さて、主人公はなんになるのやらw

 期待せず読んでくださいw

 それからは、結構時間がたつのはゆっくりだった。

 まあ、のんびりとジュラと遊んでただけだしな。

 一応養育費ってかたちで、ルモさんからお金は貰ってるが、さすがに働き口は見つけないと不味いよな……。

 このまんまヒモってわけにもいかないし。

 と、言うわけで、今日は出かけることにする。

 行くところはフェルとバルハさんのレストランだ。

 今日もこの二人に話を聞かせてもらう。

 ジュラはいつも通り、俺の膝の上だ。

 いつもはこの町の情報とか、そう言うことを聞きつつジュラの相手をしているのだが、今日は違う。

 今、手伝いを探してる――もとい、求人しているところを二人に教えてもらうのが目的だ。

 ジュラのことも考え、子連れ(?)OKな所がベストなのだが……。

「さすがに子連れOKはない、かな……」

「……この町の住人は、基本的に女性だけですしね……」

「……あー、うん。ですよねー……」

 まあ、当たり前のことだった。

 と言うか、ヘタな妄想すると、物凄く百合百合とした光景が脳裏で描かれそうだ……。

 それはさて置くとして、結局のところ、「合間合間でジュラの相手してあげられる所」と言うことで、一つの職場(?)が紹介された。

「神社のお手伝い……?」

「うん、あそこなら、ジュラと一緒に仕事できると思うよ」

「頼まれているのも、ちょっとした雑用みたいですし、問題はないと思いますよ?」

「いや、そもそもの話、この町に神社なんて有ったんですね……」

「まあ、どちらかと言えば、皆の集会所見たいな感じなんですけど」

「神様自体が国から維持費やらなんやらって言って、お金をむしりとってるから、ちゃんとお給料はでるだろうしね」

 ……何やら聞き捨てならない台詞があった。

 フェルに聞き返す。

「神様って、どういうことだ?」

「文字通り、神社に居る神様のことだよ。水龍神社って神社なんだけど、そこは、神様本人が運営してるのさ」

「維持費と言って、国に大量のお金を請求しているのは、「国なんてあてにならない」だからそうです。自前で動かせるような予算にしてるんでしょうね」

「何百年と神様として奉られてて、国を相手に自分の好きなようにやってるスゴい人だけど、まあそう気負わなくても大丈夫だよ」

「随分と大物じみた人が出てきたな!? ……ま、とりあえず行ってみるか。バルハさん。雑用って、詳しく言うとどんなものですか?」

「……っ、はい、ええと、境内の掃除、及び破損箇所の修繕、それと、神剣の手入れと……後は、その時その時で依頼するそうです」

 一瞬、バルハさんの顔に、何とも言えない表情が浮かんだ。

 が、それを掻き消すと、直ぐに仕事の内容を話してくれた。

「神剣の手入れって……それ部外者にやらせる仕事じゃないような…………。……まあいいや。それで、神社って、どこにあるんです?」

「はい、まずはこの店を出てですね――」

 バルハさんに道を聞きつつ、チラリと顔を窺う。

 もう先程見せた表情はない。

(なんなんだ……?)

 やはりバルハさんは俺の何かを気にしているようだった。


 ……


 道を聞いて、ちゃんとメモして、早速神社に向かった。

「へえ……」

「……ん」

 二人揃って見いってしまった。

 小さいが、静かで厳かな空気を発する神社だった。

 見た感じ、極端にボロボロになっているわけではなく、特に修繕が必要な場所も見受けられない。

「ふむ、よく来た。お主が新しい住人じゃな?」

 いつの間にか、目の前には一人の少女が立っていた。

 外見は、十四から十五くらいだろう。

 長い髪は、透き通るような、それでいて、一本通った芯があるような、深く、強い蒼。

 同じ色の瞳は力強い光を宿し、真っ直ぐに俺を見据えている。

 しかし、一番目を引くのは、彼女の頭から生えた、二本の角だろう。

 頭の両脇から、髪の隙間より雄々しくのびる、龍の様な角。

「妾はシャラナ。古よりこの地で水を司る神をしておる。よろしく頼もうぞ!」

 にこっと笑い、握手を求めるように手を差し出す。

「あ、ああ……、よろしくお願いします」

「ふむ、わざわざ敬語なんぞ使わんでいいぞ? 妾の好きでこの場所で神社を運営しておるのだから、寧ろ妾が敬意を以て主らに接せねばならぬだろうしのぉ」

「いやいや、まがりなりにも雇い主相手ですし、敬語は最低限――」

「妾が手伝いを頼んだだけじゃ。無論、きちんと報酬は出させてもらうが、敬われる理由はない。それに、じゃ」

 一旦言葉を区切ると、少女はいたずらっぽい笑みを浮かべた。

「妾にとっては、懐かしの再開じゃしの。親友の息子――それも、小さい頃に散々なつかれた相手に、覚えてないとはいえ、他人行儀にされるのは、中々に寂しいものじゃ」

「は………………、えっ!?、ええええええええええええええええええええええっ!?」

 ちょっと待て、脳味噌の処理が追い付かない!

「昔は「シャラお姉ちゃん」なんて呼んで、妾の後ろをず~っととことこ着いてきていたあの小さい「由人」がこんなに立派になって、妾はとても嬉しく思うぞ」

「……マジですか。つか、うちの親父なんで神様の知り合いなんだよ……!」

「何度も広明には助けてもらっておるし、由人も可愛い弟分だったからの。今更他人行儀に敬語なぞ、むず痒くてかなわんのじゃ」

「……? ……セリザワ?」

 よくわかっていない様子のジュラが、俺の手を引く。

「…………どういうこと?」

「要するに、俺と彼女はずっと前に知り合ってたらしい」

 いまだに驚きは抜けないが、とりあえず、整理できた内容をジュラに教えてやる。

「どころか、「シャラお姉ちゃんとけっこんするー!」とか、帰るときに「シャラお姉ちゃんも一緒がいい」って言って泣いたりと、べったりなつかれておったがの」

 さらに恥ずかしい思い出も投下された。

 心なしか、ジュラの視線が鋭くなった気がする。

「……そこまでなついてた相手を忘れた俺って……」

「……ん、昔のことならしょうがない」

「まあ、子供の時じゃし、無理もなかろう。負い目に思ってくれるなら、さっき頼んだ通り、敬語を止めてくれんかの?」

「……はあ、わかったよ。これでいいか? シャラナ」

「うむ。久しく見ないうちに、男前になったのぉ……。お姉ちゃんは嬉しいぞ」

「なんでお姉ちゃんになってるんだよ……」

「自分で呼んだじゃろう? ああ、旦那様のほうがいいかの? 結婚したいとも言っておったしな」

 なんか、だんだんとジュラの視線が鋭くなっていってるのはきっと気のせいだ。

「……ったく、シャラナの好きなようにしてくれ。……そういや、給料ってどれくらいになるんだ?」

「ふむ……、ざっとこんなもんかの」

 シャラナが口頭で説明する。

 バイトみたいな感覚で、時給制。

 一時間千五百円とは、めちゃくちゃ割りがいいな。

「この町の商いはほとんど趣味じゃからのう。そこまで利益を追及する意味がない」

「……成る程」

 趣味のために商売をしてる人もいるが、商売自体が趣味になってる人もいるようだ。

 どちらにしろ、そこまで必死に商売をするのは多くないようだし。

「さて、それでは、存分に妾の為に働いて貰おうぞ、由人!」

 からからとシャラナは笑う。

 ……何故か、ジュラが俺の横で少し不機嫌そうだった。 

 新キャラ登場です。

 こういうキャラもいいんじゃないかなと。

 後、学校始まったんで、投稿スピード落ちる可能性大です。


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