初恋の相手
私は今、いけない恋をしている。
恋の相手は先生。
初恋だった。
先生は、私の事、生徒だって壁を作るけど。
ほんとはきっと、先生だって…………優ちゃんだって、昔みたいに先生と生徒以上の気持ち、あるよね………?
だって私達は、前からの関係じゃない………。
「優ちゃん!見てよ、あたしテストで百点とったんだから‼」
そう言ったのは、小3時代のあたし、古瀬 美波。
話しかけた相手は、幼馴染みの5歳年上のお兄ちゃん、阿辺 優成。
あたしの好きな人。
頭もよくて、ルックスもよくて、運動もできて、優しい人。
だから、みんなにもモテてる。
だけど。
「おぉ、すげえな‼って、優ちゃんじゃねえだろ‼せめて優"兄"と呼べ‼」
こんな風に話して、優ちゃんの中に、あたしの居場所が少しでもあれば、って願ってる。
「優"兄"なんてやだよ~‼だってあたし、優ちゃんの彼女だもん」
あたしの気持ちをさりげなく伝えてみる。
「……彼女なんてまだ早ぇよ‼大体、お子ちゃまのクセにうるせえよ、バーカ!」
「(本当の気持ちなのに…………)」
あたしが何かを言いたげにしていると、優ちゃんがそれに気づいて
「……ん、どうした?何か言いたげだけど」
と言った。
「………………………何でもないよ」
私は言いたいことをおさえ、笑った。
優ちゃんは私のこと、どう思ってるんだろう。
幼馴染み以上とか、先生と生徒以上とか、思ってないの?
聞きたいよ。
優ちゃんの、本音。
聞かせてよ。
本当の気持ち。
今の私と優ちゃんには、先生と生徒っていう壁がある……。
だから私には、彼を見つめていることしかできない。
話だって、授業のことだけでしょ?
………先生のーー優ちゃんの、声が聞きたいよ………。