第三話
時間が不定期ですみません
どうにか1日一回は更新するので許してね>_<
約20年前、世界で初めてVRが家庭用ゲームとして発売されてから、多くのVRゲームが世に出されてきた。中でもMMORPGは爆発的な人気を誇ってきた。しかし、時が経つにつれて、マンネリ化していくゲームにユーザー達は離れつつあった。
そんな時に発売されたのがディヤヴォルオンラインであった。ディヤヴォルオンラインは従来のMMORPGの要素に加え、およそ関東地方と同等の広大なマップに、世界初のアシストシステムが新しく導入され、これにより再びユーザー達の炎は燃え上がった。しかしそれもデスゲームが始まる前までの事だった。
デスゲーム開始時にログインしていたプレイヤーは約一万人。その殆どは、未だに始まりの街を出ずにいた。
★★★★★★★★★★★★★★★
カズヤ達が魔王の住む場所へ向けて出発してからしばらくして、目的の場所にたどり着いた。道中、討伐隊一道を襲ってくるモンスターは多数いたが、上位プレイヤーだけのレイドがやられる筈もなく、無傷で魔王の元へと到着した。
「ここが......」
少し薄気味悪い場所にボスが出現するエリアがあった。カズヤ達の目の前には歪んだ空間が見え、そこが《ボス出現エリア》と通常のエリアを分ける境目であった。
「準備はいいか」
ソレイユが先頭に立ち、プレイヤー達を見る。引き返すなら今の内だぞ、と暗に目で訴えていたが、逃げ出す者は誰一人としていなかった。プレイヤー達はソレイユの顔を見て深く頷いた。カズヤ達も武器を握り締め、頷く。
カズヤはこの戦いを無事クリア出来るだろうと思っている。ディヤヴォルオンラインにはジョブと言われる物はない。全てはステ振りとスキルの取得で各々の戦闘スタイルを確立している。特に上位プレイヤーと呼ばれる者達は戦闘特化のスタイルを築いている者ばかりだ。更にこの四年間をこの厳しい環境で生き抜いてきたという経験もある。何か不測の事態が起こらない限り、多少の犠牲は出てしまうかもしれないが、クリア出来るだろうとカズヤを含めプレイヤー達はそう確信していた。
「行くぞ!」
ソレイユの号令でプレイヤー達は歪んだ空間の向こう側へと足を踏み入れる。その途端、身体が浮上する感覚に陥り、気が付けば広い洞窟のような空間にカズヤ達は来ていた。
「グオオォォォォォ!!!!」
洞窟に灯りがつき、魔王が姿を現す。
「全員武器を構えろ!」
ソレイユが合図を送る。
「カナデ、レイン」
「おう、死ぬなよ」
「皆で、生きて帰るわよ」
カズヤ達は武器を構える。プレイヤー達も武器を持つ手に力が入った。
「全員ーーーー」
突撃、そう合図をソレイユが送ろうとしたその時、
ーーーーー白い閃光が、
プレイヤーを襲う。
この瞬間、討伐隊の半分が光の粒となり、死んだ。