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ー魔動器時代ー

【魔動器時代】

〈東征と東西文化融合時代〉 

→山岳種族ド・ワーフの〈地下洞窟王国〉を滅ぼし、〈アヴァロン捕囚〉により魔法鍛冶技術を独占した〈新アヴァロニア千年王国〉は、魔法奴隷兵士による征服を進め、強大な軍事国家に発展した。集団密集隊形による魔法奴隷重装歩兵を担った魔法奴隷の勢力は、列強諸国との交戦と共に増大し、魔法奴隷朝が興った。

 

 魔法奴隷朝は、ストーン・ゴーレム軍団による前期とメタル・ゴーレム軍団による後期に分かれるが、メタル・ゴーレム朝の三代目神武大王ディオラ・シオンは、〈新ギガント巨人連合〉の名の下に魔法奴隷兵戦争を起こした。肥沃な神の舌地帯やアドナ口内海の港湾都市を支配すると、神武大王は、東方中原のドラキア朝大竜帝国に対する東征を開始。


 無敵と恐れられた大竜帝国竜騎兵軍団や獣人奴隷兵士歩兵軍団〈バーサーカー〉をセイラーンの戦いで破り、東西文化を融合する魔動器時代のはじまりを告げることに成功した。


 こうして興った〈新ギガント巨人連合〉により、東西文化が融合し、泡沫海世界の一体化が進むことになった。

 

〜新ギガント巨人連合の分裂と魔動器時代〜


 魔動器により、東西文化の融合、泡沫海世界の一体化を目指した神武大王だが、その死後、三種の神器を巡って〈三種神器後継者戦争〉が勃発。〈新ギガント巨人連合〉は三つの王朝に分裂することになる。


 聖剣と剣皇アレスによる〈聖剣朝〉、〈聖杯〉を継承した健皇エディードの〈聖杯朝〉、そして〈聖杖〉を継承したロドニウス賢皇の〈聖杖朝〉は、互いに争った。舞台となった泡沫海では、征服に伴う魔動器文化導入により、異種族間混血と文化的混交が進んだ。

 

〜西方における聖剣朝ヴァルハラの発展と衰退〜


 三種神器後継者戦争においてアルハン頭部大陸西方を継承した聖剣朝ヴァルハラは、アインヘル独眼王の時代、高度な魔動器を用いて、東は魔獣遊牧民族ガルムード族を討ち、またドリム夢中海の海港都市国家群を支配下に置くなど最盛期を迎えた。


 しかし神武大王の正当なる継承者として、聖杯朝や聖杖朝への戦争を繰り返し、度重なる戦争による財政難を招いた。


 魔動器時代を迎え、台頭して来たウィザード官僚は財政改革の名の下にソードロード世襲貴族に対する圧迫を強め、両者の身分闘争によりその勢力は衰えていった。


〜西方におけるヴァルキリ朝時代〜


 聖剣朝の衰退に乗じて、外戚とウィザード宦官との権力争いが激化していった。北の戦乙女国ヴァルキリア出身の皇后フレイアは、灰鱗王の病気を利用して権力を握ると、共同統治の名の下に戦乙女王として即位し、ヴァルキリ朝が興った。 


 カースト身分社会における第二身分ソードロード(剣卿)世襲貴族が台頭し、ウィザードよりも剣を尊ぶ風潮は、後の鉄器時代の封建国家がソードロード(剣卿)の身分を主張し、その権力の正当性の根拠にするなど大きな影響を与え、その先駆けとなった。


〜中原ドラキア朝大竜帝国没落期の動向(セレス月華帝国の台頭)〜 


 一方東方で栄華を誇ったドラキア朝だが、セイラーンの戦いで、神武大王率いる魔法奴隷巨像兵士軍団に破れて以来、泡沫海の覇権を失い、衰退していった。


 国内では、皇帝の権力を支えた獣人奴隷兵士軍団による専横が相次ぎ、やがて軍閥化した獣人奴隷軍団による獣人奴隷朝<ライカーン朝>が中原に興った。セレス人の創世伝説でいう三獣皇時代のはじまりである。


 三代続いたライカーン朝だが、獣人亜人類との混血が進むと、その血を引く〈月の子族〉の力が次第に強くなっていった。魔動器を祭器、利器として扱う彼らウィザードを頂点とするウィザード教が、中原にも広まっていった。


 その魔力で前獣皇ガル・ハンより譲位されると、月の子族ウィザードである魔導帝イー・ハン・サンは、満月朝セレス月華帝国を興した。セレス人の創世伝説では、獣人奴隷朝と満月朝セレス月華帝国を合わせて、三獣皇五煌帝時代と呼ぶ。


 五代目〈月影帝〉はその魔動器で蛮族と戦い、剣卿と呼ばれる諸侯や外戚に対抗すべく登用したウィザード官僚に基づく魔導政治体制で絶大な権力を握った。


 また対外面では、〈海の竜の道〉による小群島帯海域諸国経営をめぐって、海域群島都市国家や〈聖杯朝〉から発展した不死朝アスカ飛鳥帝国と激しく争った。


〜アスカ飛鳥帝国とアスカの平和時代〜


 肥沃な神の舌地帯と三神器の聖杯を継承した聖杯朝は、征服と共に貿易による魔動器文化の導入に努めた。まずは商業民族流星民系フェニキス人の鼻高原に進出し、フェニキア地方を支配下におくと、マルキア半島に進出し、海の竜の道による中継貿易を独占。


 聖杯朝の庇護の下、貿易を担った商業民族フェニキス人によって、神秘象形文字に代わる表音文字として聖霊文字アルファベートが広まり、彼らは多くの植民都市を築きながら、その勢力を拡大していった。


 海域経営に乗り出した満月朝セレス月華帝国と〈小群島帯〉群島都市国家の支配を巡って興った戦争では、軍事的天才アヴァタール将軍により、勝利を収めた。勝利の勢いを駆ったアヴァタールは、始祖朝アンドラスアスカ飛鳥帝国の発祥の地と謳われる〈ニルヴァース〉でアスカ飛鳥帝国の復興を宣言し、ここに不死朝アスカ飛鳥帝国が興った。


✴︎挿絵(By みてみん)


 ✴︎双頭の鳳凰を継承し、不死朝は、泡沫海世界に広がるウィザード教に対抗するべく、死と復活の教義が中心の天帝=太陽信仰を国教とした。後に五天帝時代のはじまりとされる光帝は、自らを天帝の化身とする天帝一神教革命を推し進めるべく、アマダナ遷都を断行(いわゆるアマダナ時代)。


 その右腕であった炎柱将軍は光帝の死後、即位すると、炎帝として天帝一神教革命を推進し、鳥の名前を冠した飛空艇旅団は泡沫海を席巻した。


 続く雷帝の時代、西は肥沃な神の舌地帯、南は肩高原、東は掌中亜大陸の三分の二に至る一大帝国に発展。泡沫海は我らが海と呼ぶ程の領土を誇ることとなった。いわゆるパックス・アスカーナである。


 五天帝の四代目洗礼帝の時代、支配下に置かれた古エル=フの血を引くとされる流星民達は、職業教師ソフィストとして新しい思想を生み出した。彼ら職業教師は、四大元素論に基づく自然魔法学をはじめ、古エル=フに由来する黄道十二神教など文化面で大きな影響を与えた。


 またウィザード身分制度に対して、黄道輪廻──生まれ月が転生する度に、移動し性格など運命を支配する――からの脱却、万物流転の概念を取り入れた新しい宗教ソフィスト教の原型を形作った。


 ウィザード身分制を否定する原始共産主義的なこの教えは、天帝を自らの化身とする天帝一神教を国教とした炎帝、雷帝の時代、激しく弾圧された。


 しかし洗礼帝は征服戦争に明け暮れた自らを悔いるように、その死の直前、洗礼を受けた。続く石窟帝はウィザード官僚の陰謀により、当時辺境であった中原西部の人差指山脈鉱山刑務所に流刑。 


 二十年にも及ぶ鉱山刑務所特別独房生活を経て、開眼した石窟帝は、歴代の職業教師の教えを元に、聖職教師として、ソフィスト教の開祖となった。囚人から広まったこの教えは、瞬く間に泡沫海世界に広がり、これを恐れたウィザード官僚と新皇帝ネイスは、石窟帝ことレイ・ソフィストの処刑を断行。


 〈北都七聖の乱〉が起こるも、軍事力で反乱を鎮圧した皇帝は、ソフィスト教の弾圧を強化した。


 石窟帝の死により、アスカの平和は終わりを告げ、更に中原の中央山脈(中指山脈)黒穴山大噴火がアスカの混乱に拍車をかける。時代は暗黒時代そして先住民族大移動時代と呼ばれる混迷の時代へ突入していくことになるのである。

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