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ー下位古代語魔法時代ー

【下位古代語魔法時代】

【大森林時代】

〈魔製石器時代〉

→禁呪戦争の影響により、大魔導災害が生んだ大型魔獣や大森林が上位古代種に代わり支配者として君臨した。これらの大型魔獣を狩る亜人類デミヒューマンは下位古代語を話し、魔法の火や魔製石器を使用したと想像される。


〈呪紋時代〉

→〈羊水海〉に沈んだという伝説の〈聖舟〉より脱出した海の民(星の民)古エル=フは、〈臍の緒道〉と呼ばれる海流を経て、三つの船団に分かれながら、大陸に渡来した。


 渡来当初、大型魔獣狩猟を行いながら、移動採集生活を送っていた〈古エル=フ〉だが、魔獣や亜人類との戦いの中で、独自の魔法文化を生み出した。神秘象形文字である〈精霊文字〉や、魔法の火を利用した呪紋式土器の製作、そして魔法の矢の狩猟高度化が進み、魔法の矢の濫用は精霊力の異常を引き起こした。

 

 大規模な環境の変化──砂漠化に伴い、次第に狩猟生活から定住化が進むことになる。


〈魔法都市国家時代〉

→大森林の後退に伴い大型魔獣は姿を消し、急速な砂漠化により、狩猟採集生活から、農耕への転換を古エル=フは、迫られることとなった。


 やがて血縁氏族を中心とした集落が各地に誕生。これらの集落では、未だ狩猟移動生活を続ける亜人類の侵略や、魔獣の防御のために集落の城砦化が行われた。周辺の森林伐採及び採集用植物や魔薬の栽培なども同時に行われた。


 こうして生まれた血縁氏族を中心とした集落は、やがて都市に発展。各氏族ごとの植物、動物を祖先霊を崇めるトーテム信仰やアニミズムに基づき、精霊魔法を操るシャーマンを各氏族の指導者とする神権政治体制を生み出し、やがて魔法都市文明を開化させることになるのである。


〜中原の呪紋文化のはじまりとエレメン精霊連合王国の誕生〜


 泡沫海世界の東方――掌中亜大陸、いわゆる中原でおこった最初の魔法文化は、呪紋文化と呼ばれる。精霊信仰に基づく神秘象形文字〈精霊文字〉の使用、呪紋刺青の風習や魔法の火で焼いた呪紋式土器(呪紋式土偶は後のゴーレムの原型といわれる)など独自の魔法文化を東方エル=フは生み出した。


 彼らは共立する王を立てることで、〈火巫女〉エフェメラを王とする最初の四大部族連合国家〈エレメン精霊連合王国〉を興した。栄華を極めたが、森林開拓とその象徴である〈魔法の火〉をめぐる争いから、イルブリード炎魔大王は、光と闇の二元論に基づく拝火教の国教化を進めた。この宗教対立と結びついた王位継承をめぐる骨肉の争いは、光と闇の〈拝火百年戦争〉に発展。


 光朝エレメンの〈栄光のエル=フ〉と闇朝ネクロシアの〈闇エル=フ〉に分裂後、更に五獣(紅鳳族、青龍族、黄鬼族、黒狼族、白虎族)の侵略を招いた。


 光闇五獣十六国時代と呼ばれる混迷の時代を統一し、死皇帝を号したのが闇帝国イルブリード炎魔大王である。急速な森林開発のための強制移住を行う闇帝国に対し〈森林の七賢〉と古エル=フ七枝族は〈森林盟約団〉を結成。


 また初代火巫女王の孫である日巫女は、光朝滅亡後、難民と化した〈流星民〉を率い〈小群島帯〉を経由してイスカンダールに漂着した。そこで日巫女を光皇とする〈後光朝〉を興し、小群島帯にとどまった〈流星民〉の群島都市国家〈流星同盟〉、〈森林盟約団〉共々闇帝国に激しく抵抗した。


〜闇帝国の衰退とドラキア朝の台頭〜


 死皇帝の滅後、急速な中央集権化の反動として、反乱が相次いだ。魔人将軍が軍閥化し、互いに皇帝を担いで争い合う〈魔人皇帝時代〉を招くこととなった。後に〈七つの罪宝〉の所有者として、有名になる七人の魔人皇帝が、互いに争ったのはこの時代である。


 魔人皇帝最後の一人にして〈竜の子ドラクル〉を自称した〈竜征帝〉ウルク・ハイ=ドラキアは、獣人奴隷兵士親衛軍団〈バーサーカー〉の軍事力を基盤に台頭。闇帝国に代わる新たな王朝、ドラキア朝(ドラグント第二帝国)を興した。


 また中央鼻高原では、北鷲南蛇朝時代の南蛇朝(ナーガ朝)を滅ぼすと、小群島帯の流星民系海港都市国家群に対する支配を強めた。


 〈後光朝〉から発展した〈ラ・ムーマ太陽帝国〉のソーラッハ聖征帝は、光朝エレメン時代への帰還の名の下に、掌中亜大陸への〈聖なる帰還運動〉を展開。これにより〈ラ・ムーマ太陽帝国〉と〈ドラキア朝〉との間で、宗教上そして経済上の争いは激化の一途を辿ることになる。


〜肥沃な神の舌地帯における古アヴァロニア千年王国の台頭〜  


 一方、泡沫海世界の最西〈肥沃な神の舌地帯〉では、海の民(星の民)〈古エル=フ〉の一派が西方から漂着し、〈ド・ワーフ〉と呼ばれる先住種族の文化を吸収しながら、幾つかの魔法都市国家を形成した。精霊魔法付加魔術鍛冶技術を独占していた山岳種族〈ド・ワーフ〉から金属の精錬を学び、自らの魔法の矢と共に、その軍事力で台頭したアヴァロンは、第一王朝時代と呼ばれる全盛期を築いた。


 後に古アヴァロニア千年王国と呼ばれる第一王朝から第十一王朝までの約千年間、紅都アヴァロンを首都として栄えた。彼らは、神秘象形文字から派生した〈聖刻文字〉と呼ばれる文字を使用し、占星術に象徴される魔法技術が発展した。その栄華は遠く中原で興ったエレメン精霊連合王国にまで及んだという。


 星の民を自称し、天文学のため形成されたアベルの塔に象徴されるように、魔術の発展と共に、古エル=フの高位魔法使い――魔導師の力が強くなり、ウィザード教が誕生。


 彼らウィザードは宗教建築物や土地の納税免除の特権及びド・ワーフの独占していた精霊魔法付加魔術鍛冶技術の広まりに伴い、生産道具が発展したことを背景に、開墾のため領土拡大政策を押し進めた。


 こうした征服の過程で、次第に混血が進むと、ウィザードを頂点にソードロード(剣卿)、平民、魔法奴隷と続く階級が徐々に形成されていった。


〜古アヴァロニア千年王国の衰退と新アヴァロニア千年王国時代〜


 栄華を誇った古エル=フと千年王国だが、その傲慢と虚栄心から、坂を転がり落ちるように、滅びの道を歩むことになる。


 征服時代が終わると、ウィザードを頂点とするカースト制度の軋轢が表面化。各地で起こった魔法奴隷の反乱、亜人異種族の侵入を通じて、次第にソードロード(剣卿)が力をつけていった。 


 そんな中、ソードロード(剣卿)の支援の下、反旗を翻したアブル・カタブラーンは、アヴァロンを占拠し、新アヴァロニア千年王国を興した。全盛期を迎えた新アヴァロニア千年王国は、精霊魔法付加魔術鍛冶技術の独占のため、ド・ワーフの地下洞窟王国を滅ぼす。


 いわゆる〈アヴァロン捕囚〉により、呪紋式土偶ゴーレムと呼ばれる魔法奴隷兵士が改良された。集団密集戦法を担った魔法奴隷重装歩兵部隊――巨像部隊の登場は、単なる軍事革命に止まらず、〈魔動器時代〉と呼ばれる新たな時代の幕開けとなるのであった。

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