ー生霊魔法講座ー
□生霊魔法とは
源子が魔力によって励起され霊念波を放つ現象を魔力放射と呼ぶ。
この世のあらゆる存在は魂の振動即ち魔力を持ち、魔力に応じて様々な波長の霊念波いわゆる氣を放っている。
生霊魔法とは、霊念波の一種である氣光いわゆる生氣を吸収後、氣(氣膠、氣丹、氣精)を練り、霊気化学エネルギーとして利用したり、幽体との念気共鳴で、受身側に念場の振動と共に、霊気を流したり、いわゆる氣を利用する系統の魔法である。
氣は生命力の霊気エネルギーや精神力の念気エネルギー、霊気分解合成物質<霊気粘性流体>や霊解質を含む幽液、霊念波や氣光いわゆる生氣など様々なエネルギーやエネルギー物質を指すが、その力の源は、物質体が魔力振動により、相転移した状態、幽液と幽界にある。
肉体と同様に幽体も魔力放射により霊念波を放っている。幽体の霊念波は、肉体が放つ霊念波より波長が短く、氣光と呼ばれる。
いわゆる生氣とはこの氣光の一部を指す。周りの生命が発する氣光を吸収し、励起・伝導・変換の工程を経て、氣(氣膠、氣丹、氣精)を練るこれが、気功即ち氣の鍛錬方法の基礎である。
□幽体の基礎構造
生霊魔法を学ぶ前に、その源となる幽体の構造について知っておくことは無駄ではあるまい。
肉体は深層意識で、幽体の幽液が浸透した状態にある。マテリアル相とエーテル相の境目いわゆる界面では、幽液と物質が混ざり合い、エーテルを分散媒として、マテリアルを分散質とする一種のコロイド溶液いわゆるゾルが形成されている。これを源形質と呼ぶ。
源形質の基本構成単位が魂魄である。魂は人の霊魂や精神の氣を司り、魄は人の肉体の氣を司り、魂と魄からなる魂魄は、精神と肉体との中間的性質を持つ幽体にとって、いわば細胞のようなものである。
魂魄はあらゆる存在の基礎となり、魂魄質で構成される。魂魄質の中には存在の核となる霊核を有し、霊核は質量と結び付き、物体を物体たらしめる固有の情報〈形相〉などの保存と伝達を行い、魂魄膜に包まれている。
魂魄には様々な機能がある。例えば魂魄が魂魄より生じる魂魄分裂や霊念場を通して、存在の鋳型として振る舞い、形質を決定づける形相情報を肉体に提供している。怪我が自然治癒するのは、源形質の形に戻ろうとする弾性に基づく。これを形相記憶効果と呼ぶ。
□霊気粘性流体
肉体に浸透する幽体液には霊気を通す霊解質が含まれていて、エーテル相とマテリアル相の界面では霊荷の再配列により、霊荷の偏りが起こり、自然と霊位差が生じる。
これにより源形質の粒子表面が霊荷を帯びる。すると表面霊荷と同じ量かつ反対符号のサイオンが、源形質の粒子を取り巻く。このような表面霊荷と反対符号のサイオンを対サイオンと呼ぶ。界面に正負の荷霊粒子が対を形成し、層状に並んだものが界面霊気二重層である。
この状態で外部からせん断の力を受けると、霊気二重層がひずむ。霊気二重層内のサイオンと粒子表面の霊荷との相互作用が影響され、余分なエネルギーを消費して、粘度を増加させる。これを霊気粘性効果と呼ぶ。
霊気粘性効果により、源形質の粘性が増加し、ゲル化した源形質が、霊気粘性流体いわゆるエクトプラズムである。
エクトプラズムは、氣膠と呼ばれ、幽体の結合組織の主成分である。
分散系エクトプラズムは、霊場を与えるとマテリアル粒子が数珠のように、鎖状のクラスターを形成する。この性質から霊気粘性流体を硬氣として利用したり、人工精霊の材料としたり、幅広く利用されて来た。
□源形質膜による膜霊位
エクトプラズムはエーテル相とマテリアル相の界面に生じ、その一部は陽サイオンと陰サイオンが結びつくことで、サイオン結合による結晶化いわゆるサイオン結晶と化す。サイオン結晶体は膜状に源形質を覆い、この膜状構造体が、源形質膜である。
源形質膜は、肉体に浸透する幽液と肉体そのものを隔て、霊気的に絶縁する役割がある。また不純物が混ざることで、一部が霊気を通す霊気伝導性と通さない絶縁性を示す半導体になる場合もある。
源形質膜に隔てられ、マテリアル側とエーテル側では荷霊源子の濃度や組成が異なり、霊荷の分布の偏りが霊位差いわゆる霊圧となって現れる。これを膜霊位と呼ぶ。
膜霊位による微弱な霊場は心の動きと密接に関係し、思念による念束密度(念の強さ)の変化により、念場を相互誘起させる。霊気と念気は霊念場として殻のように肉体を覆い、俗に言うオーラとは、霊念場の霊気が発光して見える現象である。
霊気の発光現象は、氣光とよく混同されるが、その発生源が幽体なら氣光、肉体なら霊気発光で、両者の違いは霊念波の波長の違いである。
□起功
生霊魔法を発動するには励起・伝導・変換・発動の四つの基礎段階がある。ここではその第一歩となる励起いわゆる<起功>について見ていくことにしよう。
本来、物質界は様々な魔力振動に満ちている。しかし、物質界より高周波の幽界や星幽界とは位相がずれているため、たとえ同じ空間に重なり合って存在しても肉体即ちマテリアル相の体が本来持つ魔力の振動を微細なものにしてしまう。この位相がずれた状態は、潜在意識状態いわゆる無意識下にあると言い換えることができる。
通常、幽液相の魔力振動は、潜在意識状態にあり、人間は感知できない。肉体から剥離した幽体いわゆる幽霊の類を感知できないのも同じ理由である。
肉体をエネルギーの最も低い潜在意識下の基底状態からエネルギーの高い顕在意識下の励起状態へと移行させるのが生霊魔法の第一段階であり、起功と呼ぶ。
□霊源とは
帯氣圏いわゆる幽界では、生と死による魔力度の差から魔力の移動いわゆる魔力対流が起き、魔力の媒体であるエーテルの対流が起きる。
いわゆるエーテル対流は、鉛直方向や水平方向へと魔力エネルギーを循環するため、重なり合って存在する物質界にも魔力に応じて霊念波いわゆる氣光が満ちている。
肉体を励起するにはこの不可視の氣光を吸収しなければならない。そのための複合魂魄器官が霊源である。ここでは霊源について見ていくことにしよう。
源形質膜には、多くの孔が空いている。氣光はこの氣の孔から吸収され、氣光や幽液のサイオンを取り込むこの路を氣孔経路と呼ぶ。
サイオンや氣光のチャンネルは、幽体の神勁回路網〈氣脈〉と肉体の神経回路網を結ぶ結節点に集中している。背骨神経に沿う頸神経叢、腕神経叢、腰神経叢、仙骨神経叢、陰部神経叢、尾骨神経叢などの神経叢では、単なるチャンネルではなく、チャンネルを通して行われるエネルギーの集中・供給源として、特に霊源と呼ばれる。
□霊源の構造
霊源は円筒状をしていて、その内部は氣孔を開口部として、氣光やサイオンの氣孔経路を開閉する開閉構造、透過膜構造、透過したサイオンの流れで回転するモーターとそれに連動する第二のモーターという二つのモーター構造により複合体を形成している。
蓮花や車輪で象徴されるように、霊源の氣孔開口部の開閉構造は、円形の可動式氣輪に絞り花弁が組み合わされできている。
回転に合わせて花弁が、円筒状の開口部いわゆる氣孔の大きさを絞ることで、氣光やサイオンの量を調整しながら、開閉する。俗に言うチャクラを開くとはこの部分を指す。
絞り花弁が開くと、氣光は氣孔の奥に貼られた透過膜層と周りを環状に縁どる識素に取り込まれる。識素とは、氣光を吸収することで、幽液が放つ不可視の氣光を識別し、知覚を与える霊質のことである。
識素体は氣光の波長の一部を感知し、選択吸収することで、様々な氣の機能を発揮する。氣光の捕集いわゆるアンテナの機能もその一つである。
□導功
氣光を吸収すると、集氣性識素体は、励起状態(起功)になる。励起した識素体は、霊子供与体として高エネルギー霊子を放出し、隣接する識素を霊子受容体として、霊子の受け渡しが行われる。これを氣光霊荷分離と呼ぶ。
霊子供与体は霊子を霊子受容体に渡して自身は陽サイオンに、霊子受容体は霊子を受け取って陰サイオンになる。陽サイオンと陰サイオンが、それぞれ二つの霊極に分かれることで霊気が流れ、氣光を直接、霊気エネルギーに変換することができる。これを氣光励起霊力効果と呼ぶ。
通常、氣光霊荷分離反応は再結合する確率が高いが、隣の識素へと環状に繋がれた霊子伝達鎖を次々と霊子が伝わることで、氣光霊荷分離状態が維持される。この霊子伝達により、氣光霊荷状態を維持し、氣光から霊気を発生させる段階を第二段階<導功>と呼ぶ。
□変功
霊子伝達による霊子の放出は強い物質化力、霊子の受容は強い還元力を有し(いわゆる物質化還元反応)霊気化学エネルギーとして、物質変換に用いることができる。霊子伝達反応が進行する際、幽液のサイオンは源形質膜の氣孔を<氣孔経路>として、膜を横切って輸送される。
膜のマテリアル側とエーテル側のサイオン濃度の霊気化学的勾配により、膜霊位が発生し、サイオン輸送の流れと膜霊位の霊圧を動力として、霊源に内臓された<原動器官>モーターの回転翼が時計回りに回転する。
回転翼は、固定子によってもう一つのモーターと連結しているため、原動器官モーターの回転翼が回ると、連動するモーターが発霊器官モーターとして、回転する。発霊器官モーターが回転することで、体内の栄養物質<精>を原料として、霊子の移動<物質化 (霊子を奪われる) 還元 (霊子を受けとる)>反応が起こる。
チャクラを回しながら、体内の神経回路網と幽体の神勁回路網〈氣脈〉間の膜を通して、サイオンの輸送と循環を繰り返すと、膜霊位差により、物質化還元反応の霊気化学反応が進行し、合成された氣(氣膠、氣精、氣丹)は、粘性を増しながら霊氣粘性流体として、物質化する。
霊気分解(物質化還元反応)により、物質化した導氣性の高い霊気粘性流体いわゆる幽機化合物を合成することを霊解合成或いは氣を練ると呼ぶ。氣を練るのが、生霊魔法の第三段階<変功>である。
□発功
1チャクラを開き、氣光の吸収と励起
2霊子伝達系による氣光霊荷分離の維持
3膜の内外でのサイオンの輸送と循環によりチャクラを回し、氣を練る。
以上の三段階を経て第四段階である発功に入る。練った氣を発動させる段階である。発功は近代魔導学の分類上、魔法技術いわゆる魔術による魔術別分類で五つに系統づけられる。
◆投射魔術系
いわゆる氣を投射する魔法技術体系。思念エネルギー<念気>の投射いわゆる念射により、投影された自己思念投影体いわゆる生霊(人工精霊の一種)を操ったり、衝撃でマテリアル硬化する霊念気粘性流体を<氣鋼>弾として、投射したり、念場で霊念波を増幅し、位相と波長を揃えて収束し、切断性の氣光エネルギーを投射したり、様々なエネルギーとして氣を投射する。
◆召喚魔術系
投射魔術から派生した。自己思念投影体いわゆる生霊を念射し、霊脳空間に没入することで、位相や魔力振動の異なる<幽界>から幽霊を呼び込む魔法技術体系。幽霊を操る外向召喚と内向召喚いわゆる憑依させる降霊術がある。
◆付加魔術系
内向召喚(憑依)より派生した魔法技術体系。自己の幽体を内向召喚し、エンチャントすることで、幽体との念気共鳴いわゆる共命現象を起こす。
同じ周波数で振動する二つのものを近づけ一方を振動させるともう一方も振動する共鳴現象を利用し、幽体側に発生した念場の振動が、同じ周波数で共鳴する受身側の肉体に伝わり、霊気が流れる。この霊気エネルギーで肉体を励起し、生体強化するのが基本である。
◆変成魔術系
付加魔術系から派生した魔法技術体系。霊気を付加することで霊子の授受いわゆる物質化還元反応による化学変化を起こす霊気化学や界面化学など霊気化学エネルギー全般を扱う。
◆秘儀魔術系
肉体を幽子変換する<身出気没>など特殊な血筋や秘密の儀式を必要とする魔法技術体系。