女神?なにそれ?感動巨編?
・・・私は、あいつのマスターなのに・・・
東の大陸を離れ、中央大陸に向かう船の上。コニーはそんなことを思っていた。
ケンを買い物行かせたあの日。帰ってくるなり「修行に行く」といいだし、いきなり準備を始めたアイツ。
「なぜ」と聞くと『大陸間対抗戦』に出ることになり、その為に修行をしたいのだと言う。しかも、そのための手配はすでに終えている。なんて言うのだ。
レイが、どうしてそんなことになったのか聞くと、アサシン家のお父さんに「是非に」と頼まれ、断れなかったのだという。
・・・私の了解も無しに・・・
確かにケンは強い、私も修行に出そうと思ってはいた・・・でも・・・
「なんで、『女神の森』なんだろう・・・」
レイがすごく怒って、あいつに切りかかるのを宥め、行き先をきいたら「女神の森ってとこらしい」というのだ。『女神の森』といえば中央大陸の最奥だ。しかも、守護するモンスターも並ではない。最低でもランク1くらいはないと、入ることすら許されないはずだ。
数日、そんな感じでもめて、アサシン家からの手紙と支度金。それと、『女王』から招待状が届いた時は、本当にびっくりした。
あいつは、一人で行くつもりらしかったが。
「マスターのあたしが行かないでどうすんのよ!!」、と言うと・・・
「・・・これも修行だな・・・」と言って、渋々ながら(当然だっての!!)一緒に行くことを認めた。
「一緒に行くことはできませんが。無事の御帰りをお待ちしています」とレイに言われ・・・
「おみやげ!忘れないでよ!!」とカラーに言われ・・・
ケンは二人からすごい勢いで説教と文句を言われて、タジタジだった・・・
・・・二人とも、元気かな・・・出発して4日目、今日中に中央大陸の首都「プレセント」に到着する予定だ。
ケンは出発してからずっと、難しい顔をしながら、ブツブツ何かつぶやいていた。(すごく気味が悪い)
4日間ずっとだ・・・「病気ね」・・・『女王』の手紙にはいったい何が書かれていたのか・・・
私たちの言語ではない。手紙は、私たちの知らない言葉で綴られていた。カラーさえ読めなかったらしく、ケンは、とても驚きながら読んでいた。
「何が書いてあったのかな・・・」
ケンは、内容を話そうとせず。「秘密なんだ」の一点張りだった。
・・・あたしにも話せないこと・・・
その事がすごく寂しく感じたのは、マスターとしての責任感から来るもの・・・そう・・・自分に言い聞かせた…
「港に着くぞーー!!下船準備ーー!!」
その声に ハッ として、いそいそと準備しているところに、ケンが戻ってきた。
「おりるぞ。準備できたか?」その物言いにカチンときて「出来てるわよ!!」と言い返す。
・・・世界にきて3か月しかたってないのに・・・マスターは私なのに!!・・
そう思わずにはいられなかった・・・
港町に到着してすぐに、ギルドへ向かう。周辺地図を手にれるのと、『女王の城』への行き方を教えてもらう為だ。
「人が多い街だな」そう言いながら、あたりを見回すケン。
「中央大陸にはここと、あと二つしか町がない上に、女神さまが住んでるところだから、人がいっぱい来るのよ」
そう教えると「へえぇ」と関心しながら、あたしの後についてくる。
「どこにいくんだ?」と言うので「ギルドで情報収集」と応え、先を急ぐ。
ギルドに着くと、受付にいた女の人に地図がほしい事と、『女王の城』への行き方を聞く。
「えーと、地図ですね。わかりました。少しお待ちください。城へはその地図を使ってお教えします」
そう言われしばし待つ・・・
「お待たせいたしました。こちらが地図になります」
地図を手渡され、城への道を聞く。
「城へは観光ですか?」そう聞かれたので、「修行です」と答える。
ギルドの職員さんは、すごく驚いて「修行・・ですか?・・・城に?」と聞いてきた。
「いえ、森のほうです」そう返すと、さらに驚いたようで・・・
「森って『女神さまの森』ですか?」
と聞くので、頑張って笑顔を作り「そうです」と答える。・・・すると・・
「もしや、ケン様とコニー様でらっしゃいますか?」と聞かれたので・・「はい」と返す。
「ああ、お待ちしておりました。」と言われた・・・
あたしが怪訝そうにしていると、職員さんは「ささ、こちらへ」と、言いながら奥の部屋に案内されてしまった。
「どういうことですか?」そう聞くと職員は・・・
『女王』様から連れてきてほしい、と言われている。ついては、城まで自分たちが連れていくから、少し待っててほしい。というようなことを言われた。・・・何この待遇・・・
「いいんじゃね。連れて行ってもらおうよ」・・・と、ケン。
是非に!と職員さんが頭を下げてくるので、仕方なくお願いすることにした。
しばらくすると、用意ができた、と言われたので表に出ると・・・
・・・豪華な竜車が用意されていた・・・
「なんだこれ・・・竜?」
「・・・そうよ、地竜・・・高いわよこれ・・」
・・・地竜・・・
竜種のなかでも比較的おとなしいモンスター。大会などで戦闘をこなし、引退後は竜車(馬車の竜版)等に利用されることが多い。土系の技を主に使い、強いものになると大地震なども使うようになる。
馬車の中でも、これでもか。と接待され。『女王の城下町』についた時には、泊まる宿まで用意されていた。
・・・なんなのだろうか・・・この待遇・・絶対おかしい・・・
自慢じゃないが、私はランク8だ。(ほんとに自慢じゃない)
当然、功績もないし、こんな事はありえない。・・・しかし・・
「ふう、いい旅だな!」・・・上機嫌のアホが一人・・・
「明日の朝、お迎えにまいります」 職員さんはそう言って、去って行った・・・
・・・事情を聞くの忘れた・・・・
・・・行かなければならない・・・必ず・・・
あの日。買い物から帰って、コニー達に、修行にいく旨を伝えると・・・当然のようにみんなが怒った。
まあ、予想できていたことなので、必至で頭を下げ「仕方なかった」を強調した。
その甲斐あってか、なんとか納得してもらい、旅の準備をしているところに・・・あの手紙が来た。
日本語で書かれたそれは、俺にしか読むことができない。つまり、完全に俺宛だ。
内容は、女王から・・・『女神の森』へ進入を許可する事。女王の城まで来てほしい事。そして・・・
・・・元の世界への帰還方法について話がある・・・ということだった。
俺が異世界から来たことは、コニー以外、誰も知らないはずだ。それなのに・・・なぜ・・・
俺は、『女王』不信を覚え、できればコニーには来てほしくなかった。だが、強情な彼女を深淵の姫とするには、いささか俺の胆力が足りなかったようだ。
仕方なく連れて行くことにしたが、俺は自分が、この世界の常識にものすごく疎いことを、彼女に世話してもらいながら、自覚したのだった。
彼女のおかげで・・・なんとか、中央大陸の港町につき。ギルドで話をしていると、職員のお姉さん(Dくらいあるな)が、連れて行ってくれると言う。
これ幸いと、お願いして。竜車?にのって移動することに。なかなかの速度で、俺は、お姉さんの『揺れ』を楽しみながら、町まで移動した。
さすが中央大陸の首都、すごい人の数が町にあふれていた。
人ごみが好きじゃない俺は、さっさと宿に入り明日の準備をした後・・寝た。
夢にお姉さんが出てきたので・・俺は・・・股に(以下削除されました)
・・次の日・・・
お姉さんと会った時、一方的に気まずい思いをし、城まで案内してもらう。
・・・すごいでかい城についた・・・どのくらいでかいというと、西部ドー○くらいのでかさだ。(イマイチわからんか)
門前でお姉さんと別れ、城に入る。門で招待状を見せ、案内してもらう・・・見た限りでは、城にいるのは、全てモンスターのようだった。
すごく広い部屋に通されて、膝をついて待つように言われる。コニーは、なぜか女王に会うことが許されないようで、別室で待機だ。
しばらく待つと・・・・
ドルルルルル・・・・
ドラムロールが流れ出し、カーテンの奥に人影が映る。
その人影が手を挙げると、全ての音が停止し、椅子に座るしぐさを見せた。
「楽になさい」そう言われ、膝立ちから、立って力を抜く。
「今日は遠いところをわざわざ、ごくろうさまでした」
「いえ、・・・」そう言ってカーテンの奥を盗み見る。
「気になりますか?」そう言いながらカーテンをつまんで見せた。
「・・・はい」正直に答える。
少し笑い声が聞こえ「いいでしょう」そう言われた。そして・・
「人払いを・・・ケンさん以外は全て出てお行きなさい」
そう言った後、全てのモンスターが部屋から出て行った。
「やっと楽になるわ~・・・」なんだかゆるい声が聞こえた。
「あ、ケンちゃんごめんね。すぐそっちいくから」・・・すげえフレンドリーだ・・・
そう言いながら、カーテンの奥から出てきたのは・・・
・・・なんと俺の(実の)姉ちゃんだった・・・
・・・は?ありえん・・・・
あとがきです。
急展開!ねえさん登場!いやー・・・収拾できんのかな・・
色々書いていたら、後編が2つになってしまいそうです。
できるなら、一本にしたいですが・・・
さて次回!ついに会った女王。その正体はお姉ちゃんだった!
・・・てことは、女神さまは・・母さん?・・・
そんなことは絶対ないので安心してお読みください
・・・次回!もんすたーにっき「女神?なにそれ?感動巨編(後編1)」に・・・ちぇっけらー!