俺のターン?なにそれ?姉のターン?
・・・世界・・ねぇ・・
「で、ケンちゃんさっきの話に続きなんだけど・・・」
姉さんに連れてこられ、俺は今闘技場の一室にいた。
「話?なんだっけ?」
「えっとね、たいしたことじゃないのよ。彼方が治す事になってる『歪み』の事なの」
「話そうにも、俺はまだその件には何にもしてないよ?」
「そうなの?」
「ああ、その『歪み』ってのが何なのかすら分かってないんだけど」
「あー。そうなの」
「だから、詳しいことはリーベちゃんに聞いたほうがいいと思うよ」
そう言うと姉は・・・
「なるほど・・じゃあ、そうしましょ」
そう言って・・・俺の背中に手を伸ばす・・・すると・・
「うひゃぁぁ」・・・リーベちゃんが収穫れた。
「なにすんねん!びっくりするやろが!」
・・・いやいや。そう言う問題じゃないと思うが・・・
「こんにちは。リーベちゃん。ちょっと聞きたいことが有るんデスケド」
「にゃ・・なんや」 少し震えながら答えるリーベちゃん。
「『歪み』のことなんだけどね」 姉さんがそう言うと・・・
「なんや・・・そんなことかいな」 あからさまにホッとしたように答える。
「そんな事・・なの?」 姉さんが、少し不思議そうに言う。
「ウチがここにおるんは、ダーリンに『歪み』について教える為や。せやから、ウチが説明するんは当然っちゅうわけや。ウチから言わすと・・なんで今まで聞けへんねん・・てなもんや」
二人で俺を見ている・・俺は後ろを振り返ってみた。・・なんにもないよ?・・
「で?何が聞きたいんや」 何事も無かった様に話すりーべちゃん。
「えっとね。全部かな?あなたが知ってる『歪み』についての全てを教えて」
「よっしゃ!ウチの存在を全肯定やな!まかしとき!」
「お願いね」
・・・『歪み』は、最近になって世界の各地に現れ始めたもんでな。最初は、小さい物ばかりやったから潰すのも楽やってん。しかしな、しばらくするとドンドン増え始めてな。手に負えなくなってきたんや。
数が急速に増え始めてな、小さい歪み同士が結合を始めたときは吃驚したもんや。でもな、大きいことはいい事やで。その大きいのを潰せば一気に消えよる。それに、大きい歪みは、ウチらみたいに強くないと対処でけへん。
せやから、ダーリンには小さい歪みをどうにかしてほしいんや。あれがどうして生まれるのか、どうやって増えるのか等々。原因の方の追究をお願いしたいんや・・・
「なるほど・・・」
姉さんはそこまで聞くと、少し考えたように・・・
「神樹に聞けば、何か分かるかもしれないわね」そう言ってリーベちゃんにいくつか質問する。
「姿形は、どういうものなの?」
「決まってへん。なっちゃんも見ればわかるで、どこがどう・・というふうじゃあらへんねん。ただ『おかしい』んや。生物でもない、かといって無機物とも違う。『この世界の法則』に逆らっとる存在や」
「なるほど、私じゃなくても判断できるの?」
「せやな・・・ダーリンも見れば分かるかもしれへん」
「へ?そうなの?」 俺は少し驚きながら聞き返す。
「せや。だからダーリンにお願いしたんよ。他の神王だと、神樹くらいしか判断でけへん。それくらい些細な違いなんよ」
「けど、『違う』んでしょ?」
「そうや。決定的に違う。本体の女神は言わへんけど・・・この世界にあってはいかんものや」
「・・・なるほど」
そこまで話を聞いた姉さんは・・
「神樹の所に行って来るわ」 そう言って部屋を出ようとする・・・
「待ちや!なっちゃん」
「?な~に?まさか、止めろ・・とか言わないわよね」
「ちゃうちゃう。『あそこ』に行く気なんか?」 真剣な顔で聞くリーベちゃん・・・
「・・・そ・・そうだったわね・・・今の時期は・・・」 少し青ざめた姉さん・・
「せや。少し待った方がええ。せめて明後日まで待ってから行動した方が・・・なっちゃんの為や」
「そうね・・・そうするわ」
どうしたのか、あの姉さんが足を鈍らせるほどとは・・・
「何があるの?その・・神樹の所に・・」 好奇心で聞いてみる・・
「・・・あれは・・・一言で言うなら『好奇心の地獄』ね。死地と言い換えてもいいわ。あたしは一度で十分だった」
「せやな。ウチも世界を見続けとるが、あそこほど乖離した所は・・・他に思いつかへん」
・・・なんだか怖そうなところだ・・・
「というわけで、明日のケンちゃんの試合・・・楽しみにしてるわね!」
「えーー・・」 思わず低い声が出た。
「ところで、リーベちゃん」
「なんや?」
「今の会話・・・女神様には内緒ね」
「なんでや?ウチにも、報告の義務いうんがあるんやけど・・」
「そうね~。『世界の危機』だからかな?」
「???。それやったら、尚のこと報告せんとあかんちゃうん?」
「まーまー。欲しがってたゲームあげるから!」
「okや!黙っとくで!・・・ウチはなんも話してへん!」
「ありがと~」
そんなやり取りをしている『女王』と『女神代理』・・・
俺はそんな二人を、肩をすくめて見ていた・・・
あとがきです。
少ししたらカラーの里帰りの様子を書こうと思います。しばしお待ちを・・・
次回予告!ついに試合をする事になったケン。「帰ったら俺・・結婚するんだ」
そんな死亡フラグを無理やり立てるが・・・
次回もんすたーにっき「相手?なにそれ?にいづまですか?」・・・クリック?クラック!
・・・ウソ予告~♪