敗者?なにそれ?負債の事?
もう題名無視ですね。以降はタイトル予告は控えます。
・・・覚悟はしておかなくちゃ・・・
「いやー、楽しみだな~」のんびり言うケン。
昨日急遽、試合をする事になったと言うのに・・のんきなものだ。
「あんた、準備とかしなくていいの?」
いつもと何も変わることなく、行動するケン。誰だって一言いいたくなるだろう・・・だというのに・・。
「ん?明日試合だってのに、今更準備もないもんだ」
「せやね~。ダーリンの場合、特になんもあらへんよね」
「明日死ぬかもしれない!・・って言えば、レイさんが夜のお相手とかしてくれないかな?・・」
「ダーリン!ウチがしたるで♪」
「・・・あ~・・・じょ、冗談だよ」
「え~・・・」
・・・なんなのだろう・・心配するほうが悪いの?・・・
「どした?コニー」
「ふむ・・・あれやな!今日は、あのひ・・・」
ドゴッ!ひゅ~ん・・・ドサ・・・
「黙ってて・・・」
「ヒッ!・・・」ガタガタgt・・・「・・・あの・・コニーさん?」
「・・・行くわよ・・・」「はい!」
そう言いながら、闘技場を目指すのだった・・・
「そう言えば、レイさんとカラーちゃんは?」
「二人なら妖精の里(同人誌即売会)に行ったわよ」
「・・まじ?・・カラーちゃんの趣味全開の本が、多数並んでそうだね」
「・・・そうね・・。レイ・・大丈夫かな・・」
妖精たちに囲まれてうろたえるレイ。そして、それが本にされていく姿が容易に想像できる・・・。
「恐ろしい・・・」
「そう・・・ね・・」
「????」
理解してないリーベをほっといて(いつの間に戻った?)レイの冥福を祈った私達。
そうこうしている間に、闘技場に到着。
「今日も面白い試合が見れるといいな・・・」
「そうね。戦い方とか、勉強になるし」
「せやな。もっと色々見たほうがええしな」
そう言いながら、闘技場の観覧席に到着する・・と。
「あ~!いたいた」
「女王様!お待ちください!」
騒がしい声が聞こえてきた・・。
「ケンちゃ~ん!会いたかったわ!」
「待って・・って言ってるでしょうが~」
声のする方を見ると、予想通りの二人がそこにいた・・つまり、女王とネムルさんだ。
「こんにちは女王、ネムルさん。挨拶回りは終わったんですね」
「いやいや。女王様が『終わりにする!』と言い出しまして。仕方なく・・」
「だってつまんないんだもの!」
「姉さん・・・」
「ま、しゃーないな」
・・・ん~。この人はケンの姉だからなぁ・・ま、当然か。
「ところで、ケンちゃん。聞きたいことがあるんだけど・・・」
「ん?なに?」
「あのね・・・・」
そこまで言ったところで・・・
「お待たせしました!!『大陸間対抗戦』三日目。第三回戦『北 対 南』を行います!」
ワーーーー!
と、アナウンスが入る。
「あ~。また後でね」
「ああ、ごめんね姉さん」
「いいのよ。それより試合を見ましょ」
・・・なんだろう・・・・この時は、それでお終いだった。
第一試合『スライム 対 グジラ』
「ぷるぷるぷる」と、ふるえるスライムに対し・・・
ズシーン!ズシーン!と歩いてくるグジラ。グジラは、見たまんまクジラだ。とても大きく、それが二足歩行している。水のように透き通った体をしており、水中では擬態しているのだろう事が分かる。
カーン!試合開始の音が鳴る。
すーー。と、スライムが息を吸い込み・・・ゴーーーー!! と、炎を吐き出す・・・しかし・・
ザパーーーン! と、グジラがすでに津波を放っており、炎とともにスライムを押し流す。
「ぷるーーーーーっ」
流されたスライムは抵抗らしい抵抗もなく、闘技場の端に押し流された。
「ぷ~る~」 と、目を回しているスライム・・そこへ・・
ゴゴゴゴゴ・・・・とグジラが前転をしながら転がってくる。
ぷちっ と、音がしたような気がした。
平らになったスライムは、立ち上がることなく・・・グジラは悠々と、その勝利を唱えていた。
『タマゴキャリー 対 カロン』
タマゴキャリーは、卵を背負ったカバだ。二足歩行しているカバが、卵を背負う・・シュールだ。前回の戦いでは特に見せ場もなく、瞬殺されていた。
カロンは杖を持っているのだが、ローブを被っていて体はよくわからない。前回は、主に魔法を使って相手を倒した。
カーン!開始の音が鳴る。
いきなりタマゴキャリーが、背中のタマゴを割りだした。
「ああ、始めおったわ」
「なにあれ?いいの?
「いいんや。おもろいもんが観れんで」
ガシガシわっていくと・・・段々と、カバの体が薄くなっていく・・・そして・・・
「な・・・なにあれ・・」
完全に姿が見えなくなると、別のモンスターが姿を現した・・・
「あれが『タマゴわり』や。ああやって、ランダムで別のモンスターになる技でな。あいつの唯一の技で、運がよければめちゃくちゃ強くなる」
「今回は?あれは強いの?」
「ああ・・・あれにはカロンじゃ相手にならへんやろ・・・『ハデス』になっとる」
そう、さっきまでカバだったのに・・今はとてつもなく大きなガイコツのモンスターになっていた。
そのモンスターが、カロンを睨む・・・
「ヒィ・・・」明らかにビビッていた。
ハデスになったカバは、おもむろに手に持つ杖を掲げ・・・振り下ろした。
ビカ!ゴゴゴーン!
いきなり、ものすごい雷がカロンに落ちた。
「ギャーーー!」 叫ぶカロン。続けざまに何発も落ちる雷。
カロンが黒焦げになったのを見届けると・・・
プシュー・・と、空気が抜ける音がして・・・気が付くと、元のカバに戻っていた。
「変なモンスターもいるのね」
「せや。ああいう、運任せのモンスターも多数いるんや。弱いおもてなめとったら、死ぬこともあるんや。注意しいや、ダーリン」
「へいへい」
見た目では測れない強さ・・か・・注意しないと・・・
『イシュタル 対 レヴィアタン』
イシュタルは・・・
「うおおお!!前!前にいかねーと!」
駆け出そうとするケンを、リーベと引っ叩いて座らせる。
「座ってなさい!」「ダーリン!」
会場の男性の何名かは、前でしっかり見ようと移動している。
そう・・・イシュタルは、全裸の女性だった。
正確には、全裸の女性が真っ赤な獣に跨っている。その獣は、7つの頭と10本の角を生やしており、いずれも凶悪そうだ。
対するレヴィアタンは・・・すでに出現しており、じっとイシュタルを睨んでいる。
「イシュタルか・・・嫌な奴が相手だな」
「おお!レヴィアタン。命乞いかえ?今なら許そうぞ。我に勝てるのは、オリュンポスの連中くらいだからの」
「・・・」
カーン! 開始音が鳴る・・が・・
両者とも動かない。
「・・・どうした・・『イシュタル(勝利の女神)』の名が泣くぞ」
「ハハッ。うるさいヘビじゃのぅ。さっさとかかって来るがよい。遊んでやるぞぇ」
しかし・・・動かない・・・両者見合ったままだ・・
「どうして動かないの?」
「動けないんよ。イシュタルはカウンター攻撃が得意でな、レヴィアタンは隙の大きい技が多い。せやから、チャンスを狙っとるんや」
そうして、しばらく待っていると・・・
ザーーーー!ザパーン!
レヴィアタンがいきなり、津波を仕掛けた!
「ようやく動いたかえ」 そう言いながら、のんびり構えるイシュタル。
津波がイシュタルに届いた・・・瞬間・・・
ヒュッ! っとレヴィアタンの後ろに移動した・・そして・・
ガーーー! 獣が咆哮とともに、角を刺す!
ブシュ! と、音がしてレヴィアタンの首から血が出てくる・・・
「なんじゃ、あっけないのぅ」
覚めた目でレヴィアタンを見るイシュタル。
「つまらん。興ざめじゃ」
そう言って、角を引き抜き立ち去ろうとする・・・そこに・・
「では、面白い物を見せよう」 そう・・声が掛かる。
驚いて振り返るイシュタル・・・しかし・・
・・・ヒューーン・・・
その姿は、イシュタルが反転しきることなく・・・真っ黒な穴に消えた・・・
「驕れる者は、なんとやら・・だ・・」
そう言って自身も水に帰っていった・・・
「なに?いまの?どういうこと?」
「まー落ち着き。今のはな・・・まず、イシュタルが『自壊の角』でレヴィアタンを刺したんや。『自壊の角』は文字通り、刺された者を自壊させる効果がある角でな、余程の事がないと防ぐことがでけへんのや」
「ふんふん。それで」
「で、どうやってかレヴィアタンはそれを防いで『次元の穴』にイシュタルを放り込んだんや」
「『次元の穴』?」
「せや。まあ『次元の穴』言うても、この世界のどっかに強制的に転移させるだけやけどな。まあ行ったら、よほど運が良くないと一両日中には帰ってこれへんけどな」
「なるほど・・」
「イシュタルのカウンター攻撃は、『攻撃反転』もあるからなー。あれが一番かもしれんな~」
「第三回戦・・・勝者『西の大陸』!!」
決着が付き、私達は帰ることにした・・・そこに・・
「ケンちゃ~ん。お姉ちゃんとお話しようよ~」
「・・・ああ・・」
げんなりしたように歩くケン。
それを見送り、私は帰途についた・・・
あとがきです。
いつも読んでくださりありがとうございます。次回は二日後くらいになると思います。少々お待ちを・・・
次回予告!姉に呼ばれて付いていくケン。「あんたそろそろ童貞卒業したいでしょ?相手を用意したわ!」喜ぶケン。しかし、そこには恐ろしい罠が・・・
次回!もんすたーにっき「俺のターン?なにそれ?つまり姉のターン?」・・いい夢みろよ!