決闘?なにそれ?井戸端会議?
最近、タイトルと内容が合ってこなくなりました。
・・・モンスター調教師になって数ヶ月、こんなところに来れるなんて思わなかった・・・
ワーーーッ!
「只今より!今年度『大陸間対抗戦』を開催します!」
ワーーーーッ!!
アナウンスが流れ、会場は一気に熱を帯びていく。
私も補欠とはいえ、出場モンスターのマスターだ。気合も入ろうと言うもの・・・
「レイ姉おなかすいた~」
「これをどうぞ」
「ワーイ!ありがとう!!モグモグ・・」
「私も出たかったですが・・仕方ありませんね・・」
「ヒヒン」
「ありがとう、とうもろこし。しかし、慰めは不要です!勝った者を倒せば同じこと!辻斬り上等です!」
「ダーリン出番はないんか?」
「今のところ無いな。まぁ、さすがにココまで来て体調不良で欠場なんてやつはいないだろ」
「ま、せやな」
「最初は、北対南だし・・お手並み拝見だな」
・・・こいつら・・・まぁ、仕方ないか・・
「そろそろ始まるな・・」
「せやね、今回はどんなんが出るんか楽しみやわ」
「それでは、第一回戦『北の大陸 対 南の大陸』を始めます。
第一戦・・・ランク8『スライム 対 ベヘモス』を始めます。
・・・へ?・・なにそれ・・
見ると、巨大な獣が涎を垂らしながら目の前のスライムを見ていた・・・
グゥゥーグフゥゥー
恐ろしい程の息・・見ているだけで泣きたくなるモンスターだった・・・
「あ・・あれでランク8なの?おかしくない?」
「あれは、わざとランクを上げてないんやね。どうせ後で昇格できるんやし、ここで勝っといて後で上げる気なんや」
・・なんて卑怯な・・・
「まあ、うちらも人のこと言えんけどな・・」
そう言ってリーベは、ケンを見る。
「へ?なに?」
「なんでもあらへん」
そう言って私とリーベは闘技場の方を向いた。
「ぷるるる!」
「ガァァァァーーーー!!」
・・違いすぎる差・・・勝負にならないでしょ・・これ・・
スライムが、ベヘモスを叩く・・・が・・
プルン・・プルン・・
毛ほどもダメージ与えてないように見える・・・
のんびりそれを見るベヘモス。ゆっくり足を振り上げ・・・ズシーーン!!・・・振り下ろした。
ぷち・・・そんな音が聞こえた気がした。
フン!と鼻息荒く、勝利を確信するベヘモス。
「勝者!南の・・・」
そうアナウンスが流れようとしたその時・・・
ゴオオオオーーーー!!
何かが放出される音がした!・・見ると・・
スライムが、ものすごい火炎を吐き出していた・・・
グオオオオオオォォォーーー!!!
のた打ち回るベヘモス・・・
ゴォォォォーーー!!
なおも吐き出される火炎・・気が付くと・・丸焼きにされたベヘモスがそこにあった・・・
静まり返る会場・・・
「しょ、勝者『北の大陸』!!」
アナウンスがそう言うと同時に・・
ウオオオオォォォーーー!!
すごい歓声が闘技場を包んだ・・・
「すごかったね、今の・・」
「せやな・・・スライムには『ヘルファイアー』と『瞑想』があったの忘れとったわ」
「『瞑想』?」
「せや、簡単に言えば自己修復やね。」
「へー。スライムも侮れないのね」
そんな感じで大会は進んでいった。驚いた戦いだけ記していく。
キンナラ 対 ヴァラク
キンナラは、リーベ曰く『天上の楽師』と言うらしいが、筋骨隆々の男の体に馬の頭をしている。右手に槍を持ち左手に・・・なんと、羽衣を着た天女が乗っていた。あれがたぶん『楽師』なのだろう。その証拠に、太鼓を持っている。
ヴァラクの方は、真っ赤な双頭の龍に龍の羽を生やした少年が乗っていた。
「あちゃー。ヴァラクの負けやな、これは」
「なんで?」
「見てれば分かるで」
そういうリーベ・・・カーン!開始の音が鳴る。
グオォォーー!
ヴァラクの龍が吼える。ゴーーーー!!双頭の龍から、ものすごい炎のブレスがキンナラを襲う!
しかし、キンナラは一歩も動かず・・・ただ焼かれていた。
ゴーーーー! 結構な時間焼かれ続けたキンナラ。
「あー、終わったわ」
リーベがそう言うと同時に・・・ズズン!・・と、音がし・・・
ヴァラクが地面に沈んでいた・・・
キンナラは一歩も動かず、その場に佇んでいた。
「???どういうこと??」私がそう聞くと・・
「あれはな、幻術や」そう言いながらキンナラの方を指差し・・
「あの存在そのものが幻でな、本物は闘技場のどこかにおんねん。そんでな、敵が向こうに攻撃しとる時に・・・ブス!なんや」
「けど、攻撃されたら気が付くでしょ?」
「そこで、あの太鼓や。あの太鼓はな『戦いのドラム』言うてな、対象を狂戦士状態にするんや。そんで、攻撃されても死ぬまで気づかへんっちゅうわけや」
「へー・・」恐ろしいことをするモンスターもいるもんだ・・
バエル 対 ウリュエル
バエルは黒い霧のような泡のような体に、おっさん(インド人)のような頭、カエルの頭、ネコの頭を覗かせている。
ウリュエルはどう見ても天使で、右手に剣を、左手に炎を持っていた。
「なにあれ・・気持ち悪い・・」
「せやな、厄介な奴がでてきたで・・あのバエルっちゅうやつはな・・・」
カーン!リーベの話の途中で試合開始の音がなる。
「とお!」気合と共にウリュエルがバエルに迫り・・斬る!
「うおわ!ゲー!フギャ!」とバエルが鳴いた。
バエルの体が三分の一程斬られ、落ちる。
「あちゃー・・やってもたな」
「へ?」
リーベの声を聞き、私は疑問を覚える。
「みてみー」
私は、闘技場に向き直った・・すると・・・
ボコボコボコ!!!と、切られた部分から・・・小さいバエルが多数生えてきた・・
「うえ」とても気持ちの悪い光景だった。切られた部分からどんどん増えるバエル・・・
「チィ!とあ!!」そう言ってウリュエルは炎でバエルを焼こうとするが・・・
ブハァァァー!! と、紫色の霧を噴出するバエル本体・・
「うぅぅぅぅ・・・」 苦しむウリュエル・・・
「あれは毒と麻痺を合わせた霧やな・・きついで~」
次第に動きが鈍るウリュエル。そこに小さいバエルが殺到する・・・
ガリガリガリバリモシャモシャ・・・
そんな音が聞こえる・・・
「た・・食べてる・・・」
「せや。でもってな、食べた分だけでかくなんねん。しかもまた増殖しよる・・・気持ち悪いやっちゃ」
「倒す方法はあるの?」
「ある。たぶん今、あの天使はやっとる」
しばらく見ていると・・・バン!バン!バン! と、次々バエル達が破裂していく・・・
「ま、当然そうなるわな」そう言うリーベ。
「うおおお!ゲロゲロ!フギャー!」なぜかのたうつバエル本体。
「何?何が起こってるの?」戸惑う私。
しばらくすると・・・ドーン!と、ついにバエル本体も爆発してしまった・・・
ジューーー!と蒸発していくバエル・・・
「あれはな・・『清浄な気』を食べ過ぎたんや」
「『清浄な気』?なにそれ」
「バエルの弱点や。あれは悪魔やねん。せやから、清浄な気に弱いんや。なのに、あんなにバクバク食べて、本体に気を送っとったら・・そら死ぬわ」
見ると、ゆっくりウリュエルが立ち上がり・・勝利をうたっていた。
コロべンド 対 雪男
コロベンドは、三対で一体のモンスターだ。○んご○ん兄弟のようなモンスターで、一体一体が鉛筆みたいだ。
雪男は、見たまんま雪男だ。白い体毛が全身を覆い、大きい。
カーン!開始の音が鳴る・・・
ダーーン!! 大きい音と共に・・なんとコロベンドの一体がすごい勢いで射出されていた・・・
「なにあれ・・」
「見てのとおりや。あれはなコロベンドの技なんや」
「うごぉぉーー!」 雪男がコロベンドを、まともにくらい顔を抑えている。
その間に、コロベンドは「よいしょ!よいしょ!」と声を出しながら、雪男に近づいていく・・そして・・
バチバチバチ!! と、三体で電撃を発生させた。
「うごおおーーー!」雪男の悲痛な声が響く・・・
ブン!ドーーン! 、雪男が腕を一閃させ、コロベンドの一体を叩き潰した。
「ころーーーー!」コロベンド達が潰された一体に近づく・・・
「こ・・こ・・ろ・・」 パタリ
「コローーーーーーーーーー!!」
・・・なんだろう、なんか叫んでる・・・
ひとしきり叫ぶと・・・なぜか潰された一体を担いで、闘技場を出て行くコロベンド。
なんかわからんが、雪男の勝ちのようだった・・・
そんなわけで、まず『北と南』は、『南』が勝利を修めたのだった・・・
・・・やばい人がいる・・・
今日の試合が終わり、会場を出ようとする俺・・・
「すごかったな~。恐ろしいモンスターばっかりだった。補欠一体じゃ、まかなえんだろありゃ・・」
そう言いながら、通路に差し掛かる・・すると・・
「ケンちゃんはっけーん!!」
・・・やな人の声がした・・・
ゆっくり振り向くと・・案の定『姉』がいた。
「やほ!ケンちゃん。応援に来ちゃった♪」
「お久しぶりですな。コニー殿、ケン殿」
後ろに虎人を従えて、俺のもとまで歩いてくる。
俺は頭を抱えつつ、挨拶を返す。
「や、やあ姉さん。久しぶり」
「ほんとよ~。お手紙くらいくれてもいいのに!」
プリプリ怒る姉。
「久しぶりやな、女王。相変わらずや」
「やっほ。リーベちゃん」
「お久しぶりです、女王。」
「あら、コニーちゃん。頑張ってる?」
「おかげさまで。まだまだですが・・」
「あせっちゃダメよ。のんびり二人で強くなりなさい」
そんな会話を聞きつつ、俺は二人を見る・・いつの間に仲良くなったんだ?・・
「明日、ついにケンちゃん達の試合ね」
「まぁ、俺は補欠だけどな」
「そうなの?見たかったのに~」
「まあ、俺なんかが出ても速攻やられるよ」
「そうかしら?」
そんなことを言いながら、闘技場を後にする。
「姉さんは、これからどっか行くの?」
「ええ。これから人間の王に会うの」 虎人がその後を引き継ぐ。
「この国の王ですな。人間は細かい事にうるさいから、注意が必要です」
「そうなのよ。だから、ネムルを連れて来たの」
「そうなのです。この方は作法とかが、まったくの苦手のようでしてな」
・・・ネムルさんかわいそ・・・
「それじゃぁね!対抗戦が終わるまでいるから。また会いましょ」
「ではまた。コニーさんも、またお会いしましょう」
そう言って、二人は去っていった。
宿に戻る俺達。
明日は『東西対決』となる。
「気合入れて応援するぞ!」
「あんたも行くのよ!!」
そんな応酬をするのであった・・・
そんなわけであとがきです。
ようやく、大会始まりました。大会名忘れてました。すいません。
次回投稿は、13日21:00予定です。
次回予告!遂に東西戦!頑張って応援するケン。出番が少なすぎて開催中にあそびにいく始末。「パフパフどっかでできないかな~」
次回!もんすたーにっき「戦車?なにそれ?ネコの事?」・・・クリリンのことかーー!!・・・ちなみに、ア○ギは出てきません。