ピクニックに行こう♪(後編)
本編は9月11日位に出来上がる予定です。
「ピクニックに行きましょう」
・・・それはレイの一言から始まった壮絶なお話・・・
「ぜぇ・・ぜぇ・・・」
「ようやく到着ですね」
「遅いよコニー姉~」
「せや!もっと気張りや!」
・・・ふぅふぅ・・・普通が一人もいない空間は・・キツイ・・
思えば、ケンは意外に常識人だったような気がする。今度からは、少しやさしくしてあげよう・・・
「さて、次はあそこですね」
そう言ってレイが指差す先は・・・谷?だった・・・
「わーすごーい!」
カラーが下を見て驚いている。
「これはすごいなー!下が見えへん」
・・・おかしなことを言われたような・・
「これはすごいですね。・・落した物の音が返ってきません、落ちたら死にますね」「ヒヒン」
アンタらおかしい!!何でそんなに冷静&楽しそうなんだ!!
「ここはですね。普通のジャンプでは届かない危険があります。向こう岸を見てください」
遥か彼方に『向こう岸』が、かろうじて見える・・気がする。
「あー・・・これは届かないかもね~」のんびりと言うカラー。
「せやな~。ちとキツイかもしれへん」おなじくのんびりとリーベ。
「とうもろこし、行けそう?」「ヒヒン♪(訳:余裕っす)」
「ですので、あの位置にロープを下げておきました」
・・・見ると確かに、かなり先のほうにロープが見える・・・切れそうなやつが・・・
例によって・・・
「おさき~♪」
「先いくで~」
そう言って、飛行コンビが飛んでいく。
「さ、久しぶりに天を掛けようか!」「ヒヒン!」
そう言うエルフと馬は、助走もなしに・・・ジャンプした!・・・
遥か彼方まで飛び上がり、問題なく向こう側に着地していた・・・
・・・ぶ・・物理法則・・無視・・・イカロ○辺りが見たら卒倒しそうな光景だ。
「さあ、お嬢様。ここは私にお掴まりください」
「ええええ!・・大丈夫?」
「はい、問題ありません。ロープまで飛べば、すぐですから」
そう言って笑顔を見せるメイドさん。
「・・・・・・・・・・・・お願いします」
レイにギュっと掴まる!
「では・・いきますよ!」
そう言うレイは・・・助走なしでロープまで飛んだ!!
落下しながらロープに手を伸ばす!掴んだ!!
ブチッ!
!!!!!!・・・ああ、オワタ・・・
そんな私の目の前で、冷静に別の手でさらに上を掴むレイ。
ギュン!・・・スタ。
難なく向こう側到着・・・・死んだと思った。
「ふう、危なかったですね」
「・・・・そう・・ね」
顔面蒼白の私・・・これ・・ピクニックよね・・・
「今回は早かったね~」
「せやな!やればできるやん!」
笑いあう二人・・・帰りたい・・・
「さて次ですが・・」
まだあんの!おかしいよ!帰りたいよ!
「あの『沢』を登ります」
そう指差すレイ・・沢?どこにあんの?崖じゃん。
「おーあれはきつそうな『沢』だねぇ」
「せやな、あんなに表面がピカピカやときついかもしれへん」
「あれくらいなら大丈夫だよね」「ヒヒン」
・・・『沢』?崖の間違いでしょ・・・
私の目の前には水が滴り落ちる崖があった。角度は・・まず左手を真上に、右手を真横にして、その中間まで右手を上げる。そして、さらにその「右手と左手の中間まで右手を寄せよう!
そうして左手を下ろせば・・・目の前の角度が体験できるよ♪
・・・無理・・・
「さ、渡りましょうか・・・」
登ろうの間違いだって!!!
「おっさき~」
「さきいくな~」
「では行きますね」「ヒヒン」パカラパカラ
「さ、お嬢様お手を・・・」
そう言われ手を差し出す・・・
「さあ、歩きましょう」
そう言われて歩き出すが・・・ものすごく滑る・・・
「お嬢様。運動不足ですよ」
そう窘められるが・・・人には不可能だと思うよ・・・
息も絶え絶えに、何度も転びながら何とか渡りきる。
「山頂まだ~?」
「もうすぐと違うか?」
そう言う二人にレイが・・
「もうすぐですよ。次の場所を越えれば、山頂です」
ああ・・・ようやく山頂デスネ・・・
「最後はあの場所を通過します」
そう言って指差した場所は・・・
「・・・・本当にあんなとこ通るの?」
「はい」
溶岩が流れる川があり、その近くに・・・龍達が巣を作っている・・・
「この『龍の巣』を渡れば山頂になります」
ハイ!龍の巣入りました!そのままですね。
「・・・本気でココを通るの?」
つい、そう尋ねてしまう・・・
「ハイ、今からだとココを以外に山頂を目指せるルートがありません」
ですよね~・・・
「コニー姉、大丈夫だってば!いざとなってもレイ姉が守ってくれるよ!」
「せやで!ここは漢を見せるときや!!」
「とうもろこし、逃げる時はお願いね」「ヒヒン」
「さあ!さっさと通ってしまいましょう。溶岩に気をつけて、龍達は何もしなければ襲ってはきませんよ」
レイがそう言うと・・・
「ハーイ!」
「さっさと行ってしまおう」
飛行チームが、本当にさっさと行く。
「行こう」「ヒヒン」
エルフと馬もそれに続いた。
「さあ、私たちも行きましょう。ここは比較的安全な場所ですので、大丈夫ですよ」
・・・どこと比較したのだろうか・・・
そんなわけでさっさと渡る。
歩いている最中、特に龍達が何かしてくることはなく、こちらを気に留めることもなかった。
向こうからしてみれば、小さい物の存在なんてどうでもいいのかもしれない。
・・・しかし途中、龍の卵の傍でカラーが寝ようとしているのには、正直ビビッてしまった・・・
そんなこんなで無事通過し、ついに山頂にたどり着いた。
「ふぅ・・ようやく着いたね!」
「せやな・・・ピクニックって感じやったし、十分楽しめたわ」
・・・この子達は・・大物なのだろう。私とは感覚が違う・・・
「楽しかったですね、とうもろこし」「ヒヒン」
山頂から下を見つつ腰を下ろす。
「ふぅ~。疲れた・・・」
ようやく息がつけた。
「少し遅くなりましたが、お昼にしましょう」
レイがそう言うと、みんな大喜びで座りレイのお弁当を囲んだ。
・・・チチチ・・・鳥が飛んでいる・・・のどかだ・・
「たまには、こういうのもいいね」
「はい。私もカラーに言われるまでは、気づくことができなかったものです」
「えへん!あたし偉いんだよ!」
色々あったが、この景色とみんながいればそれが全てなのではないか・・・そう思った午後のひと時だった・・・
レイが・・・さあ帰りましょう・・・と言うまでは・・・
あとがきです
いかがだったでしょうか。
本当はみんなの自己紹介話の予定でしたが、いつの間にかこんな話になっていました。ごめんなさい。次は、本編です。いま少しおまちください・・・