ピクニックに行こう♪(前編)
番外です。
短くして二回に分けました。
「ピクニックに行きましょう」
・・・それはレイの一言から始まった壮絶なお話・・・
「やっほー!待ってました!レイ姉!!」
カラーがすぐに同調した。
「いいわね。たまにはみんなで行きましょうか」
私も同意し、最近ウチに来たバルゴーさんも誘ってみんなで行く事にする。
「オイオイ、俺も行くよ」
「いいわよ来なくて」
「ひでぇ・・」
「あのー、私いてもいいんですか?」
「いいの!親睦を深める為にきてもらわなきゃ!」
「ブヒヒン」
「とうもろこしもね!」
「ヒヒーン」
「ならウチも行ってええんか?」
「うん!リーベももちろん来てね」
「よっしゃ!ダーリンすまへんな」
「ううぅぅ・・・」
そんなわけでお出かけ用意!
ケンはお留守番。女所帯でいきましょう!
「で?レイ。どこまでいくの?」まずは目的地だ。
「裏山に行こうかと・・・」
「え”・・・」
私の家の裏手には『霊峰』と呼んでもおかしくない程の山がある。標高1752m、山頂は『神龍の鞍』と呼ばれ、長細い鞍のような形をしている。
「えー・・っと、何合目まで?」一応聞いてみる。
「山頂です♪」・・・当然か・・・
「おお!あの山を登るのですか!すばらしい。きっと良いものがみつかるでしょう!」「ヒヒン♪」
・・・良いものってなによ・・・
「わーい。登山登山~♪」
・・・突っ込み役不在!!!・・・
「おお、神龍の別荘に行くんか。楽しみやなぁ」
「あー・・そんな甘いもんじゃないと思うけど・・」
私のつぶやきはサラッと流され・・・
「では準備しますね。すぐ出来ますので皆さんも準備してきてください」
「え”え”え”!!今から行くの?!!」
私の声は華麗に無視され・・
「ハーイ!!」
「ハッ!了解です」「ヒヒン」
「了解や!」
みんな素直に準備に行く・・・
ポンッ 肩が叩かれた・・・グッ!っとケンが、ものすごい笑顔でサムズアップしていた・・・
ガス!ドガ!ゴキ!
とりあえず殴り、私も準備することにした・・・生きて帰れますように・・・
・・数分後・・
「やー!いい天気やね!散歩日和や!!」
「そうですね。のんびり行きましょう」
「はーい!」
「はい。了解です」「ヒヒン」
「はぁ・・・」
誰がどれを言っているかお分かりいただけると思う。
「さて・・・行く前に諸注意です。ここからは、皆でいけるよう助け合いが必要です。隣の人と支えあって山頂を目指しましょう!なお・・・通常ルートは時間が掛かり過ぎる為、裏道を行きます」
「え”え”え”!!あそこを行くの?!!」
何度目になるか・・・私の悲鳴です。
「はい。大丈夫ですよ、お嬢様は私が支えます」
「裏道ですか・・楽しそうですね」「ヒヒン♪」
「せやな、いい響きや」
「うらみちうらみち~♪」 ・・
裏道・・・とは名ばかりの・・・絶壁である。100m程、切り立った崖がそびえるこのルート・・・最初の絶壁だ。
「足場は・・あそことあそこですかね」
そう言うレイ・・100mで足場が・・・二箇所・・・無理無理・・・
「ふむ、十分ですね。行くよ、とうもろこし」「ヒヒン!」
「んじゃ、私は先に飛んでるね~」
「うちもそうするわ」
そう言って妖精と女神は飛び、エルフと馬は軽々と登っていった・・・
「さ、お嬢様。私がお助けします、まずはここに足を掛けてください」
「ええ!オブって行ってくれないの?」
「当然です。日ごろの運動不足を解消なさってください」
・・いやいや、運動とかあんまり関係ないし・・・物理法則守ろうよ・・
「ね~まだ~」
「せや。はよして~な~」
すでに上に到着した妖精と女神が私を呼んでいる。そして・・・
「さあ、行きましょうか」
笑顔で促す・・・メイドさんが隣にいた・・・
あとがきです
せこい私は、短くして二回に分けて掲載する事にしました。
先に言いますが、この番外、オチはありません。あしからず。
後編は9月8日です。