森?なにそれ?かんじゅーす?
今週最後の投稿です。次回は九月11日位の予定です
・・・不安だわ。激しく不安・・・
「ついたー!!」
そう叫ぶカラーを見つつ、私も船から降りる。
「ようやく着きましたね」
そう言うレイに頷きつつ、繁華街のほうに歩き出す。
先日、タイジュのおじさんから船の旅券と今回の旅費を受け取り、こうして5日掛けて南の大陸にやってきた私たち。
「ようやくついたな」
ケンも、伸びをしつつ歩く。
「けど、本当に大丈夫かな・・・」
「大丈夫です、しっかりと言い含めましたから。それに、定期的にアサシンの家の方が見に来てくださるそうですし・・・」
「そう・・かなぁ・・」
今回、バルゴーさんを留守番にして私たちは旅に出たわけだけど・・・ものすごく不安だった・・
「ま、なるようになる・・・だろ。心配しても出てきちまったんだから、今は忘れろ」
ケンがのんびりと答える。
「う~ん。そうね、今は考えてもしょうがないもんね」
そう言って、なんとか忘れるように勤める。
「みんな~!あっちにお菓子屋さんがある~。行こうよ~~」
カラーが、私達を呼んでる。
「あんまり遠くに行かないで~!今行くから~」
そう返しながら、私達はカラーの後を追うのだった。
南の大陸の北。港町『ズー』
森の大陸と言われている所だが、森自体は大陸の中央部分だけでほとんどが草原だったりする。
私達は、ギルドに拠って大会が行われる町についての情報を聞きいて、宿に行こうとしたのだが・・・ギルドの人に・・・
「この時期、と言っても今回行われる大会が、我が大陸で行われるときに限りますが、宿はどこも一杯だと思いますよ」と言われた。
「いっぱい・・ですか・・」
・・・そうよね。普通そうなるよね。みんな見に来るだろうし・・・
「どうにかならないですか?」
「う~ん。開催地迄行けば、選手とブリーダー用の宿舎をお貸できますがそれ以外は・・・」
「う~ん・・もう暗くなってくるし・・う~」
そう言う私にカラーが・・・
「外で寝ればいいよ!!」と、元気に言ってくれた・・・
「ああ、野宿ですね」レイが納得と言ったように相槌を打つ。
「そう。お外で寝るのも楽しいよ」
「う~ん・・野宿かぁ・・・」
「それでいいんじゃないか?『宿が無ければ野宿すればいい』どっかの貴族のような考えだけど、悪くないと思うぜ」
「仕方が無いかぁ・・・」
そう考えて、決定しようとすると・・・
「それは危険だと思いますよ」とギルドの職員さん。
「大会に合わせて、多数の人が出入りしています。治安もあまりいいとは言えない状況です。」
・・・どうしろと・・・
「大丈夫!レイ姉がいるし!問題ないよ!!」
カラーが元気よく答える。
「そうね。レイがいれば問題ないわよね」
「いざとなれば俺もいるしな」
「アンタには期待してない」
と言うわけで・・・
町でテントを借り、町の広場で一泊することにした。以外にも同じような人が多数いて、一つの集合体みたいだったので、治安の方はあまり問題なさそうだ。
「そう言えば、この大陸にカラーの故郷があるのよね」
「うん!妖精の里だよ!みんな入れないけどね」
妖精の里か・・・同○誌の即売会会場みたいみたいなところだったりして・・・
「カラー一度里帰りしてみますか?」
レイが顔色を伺うように聞く。
「う~ん・・検討中~」
そう言って、カラーは苦笑いを浮かべた。
「そうですか。まあ遠いですからね、無理に行く必要も無いかもしれません」
話は終わりと言うように、レイが寝る準備をする。
「さて、寝ようか」
・・・いつの間にか。ケンが隣のテントからこっちに来て、レイの傍で寝ようとしていた・・・
「さ、吊るしましょうか」
「そうね」
そう言って、一匹の蓑虫を作ると近くの木に吊るしたのだった。
ぐおぉ~~~~
朝一番のドラゴンの咆哮で目が覚める。
外からいい匂いがした・・・
「おはよレイ」
「おはようございます」
レイが朝ごはんを作っていた。
「よ、もうできるぜ」
ケンも手伝っていたようで、なかなか豪華な朝ごはんだ。
「コニー姉遅いよ~」
なんと!カラーがすでに起きて食べ始めていた。
いつも思うが、質量保存の法則って知っているんだろうか・・・
みんな朝食を終え、テントを返してから乗り合いの馬車で目的の町まで移動する・・・
六時間ほど揺られて、開催地『アルベロ』に到着した。
「ふう・・走ったほうが速かったな・・・」そう言うケンに・・
「そうですね。」同意するレイ・・やめてよ・・
「しかし・・・でかいな・・・」
そう、町の南側にとても大きな闘技場があった。その後ろには森があり、木々がとても大きくて頂点が見えなかった。
「あの木々の中の何本かは、『長老様』の子供なんだよ」と、カラー。
「『長老様』?」
「そ、えっと・・神樹って呼ばれてるかな?」
・・・神王の子供か・・・
「ってことは・・・植物種なの?」
「そうなるね」
・・プラントってあんな大きなモンスターだったっけ・・・
「ちょっと、恐怖を感じるわ・・・」
「せやな~。ウチの気持ちもちょっとは分かってもらえるやろ」
「お。起きたなリーベちゃん」
「おはよダーリン」
リーベは少し用事がある。と、機能を停止して、意識は本体に戻っていた。
「あの木々(プラント)はな、動けへんねん。動こうとすると自重で潰れてしまうらしくてな。完全に『木』やね」
そう言ってカラカラ笑うリーベ。
「あー。なるほど・・・そうよね・・けど、話はできるのよね」
「せや。『話せる木』程度におもとったらええんよ」
・・なるほど・・
「お嬢様、そろそろギルドに向かいませんか?」
「あ、そうね。行きましょう」レイに促され、とりあえずギルドまで移動する。
ギルドで、大会についての諸注意と登録を済ませ、専用の宿舎の鍵を預かって(タイジュのおじさんが家を用意してくれていた)宿に向かう。
「ここかな・・・」
なかなか立派な家だった。鍵を差し込んで開け、中に入る・・
「おお、すごいな・・」
ケンも驚くほどにすごい家だった。二階建ての洋館で、調度品も高そうな物ばかり。必要な物も全てそろっており不自由なく暮らせそうだった。
「さて、私は夕食の準備をします。お部屋を決めたら、少しくつろいでいて下さい」
そう言ってレイは調理場に消えた。
「俺は会場を見てくるよ」
「ダーリン私もいくで~」
ケンはリーベと共に会場へ向かうようだ。
「遅くならないうちに帰ってきなさいよ」一応釘を刺す。
了解と言って外に出て行った。
「あたしは~つまみぐい~~♪」
カラーは歌いながらレイの後を追う。
私は、部屋に着くと・・・疲れて寝てしまったのだった・・・
・・・面白くなりそうだ・・・
俺は家から出ると、会場が見える方に向かって歩く。
いくら方向音痴とはいえ、さすがに見えてる物は迷わないだろう・・
難なく会場に着いた俺は、その大きさに改めて驚いたのだった。
「でかいなぁ・・・」
ものすごく大きかった。サッカーの試合会場を見たことはあるだろうか。ゴールからゴールまでの距離が3倍あって、それが円になっている。と言えばその大きさが分かってもらえると思う。
「大きい生物も出たりするんよ。だからやね」
「けど、こんだけ大きいと試合自体が見えないんじゃないか?」
「そんなことはないんよ。『鏡映』言うてな、その姿を映し出す道具があるねん。せやから、小さい物同士の戦闘もばっちり見ることができるねん」
「へ~。テレビみたいなもんか。すごいな」
「せや。まあ、ご都合主義みたいなところもあるけど」
そんな風に話していると、こっちに向かって歩いてくる影がある。
「こんばんわ」
・・・初音ミ○様がいた・・・
「え・・・?え・・?」
緑の髪、着物を着た○ク様・・・立体になったお姿はすばらしく美しかった・・・胸は控えめが良かったなぁ・・・
混乱してる俺を置いて、リーベちゃんが・・
「おお、『神樹』やないか。久しぶりやな」そう言った・・
「お久しぶりです、女神様。こちらに気配を感じましたので、挨拶に伺いました」
「そんなこと、せんでもええのに」
「いえいえ、そうは参りません」
俺を置いて話し続ける二人。
「ダーリン、この子が『神樹』。この大陸の神王や」
「初めまして。神樹と申します。カラーがいつもお世話になっているようで・・」
「いえいえ!!とんでもない!!ミ○様お礼を言われることなんてありませんよ!!」
「○ク?私は神樹。ただのプラントですよ?」
「ああ、失礼しました。知り合い?に、似ていたもので・・・つい・・」
「そうでしたか。女神様、今日はこれで失礼いたします。正式な挨拶は明日・・・」
「そか。了解や、またな」
「ケン殿もまた」
「はい!また明日!」
そう言うと・・・フッと薄くなって消えてしまった・・・
「あれはな『幻影態常』言うてな、実態のある影を作り出す技やねん」
・・影分身の術か・・・
「神樹が出てきた・・言うことはダーリン・・・きばってや!」
「応!」
・・・ミ○様の為に・・おれはやる!!・・・
あとがきです。
いつも読んでくださってる皆様、本当にありがとうございます。
順調にお気に登録も増え、頑張って書こうと思う日々です。
次回予告!遂に大会開始!しのぎを削る戦いの中、全部ほっぽってミク様を追うケン。お前物語はどうした!!
次回!もんすたーにっき「決闘?なにそれ?井戸端会議?」で、僕と握手!