表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/26

ふぇありーにっき(いち)

シリアス飽きました


 ・・・これはある意味、国家的プロジェクトと言えよう・・・

 

 俺の名はケン、ひょんな事から異世界にきてしまった、30男だ。

 先日、モンスター図鑑なるものを発見し、読んでいたら、妖精とは、その存在が非常に貴重レアであり、その生態は謎に包まれていると言う・・・

 ・・・ならば・・と、一緒に住んでいる妖精のことを調べるだけで、世界に貢献できのでは?と考え、彼女のことを監察することにした・・・(俺はロリコンデハナイ)

 ・・・AM:0800・・・

 朝起きて、朝食を済ませ。カラーの部屋を覘く・・・寝てる・・・

 妖精は、その小さな体を小さなベッドに収めて、寝息を立てていた・・

 しばらくすれば起きるだろう・・・そう思い、のんびり本を読みながら待つ・・・待つ・・・

 ・・・起きないな・・・そろそろ12時に差し掛かる。いい加減、起きてもよさそうだが・・・

 ・・・コツコツコツ・・・誰かの足音・・・

 「む~~ん」気持ちよさげに眠る妖精の前に、ひとつの影が立ちはだかった。

 ・・・バサッ・・・トスン・・・いたぃ!!・・・ 

 いい音がして、ベッドから落ちる妖精。痛そうだ・・・

 「カラーもうお昼ですよ。いい加減おきなさい」

 うちの母さんみたいなことをする、この女性はレイさんと言って、この家の家事全般を取り仕切る美しい人だ。

 「むー、痛いよレイ姉・・・」そう言ってひらひら飛び、レイさんの前でホバリングする。

 「カラー、そろそろお昼ですよ。いい加減になさい」

 「え!もうお昼なの!朝ごはん食べ損ねた~・・・けど!お昼は食べられるんだよね!起こしてくれてありがとう!」・・・食事基準で生きてるのか・・

 「いえいえ、準備ができたらリビングへ来なさいね」

 「はーい!」

 そう言って、ひらひらと井戸のある外へ飛んでいく・・・

 「ケンさんも、ご飯ですよ」

 「はーい」そう言ってレイさんにお礼をいい、カラーちゃんの後を追う・・

 外に出ると、豪快に頭から水をかぶり、ブルブルブル!!っとする妖精を発見。 

 ・・・犬、猫みたいだな・・・ そう思いながら、近づいていく。

 「およ?ケン、どしたの?」そう言うカラーちゃんは、羽をキラキラさせながら俺を見上げる。

 「食事の前には手を洗わないとな」・・・少し言い訳臭かっただろうか・・そんなことを気にせず、カラーちゃんは自分が汲んだ水を、桶に移してくれた。

 「なら、これで洗うといいよ!」相変わらず無駄に元気だ・・・カラ元気だからカラーなのだろうか?・・聞いてみる・・

 「カラーちゃん。なんで名前がカラーなの?」

 「ん?えへへー・・・気になる?」俺は「うん、気になる」と答える。すると・・・

 「おしえなーい!!」・・・ま、そうくるよね・・・まあ、当然と思い「そっか」と、言いながら手を洗わせてもらう。

 「えー、なにその当然、って顔は・・・、いいもん。教えないんだから!」

 そう言いながら怒る姿もなかなか愛らしい。そう思いながら・・・

 「ん?ごめんね。言いたくないことを無理に聞くような男は、紳士ジェントルマンとは言えないと、俺は思ってるから。」と、言ってみる。

 「んん、なるほど!確かにそうね。あんた紳士だわ!」・・・本当に素直ないい子だ。

 納得してもらったところで、食事に行こうと誘い、リビングに一緒に行く。

 「いっただっきま~す!!」・・・食べる・・・食べる・・・タベル・・・かゆ・・うま・・

 質量保存の法則を、いとも簡単に無視する妖精・・・・それを見ながら、微笑みを絶やさないレイさん。

 明らかに、自分の体の全ての体積よりも多い量の食べ物が消えていく。速度も俺と大差なく・・だ。

 妖精は、幻想種だから・・・食べ物も幻想に消えるんだろう・・・そう、自分を納得させて、引き続き観察に移る。・・・あ、俺の盗られた・・・

 「なにボーっとしてるのよ。」そうコニーに言われて「いや・・よく食うな・・と」と、答える俺

 「いつものことじゃない」そう言いながら資料?に目を通すコニー。

 「お嬢様、食事中はおやめください」・・怒られてやんの・・・

 「はーい」声だけ返し、気にせず読むコニー。・・・レイさんががっかりしてる・・・

 「ごちそうさま!」そう言って出て行こうとするカラーちゃん。

 いつの間に食べ終わったのか・・・あわてて俺も後を追う。

 レイさんの「三時には、一度お戻りくださいね」の声が聞こえたので、返事をし追跡する

 

 ・・・PM:1300・・・

 ここは図書室・・・個人の家に、学校並みの図書室がある・・・

 蔵書は、モンスター関連ばかりだが、中には少女趣味なもの(BL含む)もある。そんな恋愛ものをうずたかく積み上げて、読んでいる。・・・あんな短時間にどうやって積んだのだろう・・・

 俺も不審に思われないように『モンスター大全』を持って近くに座る。

 「カラーちゃんも読書?」そう言いながら近づく・・・が・・・反応無し・・・・

 真剣に読んでいるのだろう・・・俺が近くに座っても、まったく気づく気配がない・・・

 仕方がないので、とりあえず席に着き。頭から読み直す・・・

 時折・・・はふぅ・・えー・・いけ!・・等の声が聞こえる。ボイスレコーダー欲しいな・・・

 しばらくして、三時が近づいたので「カラーちゃんおやつの時間だよ」そう声をかける・・・

 「おやつ!!」そう言って ガバッ!! と、こっちを見るカラーちゃん。

 「うん。おやつ、お昼にレイさんに言われたからね」そう返すと・・・

 ・・・ピューーーーー・・・

 と、風のようにリビングの方に消えていった・・・

 リビングには、甘い香りが満ちていた。リビングには、カラーちゃんが「おっやつ~♪おっやつ~♪」と、歌っていた。

 「あれ?コニーは?」誰ともなくそう問うと・・・

 「お嬢様は、フィールドワークです」・・・と、クッキーを持ったレイさんが答えてくれた。

 「わーい!!くっきー!!」そう言いながら、皿に飛びつこうとするカラーちゃん・・・欠食児童?

 「カラー、淑女のたしなみを忘れてますよ」・・そう、笑いながら言うレイさん。

 「あたしは・・・カリカリ・・・いつだって・・・カリカリ・・しゅくじょ・・カリカリ・・だもん!」・・・良くて、リスどまりだな・・・真面目にそう思う・・

 あっという間に自分の分を食べ終え、俺の分に手を出し、全部食べきると、ご機嫌な様子で図書室に戻った。

 「今日の晩御飯は、少し時間がかかります。できましたら呼びますので、7時くらいには家にいてくださいね」

 そう言われて、俺も図書室に戻る・・・

 ・・・本の山が丸々違うものになっていた・・・

 ほんの数分の間に、カラーちゃんが読んでいる物が全然違うものになっている・・・

 「あら、ケンも読書?」そう言いながら、俺の方を見るカラーちゃん。

 「やはり、日頃の勉強が高い知識と想像力の源ね」そう言いながら、何かの調査資料のようなものを読むカラーちゃん。

 「そ、そうだね・・」そう言いながら、俺は図鑑の続きを読み始める。

 少しすると、カラーちゃんがそわそわし始め、少女趣味のコーナーをチラチラ見始めた・・・

 ・・・これは・・・そう思い、俺は立ち上がって図鑑を元の位置に戻すと「行くね」と言って図書室を出て行く・・・

 ・・・頭の中で300を数え、図書室に入る・・・すると・・・

 案の定、資料の山が消え・・・少女趣味(BLも含む)の山が 出来上がっていた。

 ・・・はぁはぁ・・・そんな息遣いが聞こえそうなほど、気合を入れて少女趣味の本(しつこいようだがBLも含む)を読む妖精・・・

 ・・・これは・・・公表できないな・・・そう思って図書室を出て行く俺。

 「あーやっぱり『騎士×ドラゴン』は最高ね~♪」そんな言葉が聞こえ、妖精の生態が謎のままな理由を知ったのだった・・・

 

 

あとがきです

シリアスより番外が好きな作者なので、ドンドンこういうのを書いていこうと思います。次は・・・誰にしようかな・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ