ふぇありーにっき(いち)
シリアス飽きました
・・・これはある意味、国家的プロジェクトと言えよう・・・
俺の名はケン、ひょんな事から異世界にきてしまった、30男だ。
先日、モンスター図鑑なるものを発見し、読んでいたら、妖精とは、その存在が非常に貴重であり、その生態は謎に包まれていると言う・・・
・・・ならば・・と、一緒に住んでいる妖精のことを調べるだけで、世界に貢献できのでは?と考え、彼女のことを監察することにした・・・(俺はロリコンデハナイ)
・・・AM:0800・・・
朝起きて、朝食を済ませ。カラーの部屋を覘く・・・寝てる・・・
妖精は、その小さな体を小さなベッドに収めて、寝息を立てていた・・
しばらくすれば起きるだろう・・・そう思い、のんびり本を読みながら待つ・・・待つ・・・
・・・起きないな・・・そろそろ12時に差し掛かる。いい加減、起きてもよさそうだが・・・
・・・コツコツコツ・・・誰かの足音・・・
「む~~ん」気持ちよさげに眠る妖精の前に、ひとつの影が立ちはだかった。
・・・バサッ・・・トスン・・・いたぃ!!・・・
いい音がして、ベッドから落ちる妖精。痛そうだ・・・
「カラーもうお昼ですよ。いい加減おきなさい」
うちの母さんみたいなことをする、この女性はレイさんと言って、この家の家事全般を取り仕切る美しい人だ。
「むー、痛いよレイ姉・・・」そう言ってひらひら飛び、レイさんの前でホバリングする。
「カラー、そろそろお昼ですよ。いい加減になさい」
「え!もうお昼なの!朝ごはん食べ損ねた~・・・けど!お昼は食べられるんだよね!起こしてくれてありがとう!」・・・食事基準で生きてるのか・・
「いえいえ、準備ができたらリビングへ来なさいね」
「はーい!」
そう言って、ひらひらと井戸のある外へ飛んでいく・・・
「ケンさんも、ご飯ですよ」
「はーい」そう言ってレイさんにお礼をいい、カラーちゃんの後を追う・・
外に出ると、豪快に頭から水をかぶり、ブルブルブル!!っとする妖精を発見。
・・・犬、猫みたいだな・・・ そう思いながら、近づいていく。
「およ?ケン、どしたの?」そう言うカラーちゃんは、羽をキラキラさせながら俺を見上げる。
「食事の前には手を洗わないとな」・・・少し言い訳臭かっただろうか・・そんなことを気にせず、カラーちゃんは自分が汲んだ水を、桶に移してくれた。
「なら、これで洗うといいよ!」相変わらず無駄に元気だ・・・カラ元気だからカラーなのだろうか?・・聞いてみる・・
「カラーちゃん。なんで名前がカラーなの?」
「ん?えへへー・・・気になる?」俺は「うん、気になる」と答える。すると・・・
「おしえなーい!!」・・・ま、そうくるよね・・・まあ、当然と思い「そっか」と、言いながら手を洗わせてもらう。
「えー、なにその当然、って顔は・・・、いいもん。教えないんだから!」
そう言いながら怒る姿もなかなか愛らしい。そう思いながら・・・
「ん?ごめんね。言いたくないことを無理に聞くような男は、紳士とは言えないと、俺は思ってるから。」と、言ってみる。
「んん、なるほど!確かにそうね。あんた紳士だわ!」・・・本当に素直ないい子だ。
納得してもらったところで、食事に行こうと誘い、リビングに一緒に行く。
「いっただっきま~す!!」・・・食べる・・・食べる・・・タベル・・・かゆ・・うま・・
質量保存の法則を、いとも簡単に無視する妖精・・・・それを見ながら、微笑みを絶やさないレイさん。
明らかに、自分の体の全ての体積よりも多い量の食べ物が消えていく。速度も俺と大差なく・・だ。
妖精は、幻想種だから・・・食べ物も幻想に消えるんだろう・・・そう、自分を納得させて、引き続き観察に移る。・・・あ、俺の盗られた・・・
「なにボーっとしてるのよ。」そうコニーに言われて「いや・・よく食うな・・と」と、答える俺
「いつものことじゃない」そう言いながら資料?に目を通すコニー。
「お嬢様、食事中はおやめください」・・怒られてやんの・・・
「はーい」声だけ返し、気にせず読むコニー。・・・レイさんががっかりしてる・・・
「ごちそうさま!」そう言って出て行こうとするカラーちゃん。
いつの間に食べ終わったのか・・・あわてて俺も後を追う。
レイさんの「三時には、一度お戻りくださいね」の声が聞こえたので、返事をし追跡する
・・・PM:1300・・・
ここは図書室・・・個人の家に、学校並みの図書室がある・・・
蔵書は、モンスター関連ばかりだが、中には少女趣味なもの(BL含む)もある。そんな恋愛ものをうずたかく積み上げて、読んでいる。・・・あんな短時間にどうやって積んだのだろう・・・
俺も不審に思われないように『モンスター大全』を持って近くに座る。
「カラーちゃんも読書?」そう言いながら近づく・・・が・・・反応無し・・・・
真剣に読んでいるのだろう・・・俺が近くに座っても、まったく気づく気配がない・・・
仕方がないので、とりあえず席に着き。頭から読み直す・・・
時折・・・はふぅ・・えー・・いけ!・・等の声が聞こえる。ボイスレコーダー欲しいな・・・
しばらくして、三時が近づいたので「カラーちゃんおやつの時間だよ」そう声をかける・・・
「おやつ!!」そう言って ガバッ!! と、こっちを見るカラーちゃん。
「うん。おやつ、お昼にレイさんに言われたからね」そう返すと・・・
・・・ピューーーーー・・・
と、風のようにリビングの方に消えていった・・・
リビングには、甘い香りが満ちていた。リビングには、カラーちゃんが「おっやつ~♪おっやつ~♪」と、歌っていた。
「あれ?コニーは?」誰ともなくそう問うと・・・
「お嬢様は、フィールドワークです」・・・と、クッキーを持ったレイさんが答えてくれた。
「わーい!!くっきー!!」そう言いながら、皿に飛びつこうとするカラーちゃん・・・欠食児童?
「カラー、淑女の嗜みを忘れてますよ」・・そう、笑いながら言うレイさん。
「あたしは・・・カリカリ・・・いつだって・・・カリカリ・・しゅくじょ・・カリカリ・・だもん!」・・・良くて、リスどまりだな・・・真面目にそう思う・・
あっという間に自分の分を食べ終え、俺の分に手を出し、全部食べきると、ご機嫌な様子で図書室に戻った。
「今日の晩御飯は、少し時間がかかります。できましたら呼びますので、7時くらいには家にいてくださいね」
そう言われて、俺も図書室に戻る・・・
・・・本の山が丸々違うものになっていた・・・
ほんの数分の間に、カラーちゃんが読んでいる物が全然違うものになっている・・・
「あら、ケンも読書?」そう言いながら、俺の方を見るカラーちゃん。
「やはり、日頃の勉強が高い知識と想像力の源ね」そう言いながら、何かの調査資料のようなものを読むカラーちゃん。
「そ、そうだね・・」そう言いながら、俺は図鑑の続きを読み始める。
少しすると、カラーちゃんがそわそわし始め、少女趣味のコーナーをチラチラ見始めた・・・
・・・これは・・・そう思い、俺は立ち上がって図鑑を元の位置に戻すと「行くね」と言って図書室を出て行く・・・
・・・頭の中で300を数え、図書室に入る・・・すると・・・
案の定、資料の山が消え・・・少女趣味(BLも含む)の山が 出来上がっていた。
・・・はぁはぁ・・・そんな息遣いが聞こえそうなほど、気合を入れて少女趣味の本(しつこいようだがBLも含む)を読む妖精・・・
・・・これは・・・公表できないな・・・そう思って図書室を出て行く俺。
「あーやっぱり『騎士×ドラゴン』は最高ね~♪」そんな言葉が聞こえ、妖精の生態が謎のままな理由を知ったのだった・・・
あとがきです
シリアスより番外が好きな作者なので、ドンドンこういうのを書いていこうと思います。次は・・・誰にしようかな・・・