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恋人との別れ

作者: STR

 ここかあ……。

 ここに来ると昔の記憶が呼び起こされる。

 恋人との忘れることの出来ない記憶が。


 「ごめん、待った?」

 今思い返しても恥ずかしかった。私にとっては初めての彼女でとても緊張したのを今も憶えている。

 「うん。とっても待ったよ」

 私の問いに対する彼女の答えがそれだった。

 あのときの私はどんな顔をしていたのか自分でも気になるもだ。よほどおかしかったのだろう。彼女は、くすくすと笑い始めた。

「え、どうかしたの?」

 あのときの私はほんと何をやっていたのだろう。今こうして思い出すだけでため息が出てしまう。

 まあ、何はともあれ彼女とのデートの滑り出しは好調だった。

 しかし、今思うとよく彼女をデートなんかに誘えたものだと思う。過去の自分に拍手でも送ってやりたいものだ。

 彼女とは会社の同僚だった。しかし、接点はまったく無かった。

 当時の私は、何をやらせてもだめで営業での成績も最下位。一方彼女は、成績優秀、才色兼備、おまけに美人ときている。社内での評判もよく、ライバルは多かった。

 ここまで言えば分かると思うが私は彼女に恋をしていた。

「釣り合わない」

 私が彼女を好いていることを仲のいい友人に話したときにそう言われた。

 確かにそうだ。本来なら私が恋する事もおこがましかったのかも知れない。友人にそういわれたとき。私は、この思いは私の心の中に仕舞っておこうと思った。だが友人はこうも言った。

「だけどな、釣り合わなくても良いじゃないか。とりあえず彼女に思いを告げろ。よく言うじゃないかあたって砕けろとそうだろ。少なくとも俺はそう思うぞ」

 その一言で私は彼女に告白をしようと決意した。やつには感謝しないといけないな。

 次の日、私は彼女に告白をした。

「あなたのことが好きです。付き合ってください」

 我ながら直球だったと思う。もう少しひねりは無いのか。言ったあと自分でも顔が真っ赤になった。

 しばらくの間は互いに沈黙を守っていた。彼女から私の告白に対する返事はなかなか返ってこなかった。

 しばらくしてから彼女がぼそぼそと何か言っているようだった。

 耳を澄ませ聞いてみると、どうやらそれは私の告白に対するOKだった。

 私はそれを聴いた瞬間に夢ではないかと思いほほをおもいっきり抓った。ものすごく痛かった。

 痛くて飛び上がりそうになり辺りをぐるぐる走っていた。

 そんな私を面白そうに彼女は見ていた。

 そして私は彼女をデートに誘った。

 最初のデートは、遊園地へと向かった。楽しそうに遊ぶ彼女の顔は今でも思い出すことが出来る。

 二回目のデートはショッピングだった。彼女に服をプレゼントしたな。なけなしの給料で見栄を張ったもんだから後の生活はちょっと化かしきつかった。

 彼女とのデートは全て憶えている。楽しかった。彼女の慶ぶ顔が嬉しかった。

 一年後のデート。

 その日はちょうど彼女と付き合ってから一年になる記念日だった。

 その日のデートが恋人との最後のデートとなった。

 彼女は言った。

「最近、私といても何か別のことを考えている。私のこと嫌いになったの?」

 彼女の目には涙がたまっていた。

 私は、彼女に一言言った。

 彼女は泣きじゃくりうまくしゃべることが出来ないようだった。

 彼女の泣き顔は今でも憶えている。

 その日は眠ることが出来なかった。

 次の日、彼女と私は彼女とショッピングに出かけた。

 彼女の左手に薬指には私の送った指輪が光っていた。


 おっと、もうこんな時間か。

 今日ここで妻とのデートがある。

 結婚五周年記念の大切なデートだ。

 

 終わり

最後まで読んでいただきありがとうございます。

恋愛ものは初めて書きました。

なので、感想をいただけたら幸いです。

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