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祝福で呪われて七度目の転生!今度こそ風の聖女を護りたいのに、あほの子に育って俺を邪魔してくる  作者: 笹色 ゑ


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13 ユナの思惑

 ピンクブロンドの髪、濃い空色の瞳。彼女を始めて見たのは二年前だった。


 私が王立学校へ入学できたのは、彼女の警備兼諜報要員としてだった。直接護るわけではなく、学内の情報収集担当として生徒として入学したのだ。


 既に二年生だったアリア様は、孤高の存在として君臨していた。


 男子生徒だけでなく、あまりの美しさに女子生徒からも人気があり、二つのファンクラブがあった。


 誰かを侍らせることもなく、いつもひとりでいたが、どこか凛々しく、そしてたまに遠くを見つめる姿が印象的だった。わずかに目を細め、射るような視線を向けられたとはしゃぐもの達も多かった。


 同時に、高位の貴族令嬢が、もてはやされるアリア様に嫌がらせをしているのも見てきた。


 けれど、彼女はそれすら鼻で笑い意に介していなかった。


 そんな、孤高の存在が、目の前にいる。


 これまでは、許可が出ていなかったから、直接話したことはなかった。ヴァーナード様が婚約者であるアリア様を大事にしているのは明らかで、命令違反をしてまで近づこうとは考えることもしなかった。


「彼女が話していた義母妹のユナだ」


「はじめまして、アリア様。ユナと申します。ご尊顔を拝する機会を頂き光栄でございます」


 貴族式の礼をする。


「は、はじめまして。アリアです」


 立ち上がったアリア様が、想像とはかけ離れた声色で言う。


「えっと、仲良くしてくれると。嬉しいです」


 顔をあげると、いつも見ていた全てを見透かすような表情ではなく、緩んだ顔で笑っていた。


 思わず、ヴァーナード様の方へ説明を求めて視線を向けてしまう。


 ご婚約者様のアリア様は、気難しい方ではなかったのか。いや、それも学内での噂で直接確認はできていなかった。


「一先ず座れ」


 言われてローテーブルを挟んだ席に腰掛ける。


「話したように、悪いが時間があるときに課題を見てやってくれ」


「その……アリア様の成績は、比較的良い方だったと思うのですが」


 情報収集で、成績は上の下だと知っている。一年次は、中の下だったようだが、二年と三年は決して悪い成績ではない。


「……それは、お兄さんが厳しい……しっかりと指導してくれたおかげだから」


 アリア様がふっと陰りのある身馴れた表情をした。


「多少厳しく教えても構わない。アリアにものを教えるのは苦労するだろうが、よろしく頼む」


「かしこまりました」


「うぅっ、お友達じゃなく、やっぱり先生として送り込んだのか」


「勉強会なんて友達らしいだろう」


 ヴァーナード様もいつもは見せない表情でそう言っていた。


 アリア様もだが、ヴァーナード様も孤高の方だ。


 齢十歳ほどで男爵になり、魔法陣を販売する一大企業を作り上げ、そのトップとして君臨している。まだ二十歳にもなっていないのに、それほど歳が離れている訳でもないのに、格の差に絶望させられるばかりだった。


 その人が、アリア様を慈しんだ目で見ている。


 ああと、理解した。


 今、ヴァーナード・スオウの最大の弱点を見つけたのだ。そして、彼女を利用すれば、私は成り上がれる。


 母のような失敗はしない。


「アリア様」


 憧れの存在ではなく、攻略の対象として切り替え、名を呼ぶ。


「私はずっとお話をしてみたかったんです。けど、平民の私が話しかけては失礼になると諦めていました。でも、こうやってヴァーナード様から紹介していただいて、お友達になってくださるなんて」


「失礼なんてっ。えっと、えっと……ユナちゃんって、呼んでもいい? 私のことも、様なんて付けなくていいから。ね」


 アリスティーネ侯爵令嬢として産まれ、大事に育てられた本物の貴族の娘は、はにかみながらそういった。


「では、アリアさんと呼ばせてください」


「敬語も別に気にしないで」


「私は、基本誰にでもこうですから気にしないでください」


 平民が貴族令嬢と対等に話せるわけがないことも理解できていないのか。


 アリア様は一目見れば誰もが振り向く美麗な方だ。金も権力も才能もあるヴァーナード様も、所詮は男で、美しい女を手元に置きたいのだと思っていた。学内で、他の男にとられないために色々と策を講じているのだろうと。


 憧れはどこかにあったが、同時に冷ややかともとれるあの独特の視線に恐怖を感じていた。


 だが、目の前の少女は、私が想像していたアリア・アリスティーネではない。


 うまく取り入れば、ヴァーナード様の、そしてスオウ社への影響力にもなりうるかもしれない。





アリアは見た目だけは完璧美少女です。所作も母親から教育されているので黙っていれば完璧です。

言動は母親も匙を遠くに投げました。


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