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第三話 死亡フラグが見えたゴブリン

「駄目、早く逃げて、あなたじゃどうにも―――」


私の叫びも虚しく、目の前にいるキングゴブリンが斧を振り上げる


そして、降ろす、彼の頭上に向かって


(あ、死んだ―――)


「死なないんだなァ、これが」


死んだと思った、その瞬間、キングゴブリンの斧は空を斬った


そう彼は避けたのだ、キングゴブリンの攻撃を


「何故?あのキングゴブリンの攻撃をいともたやすく……」


何故か、その理由は俺の能力に起因する


そう、死亡フラグが見える能力のおかげ、というわけだ


死亡フラグとは、正確に言えば、数秒後の死を予測する物


そして、この死亡フラグ、黒い煙は、死に近い所は濃くなるという傾向がある


それを使い、俺は攻撃してくる箇所、そしてどこから攻撃が飛んでくるかを


数秒前に理解する、そして、先に避ける、攻撃が来る前に


すると、普通なら避けれない攻撃も避けることができるのである


ゴブリンは空ぶった事を理解できていないようで、少し困惑しながらも


また斧を振る、今度は縦ではなく横に


だが、それも死亡フラグを予測し、屈み華麗に避ける


「ちょっと借りるね」


そう言いながら、俺は砕けた刀の破片を持つ


キングゴブリンの懐に入りこむ


そして、砕けた刀の破片をゴブリンに刺す


「駄目、そんな物はゴブリンの皮膚には通用しない」


ああ、分かってる、こんなものは通用しない


ただし、それは普通に使えば、の話


死亡フラグによる予測は、自分だけでは無い


他人、敵の死亡フラグも見える


つまり、どこに攻撃すれば死ぬ確率が高いか、煙の濃度で分かるという事


そして、俺はそれを見て、分かった、こいつの弱点


だからその場所に、刀の破片を刺した


そう、その場所とは―――


「グギャアアアアアアアアアア」


ゴブリンの情けなくも恐ろしい悲鳴が聞こえる


それを聞き、僕は笑いながら言う


「どんな動物だろうとよォ、唯一変わらない弱点がある、男ならな」


俺が刀の破片を刺した場所、それは、そう、「金的」である


ゴブリンの悲鳴は止まらない


さらに、ゴブリンは自分の手で金的を隠しながら悶える


そして、俺はその隙に、また煙の濃度が高い部分に刀の破片を刺す


何回も、何回も、とにかく、がむしゃらに刺す


気づいたときには、ゴブリンの声は聞こえなくなっていた


それと同時に、この空間に蔓延していた黒い煙が消えた


「よし、今日も死ななかった」


僕は顔に飛んできたゴブリンの血を腕の袖で拭いながら、そう言った


「けど、やばい、もう、意識が」


少しずつ意識が消えていく感覚を味わう、恐らく背中の傷、大量出血が原因だろう


僕の意識は途切れていく、最後に見たのは白髪の彼女が焦りながら僕を覗き込む


そんな光景だった―――

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