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プロローグ



優しく輝くそれはいつの夜にも寄り添い

どんな人にも等しく光を向けた


雲で覆われてしまってもそれは確かに存在し

姿を変えても尚、美しかった





暦では一瞬にも満たないほど僅かだが、

その木は満開になると、たくさんの人を集めた


しかし、全てが散ると見向きもされず

やがて周囲と変わらなくなった



その木は今日も、夜空に向かって手を伸ばす


ひとときの輝きでは満たされず

それを覆い被そうと手を広げる



輝くそれが遥か彼方に映るとも知らずに




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