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私のお姉ちゃん

私の名前を呼ぶ声がした気がして目が覚ますと、何か深刻そうな顔をしたお姉ちゃんが目の前にいた。

どうしたのだろう?と不思議に思っていると、この場所を知っているか聞かれた。

辺りを見てみる。

草原と少し遠くに山がある。記憶にない場所だった。

お姉ちゃんにも分からないらしい。

連絡手段となるスマホも、お姉ちゃん一緒にお出かけをしていたときに持っていたバッグともになくなっていた。


場所もわからず、連絡手段もなくてどうしたらいいのだろう。

そんな風に考えていると、お姉ちゃんの考えが固まったみたい。

「まずは生存に必要な水の確保が最優先よ。山なら川があるかもしれない。人を探しつつあの山の麓を目指しましょう」

お姉ちゃんはそう言いながら気づかわし気な目を私に向ける。

知らない場所にいてお姉ちゃんも不安なはずなのに私のことを心配してくれるお姉ちゃんの様子に、こんな状況にも関わらず嬉しくなってしまう。

お姉ちゃんと一緒にいれば大丈夫。だって、昔からお姉ちゃんは私のことを大事にしてくれるんだもん!

心配してくれるお姉ちゃんを安心させるためにも、いつもみたいにしよう。

手をつなぐと驚いた顔をしたけど、すぐに真剣な顔をするお姉ちゃん。

また私のことを考えててくれてるのかな?

そう思ったらまた私は嬉しくなってしまうのだった。



山の麓を目指してしばらく歩いていたら何かが光っているのを見つけた。

お姉ちゃんに何かが光っていることを伝えたけれどお姉ちゃんには見えないみたい。

光に近づいてみると、その光は小さな人だった。

でもお姉ちゃんには青いもやもやが見えるだけでこの小さな人が見えないみたい。

もう少し近づいてみると、小さな人には羽根が生えていた。

これってもしかして精霊?ここはもしかして異世界!?

ライトノベルでよく見るシチュエーションにワクワクしてしていると、お姉ちゃんが話しかけてきた。

精霊さんに水が出せないか伝えてほしいみたい。

精霊さんに水を出してほしいと言ってみると、水が現れた。

目の前で起きた不思議な光景にまたワクワクしてしまった。

今度はお姉ちゃんが精霊さんに水をだせないかお願いしている。

でも駄目みたい。精霊さんが見えてないと駄目なのかな?

お姉ちゃんは他にも何かできないかが気になるようで、精霊さんに火を出せないか聞いてほしいらしい。

精霊さんに火を出せないか伝えると、精霊さんが首を振った後にふわふわと移動し始めた。

こちらをちらちらと見ながら移動している。もしかしてついて来いってことかな…?


精霊さんに付いていくと、色とりどりの精霊さんが現れた。

そしてお姉ちゃんにはやっぱり精霊さんは見えないけれど、色々な色のもやもやは見えるみたい。

お姉ちゃんが何か思いついたようで、色の違う精霊さんに別々のことをお願いするように言われる。

何が起こるか何となく予想がつきながらも、ドキドキしながら精霊さんにお願いしてみる。

すると、風が起き、火が現れ、地面の土が空中に浮かび形を変える。

予想した通りの不思議な現象に楽しくなって、もっと色々なことをお願いしてみる。


しばらく精霊さん達と遊んでいると、お姉ちゃんの様子がおかしなことに気が付いた。

「姉の威厳が…ぶつぶつ……」

精霊さんにお願いして魔法が使えないことを気にしてるのかな?

お姉ちゃんは頼れる姉でいたいようで威厳がどうとか言っているけど、私は気にしていない。

多分だけど、お姉ちゃんはすぐに自力で魔法が使えるようになる気がする。

お姉ちゃんは昔から、最初は出来なかったこともしばらくすると何でもないような顔をして出来るようになっていた。

だから魔法もきっと同じように使えるようになると思う。

今だって手のひらを見つめながら真剣な表情をしている。

しばらく様子を見ているとお姉ちゃんの手のひらの上に水が現れた。

やっぱりお姉ちゃんは魔法もできるようになった。


私も同じことしたくてお姉ちゃんにやり方を聞いてみたけど出来なかった。

その間にお姉ちゃんは水だけじゃなく、風も火も土も魔法で操作できるようになっていた。

私が精霊さんにお願いしても出来ないような複雑で細かい操作もしている。

やっぱり自力で何でもできるようになっちゃうお姉ちゃんはすごいなあ。

きっとこれからも、何でも出来るようになっちゃうお姉ちゃんと一緒なら異世界でも生きていける。

でも、お姉ちゃんに頼り切りにならないように私も頑張らないとね!

お読みいただきありがとうございます。

評価、ブックマークをしていただけますと幸いです。

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