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機界滅戦  作者: やーまる
1/1

蒸気と歯車

初めて書いた作品で、文も読みづらいと思いますが、読んで感想をくれると嬉しいです。


俺は耳を疑った 

「かつて、魔法と剣の世界が存在した」彼女は確かにそう言った。

信じられるはずがない、過去にそんな世界があった筈はない。

だってここは「蒸気と歯車の世界」なのだから。

でも見てしまった、無機質な空を一瞬でも晴らしたあの光を、

だからすがる思いで彼女に言った

「俺に教えてくれ 過去のことを、魔法のこと、そして君のこと、」

 

「ひどい口説き文句だな、いいよ教えてやろう、その代わり私の力を貸してくれ 

あの人の意思をこの時代に伝えるために」

    

12時間前、、、、、、


「マーク!マーク!おきろ!」 

まぶたが重い、まぶたの隙間から光が差し込み、無理やり瞳を空に晒してくる。

、、と同時に酸っぱい油と炭の匂いがする。 流石に6年もここで仕事をしていれば、この匂いに慣れて来るのだが、年々匂いがキツくなってくる気がする。

煙を吐き出す煙突を持つ無機質なコンクリートでできた直方体の建物が目に入る。

とたん目の前に鼻が真っ黒になっている中年男性が現れた。

「休憩時間は終わりだぞ、さっさと歯車の製造に取り掛かれ」彼はそういうと歯車の金型を指差して見せた、彼が俺の上司にあたる人物で名を マクル という。 かれこれ6年間彼の下で働いている。

俺はなぜ自己紹介をしているのか、誰かの都合なのだろうが構わず話を進めるとしよう。

彼の紹介をする前に自分の紹介をするべきだった。 俺の名はマークという、年齢は大体16歳ぐらいだったと記憶している。だとするともう10歳の頃からこの壁に囲まれた仕事場で働いていた計算になる。次に皆さんも知りたいだろう、この世界について俺が知っていることを話させてもらう。

ここは言うなれば、皆さんから言えばスチームパンクという呼び名で呼ばれているであろう世界だ。

簡単にいうと蒸気と歯車で成り立っている機械の世界だ。 仕組みはよくわからないが、いろいろな形の歯車を蒸気で動かし、様々な作用を引き起こす、その繰り返しでできた世界がこの世界だそうだ。

実際これについては何も疑う余地はない。

俺たちはその歯車を作る仕事をしている、半ば奴隷のような扱いをされながら、、 

途端俺の自分語りは

「おいっ!俺の最高傑作ができたかも知れねえぞ!!」と叫んだ彼の声にかき消された

この声の主は ジャルラガ 俺の同期だ。 作った歯車の形にこだわる変人であり、なぜか金型も使わないとの噂だ。

「みてみろよ、この滑らかな角!この形はな計6つもの歯車に対応しているんだ、昨日寝ずにやすり掛けしたんだぜ!」

「お前さあ、そんなことしなくても金型でそこそこの形はできるし、何より効率が悪い なんのためにそんな無駄な努力をする?」少しイライラしていたのかも知れない、言い返してしまった。

「そりゃあ」

数十秒の間が開く

「こんな壁で、死ぬまで何の残せずに何も為せずにいるつもりはねえよ」

俺は自分が同じことを思っている気がした。

「俺、いつか蒸気職人になりたいんだ、の歯車をもっと鍛えてもっと磨いていて、、いつか必ず、、、」

地雷を踏んでしまったことに気がついた、いつも自信満々だった彼の顔は一瞬で萎れてしまった。

そりゃあ俺だって壁の中でこのまま一生を迎えるのは嫌だ。 だけどどうすることもできないじゃないか、

可能性を閉ざすこの壁の中じゃ、、、、、俺たちは生まれた時から「歯車奴隷」で、あいつらは選ばれて、

「蒸気職人」になるんだから、この差は何物でも埋められないじゃないか。

黄昏ていると声が聞こえた。「おめえ!発注した歯車と違うじゃねえか!!」マクルの声だ。

声の方向へ振り返ると、鉄の棒が顔面に衝突した。

「てめえ!奴隷のくせになんで一丁前にミスするんだ!歯車だけは機械は作れない、だからおめえらの仕事が、あるんだろうが!立場を弁えろクズが!」

めちゃくちゃだ、その場に顔を覆って崩れ落ちる。マクルは構わず鉄の棒で追い討ちをかける。

気が動転している、早く鎮めないと、だけどその前に し ん で し ま う 、 、 、

「光の魔法 第五の呪文 ホーリーメルキス」 女性の声が聞こえた。

と同時に地面が発光し、マクルは何かの衝撃を受け、吹っ飛び、気を失った。 

なんだ?今のは、機械の発光か?違う、機械よりももっと神秘的な、、ふと上を見上げる、空に誰かが浮いている。 女性だ、おそらくあの声の主だ。。

「やっぱりこの魔法は完全だったんだ」

魔法?知らない単語だが、どこか懐かしさを感じる響きだ。

「君!今のは何なんだ?どうやってやったんだ?」

気づいた時には声が出ていた。彼女はこちらに目をやり、こう言った。

「かつて剣と魔法の世界が存在した、だが滅んでしまった。あの忌々しい蒸気と歯車によって」

単語の意味は理解できなかった、だけどなぜか安心した。だけど信じられなかった、だが気持ちが、口が動いてしまった。今を変えたい、だからこのチャンスは逃せない。

「俺に教えてくれ 過去のことを、魔法のこと、そして君のこと、」

彼女は僕に目を合わせ、微笑みこう言った。

「ひどい口説き文句だな、いいよ教えてやろう、その代わり私の力を貸してくれ 

あの人の意思をこの時代に伝えるために」

心臓の鼓動が体を駆け巡る。手に、足に、血が通ってゆく。体を機械に、感動を蒸気に俺の機械が動き出した













      








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