不思議な欠片と少女
この作品はどんな味がするんでしょうか?
両手いっぱいに欠片を持つ。
色とりどりなその欠片は、一つ一つの特徴が違う。
透明で水に入れると見えなくなるもの。
黒色で、光に透かすと綺麗だが、軽いもの。
淡い桃色、緑色、青色。
鼻腔をくすぐる甘い匂い。
何の匂いかと探してみると、自分が今持っている紫色の欠片から。
この匂いはそう……、
「ブルーベリー…?」
私の食欲によって匂いが来るのか、本当に味がするのか、食べてみたくなった。少し欠片を見つめて考えた後に、 口へ放り込む。
その瞬間、口内に広がる酸味と甘味。
この欠片は味があるのか?と他の色の欠片も口に放り込んだ。
「ん~v」
頬が緩む。
桃に、砂糖、黒糖、ソーダ、メロン…。
色々な味があった。
満腹になったので寝転がり、眠った。
はっと突然目が覚めた。
一体あれはなんだったのだろうかと考えるが、いくら考えてもわからない。
握っていた手に違和感を感じたので開いてみると、そこには、夢で見た欠片が一つあったのだ。
最初は驚いたが、夢の中の少女のように口へ入れた。
色は黄色で、レモンの風味が鼻を通り抜ける。
「おいしい」
夢の中の少女は、そう、
過去の私。
欠片を食べるという、度胸の据わった女の子達。現実では無理なことですので、良い子のみんなは真似せずにですよ。
欠片は金平糖や、琥珀糖をイメージすると近いかもしれません。