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ベランダから(桃花)

作者: 狼花

  「なんでこうなったのやら・・・・」


 ベランダに放置され30分。

私の母は怒っている。

理由は家の門限を破ったから。

門限は17時、たった15分遅れただけでこの有様。


 スマホは取り上げられた、代わりにカイロと防寒着を渡された。

体は暖かいが顔が冷たい。

しかし、ベランダのはきだし窓からリビングのテレビが見えるのでちびまる子ちゃんは観れる。

それが救いだ。


 音声は聞こえないけど、それでもまるちゃんは面白い。

ホッとする。

家の中で、コタツに入っているまるちゃんを、羨ましいと思う日が来るなんて。

・・・  家のない人はみんな同じこと思うのかな  ・・・


 しばらくするとお母さんがリビングにやって来てこちらの様子を伺っている。

私はここぞとばかりに、窓を叩いて泣いたふりして反省しているアピールを行う。

というか、ベランダつまんないから早く家に入りたい。


 帰りたいゲームしたい。

いや、家には帰っているのか外にいるけど。

家だという実感がない。

窓に顔を貼り付けて抗議を続ける。

・・・ 入れてー   入れてー  ・・・


 願いが届いたのかお母さんはこっちに向かってくる。

ようやく、私のお仕置きは終わるようだ。

早く家に戻って、手を洗ってマルちゃんみなきゃ。

一歩、二歩とどんどん近づいて、かがんで鍵をあけ・・・


 あれ?


 お母さんは私を見てニヤリと笑うと素早くカーテンを閉めた。


      悪魔だ!!  あの人、人間じゃないよ。


 普通、ここは明日からきちんとしなさいって注意して家に入れるよね?

私、無言でカーテン閉じられたんだけど!?

目の前はまるちゃんの放送から・・・カーテンの裏地。

もちろんカーテンの裏地に、30分楽しませてくれる面白さはない。


・・・  ああ、まるちゃんが。良い子の楽しみが(今は悪い子だけど) ・・・


 


     スマホなし  お腹も減って  寒い外

                        

                         桃花、悲しみの俳句。

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